ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

この世界の片隅に

原作未読、アニメーション映画版を観ました。


一見萌え系のチラシビジュアルが苦手で、評判に背中を押されるかたちで鑑賞に至りました。
けれど、観る前と観た後ではチラシの見え方がまったく変わる鮮烈な作品でした。


このクオリティをして、公開当初、全国たった63館での上映だったという事実にも驚き。
それが主にSNSや口コミで評判がひろがり、とうとう私の近場なんぞのシネコンの一番おおきなスクリーンで、堂々公開される作品にまでになったのでした。
映画化がクラウドファンディングによる資金あつめからはじまった、という逸話もその話題性を加速させます。




「戦争」、「アニメ」、というだけで、私も含めて敬遠してしまう層も多いと思う。
だけど、よくあるそういった類のものではなかった。


描かれていたのは、ある時代をただ生きた、"主人公・すずの生活や日常"だった。


劇中ではリアルにこの世の中を生きる我々と同じようにスピードをまとった日々がどんどん過ぎていく。
あれよあれよという感じの、そりゃあもうすごい展開の速さで。
そのあいだにいろいろ起こるのだけれど、それは描かれていた当時のひとにとっては、きっと特別なことではなくて。
けれど登場人物たちにとっては激動のはずのそれをあえて淡々と静かに描くことで、
強く訴えかけてくるパワーがあった。


ふだんはのんびりぽけぽけしている主人公すずさんを能年玲奈こと「のん」が好演。
序盤は"のんがすぎる"と思ってしまったけれど、その声は物語が進むにつれぐんぐん「すずさん」になっていって、そんなすずさんに引き込まれた。




終始きめ細かいながらも暖かなタッチで描かれていたアニメーション。
そんななかで叫びだすかのように主人公の内側がさらけ出される演出がとてもよかった。
ときおり登場するファンタジックな表現や、
すずさんが絵を描くのが得意とのことで、それを効果的につかった表現もアクセントになっていました。
また、そんなほのぼのタッチと相反するかのような容赦のない爆撃の様子なども目が醒めるようなソリッドさで見事だった。


いつの間にか姿を変えたすずさんの右腕も衝撃的だった。ショックだった。
表面的には画に馴染んでいくそれは、ときにすずさんの心の痛みをえぐり出す象徴となっており、たまらなくつらかった。
きっと私の人生や生活、あの人の人生もかのひとの生活もそういうものなのだ。はたから見たらわからないだけで。
本作ではそんなぼんやりしがちなものをまっすぐ具現化することによって、
私自身が何気なく過ぎていく自分の人生や生活に目を向けることとなった。
そのへんも、ただの戦争もの、ただのアニメではない凄さ。




戦時中を舞台にしながらつねにこちらが穏やかな気持ちで観ることができたというのも凄い。
なんつったってわかりやすいゴリ推しのメッセージ性やお涙ちょうだいは皆無。
牧歌的な笑顔もふんだんにあしらわれ、それが余計にこちらの生活に歩み寄ってくる。
作品のなかの笑顔は他人事ではなくて、我々の日常にもある笑顔と通じるものがあってより一層こちらも素直に笑顔になれた。
ラブストーリーとしても素直にどきどきしたなぁ。




優しくて美しい、けれど押し付けがましくないアニメーションには、冒頭から涙腺を刺激されまくった。
日本人のアニメーションにおける仕事を誇りに思いました。


作品の感想としては「おもしろかった」といったら誤解を受けそうだけど、
でも、ちゃんと作品として、エンターテイメントとして、「おもしろかった」。
コトリンゴさんの楽曲もふくめ、音楽も素晴らしかった。
音響の臨場感も、この映画を映画館で観てほしいと思う理由のひとつ。


"邦画大豊作"と言われている今年。
日本語を自分の頭で理解できること、日本人がつくった日本の、日本人の主人公の物語を、
こうしてしっかりと感じ取れることが素直に嬉しいと思います。

EXO PLANET #3 – The EXO’rDIUM in JAPAN IN 東京ドーム

"モンスター・グループ"は、私のなかでは"モンスター・コンテンツ"になっていたのでした。


私のなかでの"「K-POPだから」のわく"にとらわれることなく、
「EXOだから」という理由でまるで定点観測をしているかのように見守っている『EXO』。
そんな彼らの二回目の東京ドーム単独公演に参加して参りました!



今回はレイちゃんもしっかり一緒に来日!

ようやくイメージビジュアルのメンバーが揃ったEXO(涙)




めっちゃくちゃ楽しかった!!!!!




私は、まだEXOを愛せる!!!!!!!!!




それをしっかりと実感しました。


いつもはライブは同じ内容なら一回でいいや派なんですけど、
(というか、一回で満足させてくれないとイヤ派)
今回はもう一回行きたい(切に!)!、と思いました!!!!!




えくそのやつらめ、3時間越えのライブしよってからに。
体感はもっと少ない時間に感じたのに終わってからの疲労がやばかったです…グッタリ


チョ・インソン、キム・ウビン、イム・ジュファンと、ギョンスと共演した俳優さんたちが見に来ていたそうで。
開演前に悲鳴があがっていたので、誰か来ているんだろうな~とは思ってはいたのですが。
3人とも全身真っ黒でずっと立っていたそうです(笑)
あの『GLAY』のTERUさんも来ていたそうで!
(察するにギョンスペン…おっさんキラーギョンス…!)




いやね、


そもそもですね、ついこのあいだの『f(x)』の単独ライブで奇跡のような席運を使い果たし
(本公演も当日引換券を販売してたけど、どんな席だったんだろう?)
今回は上から数えた方が早いくらいの天空席で、アリーナは見渡せられるものの、
EXOが出てきても、「あっなんかちっちゃいひとたち出てきた…」、
モニターを見ても、「えっこれって実物を撮ってるの映してるの?まじで?」、みたいな、
贅沢病を発動してしまい、なかなか!!!!!なかなかライブに没頭するのに時間がかかった!!!!!


でも、後半はふとしたときからもう一回初めからちゃんとこの公演を見直したいと思うようになっていました。
ライブ中なのにすでに後悔し始めるという(笑)


気が付いたら下手側からアリーナを含めたドーム全体の絶景に感動していました。




前回のライブでは、ひたすらに客席を盛り上げよう!、という感じだったけれど、
今回は魅せよう!、っていう感じだったなぁ。それがすごく良かった。
工夫に工夫が凝らされてて、この内容をあの忙しい時間にどうやって会得したのかと驚くばかりでした。凄かった。




ザ・ステージショー。




いままでと違うのは「ショー」の要素がかなりあったと思う。
双眼鏡をかつてないほど使いこなした感があったんだけど、(それはそれでよかった)
それより顔が見えなくてもいいから、会場全体を眺めていた方がよかったのかもしれない、
と思うくらいショーとしてのパワーが凄まじかった。


これまでのお馴染みの曲はあますとこなくほぼアレンジされていて、
計算されつくしたであろうセットリストは全曲もれなく楽しめたし、
この空間・このライブだけで、楽しませよう、という気概がしっかりと感じられました。




そして、




超・豪華ステージセット。




こんなの見たことない!、の連続でした!


どこもかしこも床がせり上がる!!!!!

ここも!あそこも!まじかよ!


センターステージから左右に花道があってサブステージがあることはさることながら、
な、なんと!!!!!ジャニーズのコンサートで有名なムービングステージがあるじゃないですか!!!!!
ムービングステージでアイドルが真上にきたらやばいだろうな~いいな~なんて天空席から羨ましがっておりました。
ムビステがバクステ化したときの『Love Me Right』はめちゃくちゃわきました!ラミライ大好きなのです!


センターステージには水は降るわそれで床は濡れるわ、加えてスモークはたくわで物凄かった!!!!!
メンバーがMCでメインステージにいるときにセンステの水を、スタッフが結構な人数でめっちゃ拭いてる!!!!!あれはすごいよー!
ムービングステージなんつーハイテクをつかいながらそこはやっぱ人力なんだ、と謎の感動。
センターステージの変形っぷりも凄かったですね!


一曲目『MAMA』からメインステージの炎がガンガン上がってそのたびにあの広いドームの天空席でもそのあたたかさを体感できるくらいだった。
前回に引き続きDJチャニョルは健在だし、お金がめちゃくちゃかかっていた!
ライティングも素晴らしかったし、とにかく贅沢なライブでした。


組み立て式のセットはなかったものの、

映像・電飾をふんだんにそこかしこに取り入れていて格好良かったです。


せり上がったステージの断面にも映像、映像。
何層にもなったメインステージのバックの黒いスクリーンにも映像。
あれはLEDなのかな?カラフルで楽しかった!


花道に沿って光る電飾も印象的でした。
『LIGHTSABER』で、メンバー全員が光の棒をぶんぶん振るのも良かった。
スニーカーが光るのもおもしろかったです。


銀テープ発射は『Run』で。
今回は手に入れられなかったけれど、と~~~~~っても綺麗でした!多幸感!


個人的には『Wolf』の演出がかなり好きでした。
また、それら数々の演出に負けることのないEXOの存在感も凄いと思います。
あのなかで、おのおのがあんなにのびのびとしているだなんて。




冒頭のとおり、えぷコンとの座席の落差がありすぎてどこを見ていいかさっぱりわからず、
いったい何をどこに目を向ければいいのかわからずソワソワキョロキョロしていたのですが、
耳だけはこれまで以上にそばだてていました。




かつてない生歌っぷり。




めっちゃくちゃ生歌だらけでこれには本当に本当にびっくりした!!!!!
口パクもあったんだろうけれど、そんなのはかき消すくらいの生歌率の存在感。
とくにベクチェンの絶唱は圧倒的支配力を持っており、ひれ伏すほかありませぬ。




で、"韓国のアイドル"ですから、歌唱もうまいんです。
それを、たくさんたくさん浴びました。幸せでした。


それにも関わらず、




ステージじゅうを駆け回って、
踊って、踊って、踊って。




最初のMCタイムで気合が入りすぎて踊っていて靴を壊したカイくんが靴をとり替えに。


常時、アリーナ席に張り巡らされたステージや花道を縦横無尽に行き交うえくそちゃんたちにはアッパレ。
また9人という人数を生かしたフォーメーションなどもお見事でした。


先日の『2016 MelOn MUSIC AWARDS』でも披露されたカイレイセフンのダンスラインのパフォーマンスは圧巻でした!!!!!
かつ、二回目の水パフォもこの3人で行われるのですが、凄かった!
(なんかもう「凄い」しか言ってない・笑)


EXOはダンスは決して揃っているとは思わないけれど、
そのパフォーマンスは、いまK-POPアイドルのトップにいるひとたちのそれではないようなががむしゃらさがありました。
また、それに反する、トップにいるからこそ相手を楽しませる余裕をも兼ね備えていました。


レイニョルによるアコギ演奏にのせて、

他のメンバーが歌唱とダンスで彩る幸せモーメントもありました。


今回は映像も、それぞれちゃんと、よく見ました!
ふだんあんまり見ないのだけれど←、どれもとっても楽しめました。
小人の映像で三角帽を目深にかぶったギョンスがめっちゃおもしろくて、そのまんま本物がステージに登場したのは会場爆笑!
その流れで一回目のトロッコだったのだけれど、いまは、ああいったカワイイ衣装やパフォーマンスと、
ステッキを使って腰を突きだす『Artificial Love』などのアダルトな振り付けを同時にできる貴重な時期なんだなぁとしみじみ感じました。
どっちも大好きです(まがお)




あとね、




日本語MC、めっちゃ頑張ってた。




チャニョルちゃんは、本当に日本が好きなんだと思う、と贔屓目なしで思ってしまうくらい日本のファンに歩み寄ってくれてる感じがした。
最近覚えた日本語では、「ひとつ!ふたつ!みっつ!よっつ!いつつ!むっつ!ななつ!…!やっつ?ここのつ!とお!!!!!」!!!!!
すごい!すごいよチャニョル!!!!!(猫可愛がり)
とにかくチャニョルは日本語でメンバーに話をふったり、ガヤをいれたり、超積極的!


突然、(おそらく)ごく個人的に開設した、
『チャンヨルのアメブロ』より。

この行動力にはびっくりですよ(笑)


ベッキョン:「変態!みなさん変態!」(ベッキョンの裸を見たがる客席に対して)
…と、一時期バッキバキだったベッキョンのお腹は元に戻ったらしいです(笑)全盛期はあの前後3日間だと(笑)
それに対してギョンスが「ぼくは前回と髪型も腹も変わりません!」(もちろん日本語で)と謎の宣言(笑)
ベッキョンは「日本語」というより「コミュニケーション」がうまい。もちろん日本語もうまいのだけれど。
そういえば、ベッキョンは「EXO軍団をつくりたい」って言ってた(笑)


日本語MCの打率ではギョンスが単独トップだと思いました。
そんなに多くは発しないけれど、喋った日本語が日本人に命中しすぎててさながらスナイパーだった。
『Lucky One』の首振りギョンスはギョンスを映すカメラマンも需要をわかりすぎてて(笑)


ジョンデもすごく煽ってくれて盛り上げてくれたなー。
シウちゃんもどんどんやわらかくなってきて。


レイちゃん、初めての単独東京ドームだったのに、つねに神妙な面持ちだったのが気になったりしました。
いろいろと私の勘違いであってくれ。
挨拶でカンペを取り出して読みあげるのもレイちゃんらしておもしろかった(笑)
でも「きんかんから来たユニコーンです!」は、絶対に狙って言ってる(笑)!
レイちゃんがスクリーンに映し出されるときのそれは歓声というより悲鳴。


この日本語と母国語のバランスはこれはこれでいいんじゃない?、と思えるものでした。
チャニョルみたいに積極的にことばで交流をはかろうとしてくれるのも嬉しいし、
そうでなくとも、全員が全員、しっかりと客席に歩み寄ってきてくれているような姿勢は素直に好感が持てました。




それにしても、スタッフサイドが仕組んだサプライズ演出は大失敗だよね(笑)
メンバーも「きれいー」、「まぶしー」しか言ってなかったし(笑)
見渡しても、映されたモニターを見てもこちらも同じことしか思わず(笑)




開演前、ドームの外はさながら満員電車状態で外グッズ売り場なんてもってのほか!、という感じだったので、
事前に通販で入手していたペンライトがあるから他はいいや~、と思って入場したら、
入場してすぐそこに普通にスカスカのグッズ売り場があってびっくりした(笑)
記念にパンフレットを購入しました。EXOロゴの六角形型がシンボリック。




単純に、EXOは初めてのツアーから参加しているので、毎回変化があっておもしろい!
あと、毎回参加したら、絶対に次が楽しみになるんです。
これは「もうこれ以上はないかな…」と思わせるグループが多いなか個人的に凄いことで。
本当に、常に進化し続けるEXOを体感できることを嬉しく思います!!!!!


最後のMCではお決まりの、スホさんと客席のコール&レスポンス。
「We are!」\ ONE!/、「エクソ!」\サランハジャ!/。


今回はエンディングの演出も素敵でした。
ロッコで一周したあと中央のムービングステージに戻り、メインステージへ帰っていく。
そして扉が閉まるかのように黒いスクリーンが閉じられメンバーの姿が消える……


は~~~次の機会がはやくも待ち遠しすぎる~(早い)




VCR
1.MAMA(Remix ver.)
2.Monster
3.Wolf(Remix ver.)
MC
4.White Noise
5.Thunder
6.Play Boy
7.Artificial Love
VCR
8.Unfair
MC
9.My Lady
10.My Turn To Cry
11.Moon Light
12.Coming Over
MC
13.Call Me Baby
14.Lady Luck
15.What If…
16.Tender Love
17.Love Me Right(Japanese ver.)
18.One and Only
(セフン×レイ ダンス)
19.Stronger
VCR
20.Heaven
XOXO
21.Girl x Friend
22.3.6.5
VCR
23.Overdose
24.Transformer(Remix ver.)
25.LIGHTSABER(Remix ver.)
MC
26.Do It Together(未発表曲)(チャンヨル×セフン×シウミン)
27.Full Moon
28.Drop That(Japanese ver.)
29.Let Out The Beast(Remix ver.)
30.Lucky
31.Run

VCR
EN1.Cloud9
EN2.Growl
EN3.Lucky One
MC
EN4.Angel

溺れるナイフ

原作未読、実写映画版の感想です。


イメージビジュアルが公開されたときは、
そのイノセントな雰囲気に強く惹かれて、絶対に観たい!、と思っていました。


だけど、予告映像を見て、そんなテンションは一気に下がってしまったのでした。
それはカリスマを持つふたりの少年少女キャラクターのビジュアルと、
演じる菅田将暉と小松菜奈ちゃんのシンクロ率が凄くて、そんなふたりが眩しすぎて。

ちょっとショックなくらいだったんです。
だから、距離を置こうかと思っていました。
けれど、それは痛烈に惹かれたのが理由だし、やっぱりどうしても気になってしまって。
重い腰を上げて観に行った次第であります。




で、観たわけなのですが……




少なくとも、予告映像で見た「コウちゃん」は、映画のなかにはいなかった。






…このヘタクソ!!!!!!!!






映画が!!!!!ヘタクソ!!!!!


「少女漫画の実写化」、の悪い例を見た気がする。原作知らないけど。
ロケーションを含め、これだけ素材が揃っていてこんなスカスカな映画が、撮れるんすねー。
学生とかのほうがもっとうまくやるんじゃないですかね。
なんなんだよあの大森靖子の挿入歌は!!!!!!!
逃げの要素の強いラストもちょっとあれはあんまりなのでは。。


スピード感はあるものの、あまりにも内容の流れがすっ飛んでいて、
ナツメ(小松菜奈)とコウちゃん(菅田将暉)がどうしてこんなに惹かれ合っているのかがまったく伝わってこない。
ドラマだから、映画のなかではたしかに惹かれ合っているのだけれど、だからこそそれがすごくサムく感じてしまいました。


テンポもちぐはぐで、狙ったちくはぐならいいものの、
明らかに力量不足のちくはぐで、このヘタクソー!、と何度心で叫んだことか。




ストーリーはキャッチーなものの、作品自体はすごくミーハーな感じ。
ただでさえ薄っぺらくなりがちな「芸能界」というものを扱っているのだから、もっとそのへんの配慮が欲しかったです。
菅田将暉に、小松菜奈ちゃんに、こんなミーハーは似合わないと思いました。
ふたりの持ち味ぶち壊しですよ。


仮に本作が原作になぞったストーリーをなぞった結果がこのありさまになったのなら、
もっと映画オリジナルの要素(もちろん引き算を含む)を入れてもよかったのではと。
そのほうが作品としての可能性が広がったのではないかと。




タイトルバックのモノローグや、歌モノ以外のジャカジャカした音楽は、
作品の質感とマッチしていて気持ち良かったです。


とおーーーーく俯瞰で撮られていたカットもおもしろいと思いました。
細長い小松菜奈ちゃんが、しっかりと身体の動きだけで心情を露わにしているのは良かった。




キャストは良かったと思います。


とくに重岡大毅くん!!!!!、の演技はめちゃくちゃよかったです。
"『ジャニーズWEST』の重岡大毅"は寸分も見せず、ただただ「大友」という明るくて優しい青年がスクリーンにいました。
アドリブなのかよくわからないシーンもたくさんあって、そのたびに小松菜奈ちゃんが本当に楽しそうにしている姿は見ていてとてもほっこりしました。
重岡くんの"俳優としてのすごさ"はしっかりと伝わってきました。


だけど、私は菅田将暉の"俳優としてのすごさ"も感じたかったんです。
本作は菅田将暉の無駄遣い極まりなかった。
彼自身の演技はいつものえげつなさ全開の素晴らしい演技でした。


でも、"菅田将暉の「コウちゃん」"はもっと凄いはずなんだよ。


だって「コウちゃん」ってそういう存在なんじゃないの?
映画からはコウちゃんのカリスマとかまったく伝わってこなかった。
予告映像の「コウちゃん」という存在が強くつき刺さっていた私は、そんなコウちゃんが悲しかった。
あの予告映像の鮮烈なコウちゃんは、私にとっては映画のなかのコウちゃんではなかった。


小松菜奈ちゃんのヘタクソ演技は映画のヘタクソ具合と同調しちゃってて、
小慣れてない演技が評価されていると思い込んでいる私個人の感想としては、
本作では普通にヘタクソだなぁと思ってしまいました。
雰囲気のある女優さんだと思うから余計に残念。
でも、たどたどしいながらにコウちゃんに叫ぶかのように想いを伝える姿は真に迫るものがありました。


上白石萌音ちゃんはうまいのだけれど、このミーハー映画だと演技のうまさが勿体なく感じました。
でもカナちゃんのうざったい感じはよく伝わってきて良かったです。
『ドレスコーズ』の志磨遼平さん、あの風貌はもうこの作品のミーハーの極みというか。。
なんつーか、アーティストっていうよりアイドルみを感じてしまって私はだめでした。。
それにしても市川実和子が母親役だなんてびっくりですよ。時代の流れを感じる。




予告映像を見て、こんなにざわざわさせられたのは久しぶりです。
が、本編を観て、こんなにがっかりさせられたのも久しぶりです。


私ですらその存在を知っていた人気漫画『溺れるナイフ』の実写映画化は、
ファンの方にこそ賛否両論ありそうですね。
個人的には、いい勉強になりました。

追われるEXO、負けたくないEXO、2016年のEXO。

さて、韓国の、どんだけあんねん!な、授賞式シーズンがやってまいりましたね。
メジャーどころではつい先日・11月19日に『2016 MelOn MUSIC AWARDS』(2016 MMA・メロンアワード)が行われました。


でも、いままでメロンアワードにはそんなに興味がなくて。
なぜなら、「授賞式」という催しそのものにあまり興味がなかったから。
デビュー年の『EXO』はかすりもしなかったし(笑)
"年末の授賞式"といえば、出来レースと言われようがお祭りステージで魅せてくれる『MAMA』こと『Mnet Asia Music Awards』とかのほうが楽しくて好きで。
また、飽きっぽい私がいまでも『EXO』を追えているのも、
MAMAというステージで一年一年その歩みをしっかりと確認できているからといってもいいほど、MAMAは私にとって特別なイベントです。


けれど、今年はちょっと違う。


それは私がK-POPシーンを「EXOのファン」として見ているだけではなく、
K-POPファン」として見渡すようになったからです。
だからこそ、音源販売が主流の韓国における大手音楽ダウンロードサイト『MelOn』の主催するメロンアワードには興味津々でした。
リリースがあるたびに『MelOn』のチャートをチェックするようになったのも最近です。


この一年はとくにガールズグループの大変革は強く実感していました。
雑感でも、今年のけーぽのトレンドはどう考えても女子新人アイドルだと思います。
『TWICE』、『ヨジャチング』の大躍進、『I.O.I』や『BLACKPINK』のデビューなどなど。


そんななかでも、"「音盤」王者"として君臨している『EXO』は健在していました。
私は約束されたであろう「大賞」を、のん気に待っていたのでした。




『2016 MelOn MUSIC AWARDS』の『EXO』のパフォーマンスは、
こちらの想像をはるかに上回る、とても堂々としていてたくましいものでした。



だって今年は、すぐ追いつかんばかりの勢いのある『防弾少年団』がいた。すぐそこに。




私が見たのは、まぎれもなく"追われるEXO"でした。




"アーミー(防弾少年団のファン)とエクセル(EXOのファン)が争っている"みたいな話はよく見かけたけれど、
個人的にはそれを実感することはほぼなくて。
でもメロンアワードでの鬼気迫るパフォーマンスを見て、「ああ、EXOは追われているんだ」、とようやく実感したのでありました。


ばんたんは、デビューしたときそのグループ名と「らっぷもんすたー」という芸名に、
「絶対に売れまい(笑)」と思っていたりしたもんです。すんません。
そんな彼らが、いまやEXOとほぼ並んでいるという事実に驚くばかりです。
(EXOもこんなに売れるだなんて思ってもみなかったけれど)


私的K-POP元年・2012年の授賞式は、『BIGBANG』と『SUPER JUNIOR』が賞を獲り合っていたことをよく覚えています……
それが2016年現在、『EXO』と『防弾少年団』がトップを競っているだなんてこれっぽっちも想像できなかったよ~。




そしてそのあとにつけているだろう『せぶち』こと『SEVENTEEN』も脅威的。
今回のメロンアワードのステージを含め、どんな催しのステージでも必ず爪痕を残す!
なにせ、せぶちの"今が旬!感"、すっごい!勢い、すっごい!
いままでは「パフォーマンスといったら『VIXX』のお兄さんたちでしょっ(ドヤ」って感じだったのだけれど、
せぶちはそのパフォーマンス(楽曲含む)がつくれるひとがメンバーのなかにいて、
それがしっかりとチームのすみずみにまで伝達・共有できている感じが無限大の可能性を秘めていてもうなんというか末恐ろしいというか。
もう「パフォーマンスといったらせぶち!」っていう感じがすっごいね…本当にもうせぶちはすごいよ……


そんなせぶちのパフォーマンスをEXOは最前列席からどんな気持ちで見ていたのだろうかと。
あんなの目の前で見せられたら、そしてそんな彼らが後ろにいると思ったら、、、と。




それら後ろからの煽りに踏ん張る"負けたくないEXO"がそこにいました。




正直、これまでの授賞式などのパフォーマンスは、あくまで「人気」の後押しのうえで成り立っていた等身大の精一杯だった気がします。
でも今年のメロンアワードでは、覚醒したかのような、そんな出で立ちで。
それは年数を重ねた「貫禄」とか、そういうのではなくて、追われて初めて出る「馬力」のような。


圧倒的なダンサーや圧倒的なボーカルを擁しているにも関わらず、
あまりチームとしての「圧倒的」な感じはないEXO。
「圧倒的」が表れていたのはとにかく「人気」だったわけで。


でも、"負けたくないEXO"は、追いかけてくる後輩を突き放すかのようなパフォーマンスで魅せてくれました。
しっかりと自分たちの立ち位置を踏みしめるようなそんな存在感を放っていて、すっかり感心してしまったのでした。




メロンアワードでは大賞である「今年のアーティスト賞」を含めた5冠の受賞。
それらは、初めて彼らが"獲るべくして獲った賞"という感じがしたのでした。




これが"2016年のEXO"の姿なのだと思う。




ガールズは楽曲の人気に受賞成績が反映されている印象があまりなのだけれど、
こういうところでは「総合点」が大きく反映されるわけで、
そういった意味ではファンダムが過激で巨大なボーイズが強いんだろうなぁ。




"2016年のEXO"の終わりの始まりはそんなふうに衝撃的でした。
これから待たれるステージで、いったいどのような姿を見せてくれるのか、楽しみです。



■「2016 MelOn MUSIC AWARDS」受賞者リスト


アーティスト賞:EXO
アルバム賞:防弾少年団
ベストソング賞:TWICE


2016 TOP10:EXO、防弾少年団、ジコ(Block.B)、TWICE、楽童ミュージシャン、
       GFRIEND、MAMAMOO、BewhY、Red Velvet、テヨン(少女時代)
新人賞:BLACKPINK
ネットユーザー人気賞:EXO
ホットトレンド賞:ジコ(Block.B)
ミュージックスタイル賞バラード部門:イム・チャンジョン、チョン・ウンジ(Apink)
ミュージックスタイル賞ダンス部門:GFRIEND、EXO
ミュージックスタイル賞ラップ/ヒップホップ部門:イム・チャンジョン
ミュージックスタイル賞インディーズ部門:赤頬思春期
ミュージックスタイル賞トロット部門:ホン・ジニョン
ミュージックスタイル賞フォーク/ブルース部門:10CM
ミュージックスタイル賞OST部門:T(ユン・ミレ)
ミュージックビデオ賞:Red Velvet
MBCミュージックスター賞:SEVENTEEN
カカオホットスター賞:EXO
テンセント・QQミュージックアジアスター賞:iKON
Hall Of Fame:Sechs Kies

スーパープレミアム「獄門島」

横溝正史の最高傑作
数々のミステリーランキングで1位に輝く名作をドラマ化
長谷川博己演じる新しい金田一耕助が事件の謎に挑む!


戦争直後の瀬戸内の孤島を舞台にした、おどろおどろしい雰囲気、殺人の巧みなトリック。昭和22年の発表当初から高い評価を受けている「獄門島」は、古今東西のミステリー小説を対象にしたランキングで何回かベスト1に輝いたのをはじめ、常に上位にランクイン。これまでに映画化2度、テレビドラマ化4度と、今もその人気は衰えない。


この傑作ミステリーを、各種の映画機材等を用いることで、映画とみまごうクオリティーで映像化。また、孤島の地形(殺人トリックに不可欠)や島を覆う不気味な空気感の描写を、雄大な自然と歴史的建造物が多く残る佐渡で再現する。そして、金田一耕助。戦争でトラウマを抱え、心に空いた穴を埋めるため、取り憑かれたように事件を解明しようとする姿は、風変わりでとぼけてはいるがどこかヒーロー然としていた従来の金田一像とは一線を画す。


「うぐいすの身を逆さまに初音かな」閉鎖的な孤島で繰り広げられる連続殺人。何故か俳句に見立てられたそのコロシの謎に、金田一耕助が挑む!


https://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/20000/252951.html




狂気と色気と。




"「NHKだから」、「BSプレミアムだから」できた「長谷川博己金田一耕助」"という、
表現の高みを目指した姿勢がとにかく好印象。
だからこそできるお金のかかった実験的な映像作品としては、じゅうぶん及第点の意欲作。


艶やかでコントラストの強い色彩、鋭いカメラーク、ロックミュージックがギンギン冴えた音楽らなどが、
その世界観を唯一無二の存在感に成した最高の出来。


また、その「色気」は同局が制作した、
『シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎』に通じるものがあると思いました。




ハナシ自体はそんなにおもしろいと思わなかったのだけれど、
ちゃんと、「映像表現」としておもしろかった。


作中で連呼されていたずばり「キチガイ」な世界に浸かれる幸福感は、
触れたことのない表現の世界に触れることのできた喜び。
ふらふらゆらゆらとした感覚が強いものの、作品自体はとても芯と安定感があったと思う。


カット、というか画がいちいち美しいのも変態的なこだわりの強さがすご~~~くよく伝わってきて、
そのやりきっている感じは笑えるほど痛快でもあった。
フォントの使い方とか、すっごい絶妙なセンスをお持ちの方が担当したんだろうな~と。




長谷川博己金田一耕助役やったの初めてなの???まじで?????、っていうくらい、
長谷川博己金田一耕助」というキャラクターの完成度が凄まじかった。
長谷川博己金田一耕助」はさすがハセヒロ、舞台演劇出身のひとなだけあって(いまだに個人的にはソッチのイメージの方が強い)、
パンクでイキッたスーパークールな金田一耕助だった。
まず、ビジュアルからして完璧。
そして、退廃的で凄まじくエロかった。個人的には「ヒモい」とも思った(萌)


ハセヒロ以外のキャスト陣は派手さはないもののうまいひとばかり。
ハセヒロ含め、みなさん舞台演劇のような演技だった。
今作は「映画」をかなり意識したみたいだけれど、映画という映像媒体ではなく、
「テレビドラマ」というある種の劇場の広さは、そんな演技にすごくフィットしていた。
この抑えたキャスティングが「長谷川博己金田一耕助」をより引き立てた。
だからといって主人公以外が「引き立て役」というわけではなくて、
長谷川博己金田一耕助」を主役に据えるのにちょうどいい、という感じ。
とってもよかった。
最近見た映画版『ライチ☆光クラブ』に出演していた岡田天音くんも出ていました。
落ち着いた演技が意外で嬉しい発見。


演劇的といえば、帰還した兵士役の柳俊太郎に施されていた厚い化粧や、
頭の悪そうな三姉妹の着飾り方もそんな印象だった。




長谷川博己金田一耕助」と奥田瑛二和尚とのラストバトルは、
もうふたりとも明らかにマトモじゃなくて狂っていて、
こんなの地上波のゴールデンタイムじゃ規制くらうよっていうくらいヤバくて最高だった。
「迫力が~」とかそういうレベルじゃなかった。


長谷川博己金田一耕助」が叫ぶ。


「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!無意味!ご苦労さまでした!ざまあみろだ!」


激しく発せられるそのことばはどこか滑稽で、
彼の目に映るものへの淡々とした"「ことば」という記号"として空気に溶けていった。

BOYS AND MEN @ベストヒット歌謡祭2016

ぜんっっぜん情報を知らなかったので、
ほんっっとうにびっくりしました!



テレビを何気なくつけていたら、




年末の!全国放送の!ゴールデンタイムの!音楽生特番に!
ボイメンことBOYS AND MENが!!!!!!!!!







え~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!




もちろん、こういったテレビ出演は初めてのことだそうです。




『ボイメン』といえば。


私のジャニーズの推しメンである平野紫耀くんの古巣であったり、
超人気K-POPボーイズグループ『防弾少年団』とのツーマンライブや、
昨日行われたばかりの韓国の授賞式『2016 Asia Artist Awards』に出演しライジングスター賞という謎の賞を受賞したりと、
(ばんたんやせぶちとの交流も垣間見えましたね^^)
なにかと個人的に視界に入ることが多くなってきたグループ。


ばんたんとの対バンは、

開催前から双方のファンのディスり合いがすごかった(笑)


韓国スター大集結の2016AAAの集合写真で、
まさかの最前列センターに配置されるボイメン(笑)


また、『Kis-My-Ft2』とのCD売り上げ合戦なんかも記憶に新しいです。
軍配はキスマイにあがったけれど、『ボイメン』の名を一気に知らしめた「事件」でした。




と、


「やっぱりボイメンはそろそろおぼえたほうがいい気がする。」


ことあるごとに、そんな風に思わされていた存在。




先日の宮澤佐江ちゃんの卒業コンサートのついでにSKE48劇場のある名古屋・サンシャイン栄に訪れた際は、
ずばりボイメンのイベントが行われている最中で、ワンフロアがボイメン一色!
さらにサンシャイン栄限定のプリクラ機のフレームまでボイメンになっているという現地での人気と支持を感じたのでした。
(以前、サンシャイン栄に訪れた際は『SKE48』のフレームだった)
(プリクラ好きなので一応記念にしっかり撮った←)
(ちなみにオアシス21では『超特急』の弟分『SUPER☆DRAGON』がフリーライブをしていました)


48グループ界隈はもうゆる~~~く眺めている程度でしかないのですが、
とにかく名古屋・栄に拠点を置く『SKE48』は仕事がない!!!!!そうで!
なぜかというと、地元の番組のアイドルレギュラー枠はボイメンに席巻されているというではありませんか!!!!!
ベストヒット歌謡祭では堂々と「レギュラー番組18本」と表記されていてまたびっくり!




「地域密着型アイドル」は数あれど、
(ボイメンを「アイドル」と表記することをよく思わない方にはごめんなさい!)
巨大バックがつく48グループのそれとは違った全国進出の勢いに、高まらないわけがないっ!


まして、日本の一級メジャー音楽番組『ミュージックステーション』は、
ジャニーズ事務所(言っちゃってる←)の圧力で、ボーイズ・アイドルグループの出演ができないそんな時代に~~~~!
(だって~~~『超特急』がMステに出られないなんておかしいよ!!!!!)




新時代の幕開けを感じたぜよ。




ボイメンはやってくれた。


そしてベストヒット歌謡祭が終わるやいなや発表された、
日本レコード大賞の新人賞を受賞との超吉報…!
(もはやレコ大に価値があるとは思えないけれど彼らにとってめでたいことには変わりない)


この快挙は、きっとボイメンの、地方発アイドルの、
新しい歴史のスタートなのかもしれない。



さて、誰からおぼえようかな?
ボイメンに幸あれ。

f(x) the 1st concert DIMENSION 4 - Docking Station in JAPAN [ENCORE] IN 横浜アリーナ

去年あたりから"「K-POPだから」という理由で現場に行くのはやめよう"と、思っていた。
もちろんここで指す「K-POPだから」の「K-POP」は"好きなもの"の意も。それでも、だ。
K-POP』というものが少しずつわかってきて、
K-POP』というものに翻弄されるのがいやだと感じるようになったからだ。


ガールズグループ『f(x)』の現場も例外ではなかった。
2月に行われた初の単独来日コンサートは、「K-POPだから」という理由で参加をしなかった。


ところが、そのあと、ひどく後悔した。
ツイッターのタイムラインに流れてくる会場の様子に、
いてもたってもいられなくなるくらいだった。




そして、ようやく気がついた。




私はf(x)を"「K-POPだから」好きだ"というわけではなく、
純粋にいちアイドル・いちアーティストとして好きだったのだ、と。




この思いを胸に、つぎの単独来日コンサートがあったら絶対に参加しよう、
"ある日"まではそう思っていた。




ところが、その"ある日"は突然やってきた。




f(x)のエース・クリスタルの熱愛報道。




相手は『EXO』のカイだった。これには当時ひどく失望した。
大袈裟ではなく、私にとってはあまりにショックな出来事だった。




私はf(x)のなかでも、とりわけクリスタルが好きだった。
カイ云々というより、偶像として崇めていたクリスタルが普通の年頃の女の子だったこと、
私が愛していた偶像はただのひとりの女の子の人生のかけらだったことを突き付けられて、
勝手に裏切られたような気分になった。


それ以来、あんなに大好きだったクリスタルのことを、忌まわしく思うようになっていた。




極論、




クリスタル、大嫌い。




と、なってしまった。




人間の心というものは単純で、
「裏切られた」と思い込んだら、その対象に向ける目はまるで敵を見るようかのように自然に変わってしまった。


あんなに好きだったクリスタルとf(x)。
そんなふたつが「K-POPだから」というカテゴリーにあっけなく分類されるようになってしまった。


そして今回のアンコール公演は、断固としていくまい、と心に決めていた。
K-POPだから」という対象にいったいどういう目を向けたらいいのか、
わからなかったから。




けれど、いざ催しが始まってみれば、気になって仕方がない自分がいた。
あのときの後悔をくり返したくないという想いが芽生えた。




そこからは早かった。
いてもたってもいられずまだ販売されていた当日引換券をインターネットで衝動的に購入していた。


その時点では、クリスタルはやっぱり大嫌いだった。


でも、もう後悔したくなかった。
かつて"「K-POPだから」という枠におさまらないと信じていたf(x)"のライブを、
この目で見たいという気持ちが、なによりも勝っていた。




もう、負けよう。
彼女たちを前に、打ちのめされよう。




そんなささやかな覚悟を秘めて私は会場である横浜アリーナへ向かった。





まさか、



あんな時間を過ごすことになるとは。




現場に到着し、当日引換券を当日券に引き換えた。
チケットに記されていた座席の場所は、「センター A2ブロック コ番」




コ????????




座席表を見て、「A2」ブロックという前方のアリーナブロック席であることに驚きながらも(普通に、めちゃくちゃ驚いた)、
列の番号すら記されていなく、
ただ「コ」としか記されていないことに、不安とドキドキが交錯していた。
誰がどう見ても「カキクケコ」の「コ」だ。


ってゆーか。


前日にサクッとチケットを押さえて、
家からサクッと現場に着いて、(横アリは個人的にアクセスがとてもいいのです)
売り切れを予想していたペンライトもサクッと買えて(買えた)、
K-POPアイドルのコンサートで初めてのアリーナ席?????なにこれドッキリ?????




そわそわしながら、席を探した。


あった。


「センター A2ブロック コ番」という席は実在した。




…。




近っ。




当日引換券というからには、天空席のような席を予想していた。
だから、当然双眼鏡も持っていった。
だけど、双眼鏡はまったく必要のないくらいステージに近い席だった。


2013年の『SHINee』のライブのときのような、
花道なしのメインステージからでっぱりのあるステージ構成で、
そのときに、天空席から、「ああ、あそこらへんに行きたいなぁ」って思っていたでっぱりのズバリ真横の上手側ブロックの席、
しかも通路側の席のさらにはしの席でした。(というか、右隣が空席だったので通路側に移動できる)
メインステージからも、でっぱりからも、簡単に数えることができてしまうような席だった。
花道がないぶん、初めてのアリーナ席・しかも「神席」だった宮澤佐江ちゃんの卒業コンサートより、近く感じた。




なんだこれ…この体験はなんなんだ……




ライブはほぼ時間通りに始まり、目の前には主役であるf(x)のメンバーが登場した。
ビクトリア、アンバー、ルナ、クリスタル。




…。




ち、近すぎる。




もう、ライブがどうこうというよりは、とにかくステージが、メンバーが近くて近くて。
ずっと綺麗なファンカムを見てるような感じで現実味がない。
その近さは、ここに至るまでのいろいろなものをすべて取り払ってしまった。
なんだかわけがわからないが、大好きだったf(x)が目の前でパフォーマンスをしている。
贅沢すぎるぞ、これ。




開演前、隣の席の方に話を聞いたところ、
そこは当日券用につくられたエリア席だったようなのです。
なんたる…なんたるううううううう……!!!!!
しかもそのエリアは埋まってなくてすかすかでした。
そりゃそうだよ、まさか当日券がこんな席だなんて誰も思わないよ。
ちなみに前の席は「エ」。


銀テープもありえないくらいドカッと降ってきて、
ずっと憧れてたアリーナ席に降る銀テープをこれでもかというくらい浴びて。本当になんなんだこの体験は。。
足元に落ちた大量の銀テープは拾える限り持って帰ってきた。




初めてK-POPアイドルのライブをアリーナ席で見て、初めてパフォーマンス中のアイドル越しの後ろの映像を見た。
初めてアイドルと映像を一緒に見た。
いつもはステージの遠くにいる小さなアイドルを凝視し、なんなら双眼鏡でロックオン。
スタンド席から見えるスクリーンといったら、私のなかでは"アイドルそのものを映すスクリーン"だったし、
メインステージのアイドルの後ろのスクリーンなんてほぼ見たことがなかった。



パフォーマンスするアイドルに、



「背景」が映し出される。


これが、メインステージをアリーナ席から見ることができる特権…!
それぞれの楽曲の世界観がより深く伝わってきて、一曲一曲に浸ることができた。
これも、本当に初めての経験。




アンバーが「ここ、ドッキングステーションで一緒に遊びましょう!」、
ルナちゃんが「楽しむことを約束してください!」などと最初に言ってくれたのだけれど、
もう後半はペンライトを振り回しながらジャンプしまくり踊りまくり。(なにせブロックのはしっこ)
広く取られた座席の間で、コンクリートの上を蹴り上げるようになりふり構わずはしゃいだ。
しっかりとf(x)のみなさんと一緒に遊ばせていただきましたよ。
こんなにライブでなりふり構わず汗だくになったの久しぶり、、心地良い疲れが残っている。






そして。




お母さん、、、ビクトリアと目が合いました、、、、
あの瞬間、彼女たちのいちばん近くにいた人間は私でした、、、、、、




あまりの席の近さで通路をメンバーが練り歩くなんてそのときは思いもよらなかったのだけれど、
実際に通路をメンバーが練り歩いたわけで。
私の右も後ろも通路で、そこをクリスタルとビクトリアが歩いたわけで。


その状態はあまりにも私もふたりも無防備で、
あまりの近さに逆にどうしていいかわからなくて遠ざかってしまった。


ゼロ距離のクリスタル。。オーマイガッ。。
そして間髪入れず次にやって来たビクトリアとはしっかりと目と目が合った。
近くで見るふたりは、ファンカムで加工されているだろうと思われていた美貌そのものだった。本当に美しかった。






約2時間半、座席補正もおおいに(かなり)あるのだけれど、とにかく楽しかった。
こんなに楽しいライブ、なかなかないよ。


f(x)は、すごく4人がまとまっていて、適材適所で。
ダンスもキレキレでイキイキしていて、歌声も綺麗で、、、
4人の本当に美しい女性をしかと見届けました。。




カイスタル報道以来、クリスタルの声を聴くのすら嫌で、
ずっとf(x)の曲を聴いてなかったのに、すごく耳馴染みのある楽曲ばっかりで、
素直にそれが本当に嬉しくて。
f(x)の音楽はずっと私のなかで鳴ってたんだなって実感しました。
f(x)の音楽が好きだったんだよ。


なかでもアンコール一曲目『All Mine』の多幸感といったらなかった。
スタンド通路から現れたメンバーを目で追いかけながら、
気がつけば、ペンライトと握れる限りの銀テープを掲げ、全力で飛び跳ねていた。




セットリストは2月に行われた公演とほぼ一緒だったらしい。
衣装もなるほど、メディアで見た写真と同じものを着ていた。
欲を言うと、もっとf(x)から派生した楽曲の披露もしてほしかったなぁ。
今年の『SMTOWN LIVE』でのルンバーの『WAVE』が凄く盛り上がったから。
ルナちゃんのソロ曲もあってもよかったんじゃないかな~、なんて。
(少しだけアカペラで歌ってくれたけど、ものっっっすごくうまかった)


けれどほぼ"f(x)の楽曲"で構成されたセットリストは、
それはそれでこれまでの彼女たちの楽曲のパワーをしっかりと感じることができた。
じゅうぶんに楽しめたし、結果的にはやっぱり"f(x)の楽曲"だけでよかったのかもしれない。(どっちだよ)




活動の機会が少ないがゆえに、私はf(x)に勝手にもっと幼いグループの印象があった。
2013年にEXOと合同で行われたライブイベント『SMTOWN WEEK』でのf(x)の様子からは、
そのあまりの空中分解っぷりに「単独ライブへの道のりは厳しいのか」などど、思ったくらいだった。


それから約3年が経った。そのあいだにいろいろあった。
相変わらず、メンバー個々の個性の強さは群を抜いているグループだけれど、
今回私が見たf(x)は、そのときとは違ってメンバー全員がそれぞれ同じ方角を向いていた。
少なくとも、ステージのうえでの彼女たちはそのように見えた。




いまのf(x)のパフォーマンスは、とてもしっかりしたものだった。




『4 Walls』の活動のときに感じた、
ポジティブな意思表示のようなものが、これでもかというくらい伝わってきた。


いろいろあったなかで、だてに7年ステージに立っていないのだ。
成熟された、熟成されたパフォーマンスは、すごく安定感があって、
ちゃんとそれなりのお金を出して見るに値するものだった




そのようなものを、こんな感じで体験してしまったのだ。
もう、当分の運は使い果たしたといっても大袈裟ではないと思う。。




ビクトリア、アンバー、ルナ、クリスタル。
単独コンサートのステージの上の彼女たちは、すごく人間としても魅力的だった。惹きつけられた。
自立した女性の頼もしい佇まいと、キュートな親しみやすさが共存していた。
それは、単独コンサートでしか見れないものなのだと思ったら、
もうこの瞬間瞬間を愛おしく思わざるえないのだ。


エンディング曲の直前で感極まってルナちゃんが涙してしまうのだけれど、
ルナちゃんを3人の姿や空気感が本当にあたたかかく、微笑ましいことこのうえなかった。
いつもクールなクリスタルが、見たことのないような人間味のある表情で、ルナちゃんの顔を覗き込み、
そしてすぐさま抱き寄せたのは私のなかで衝撃的だった。
ルナちゃんが泣いたことに感動した、というよりは、そんな光景に感動した。


それらはいままでいろんな媒体やイベントで目にして来た彼女たちとは明らかに違った。
こんな彼女たちが見れる機会がこんなにも少ないなんて、と驚くばかりなのである。





プロデューサーのシム・ジェウォンさん(黒マスクのお方)がいらしていて、



アンバーの煽りで会場全体で「シム・ジェウォン」コールを。




ずっとバラバラだと思っていたf(x)の4人。
実際に目にした4人からはしっかりと"繋がりがある"ことを感じざるをえなかった。
それは安易に使用することが気恥ずかしい「絆」というものなのだろうか。


去り際の、ルナちゃんの発した「スキ~!」というカタコト、
後ろ姿で呟いたクリスタルの「See you soon, See you later.」ということばが頭から離れない。
それは、間違いなく観客への「愛」が込められたものだった。
ビクトリアも、アンバーも、同様に自分の言語で「愛」を伝えてくれた。


そんな4人が魅せてくれるステージを好きじゃないなんて、言えない。
f(x)のことを大好きだなんて、言えないなんて、言えない。




もう完敗だ。負けだ。




私はf(x)のことが大好きです。






VCR
1.Electric Shock
2.Red Light(Rock version.)
3.Dangerous
4.Dracula
MC
5.Gangsta Boy
6.Toy
7.La Cha Ta(Rock version.)
8.Me+U
9.ピノキオ(Danger)
10.Beautiful Goodbye
11.Sorry(Dear. Daddy)(ルナ×クリスタル)
VCR
12.Shadow
13.Sweet Witches
14.Milk
15.Ice Cream
16.NU ABO
MC
17.Traveler
18.Zig Zag
19.Airplane
20.Jet
21.Beautiful Stranger
VCR(Boom Bang Boom)
22.Rainbow
23.Pretty Girl
24.Diamond
MC
25.COWBOY
26.初めての親知らず(Rum Pum Pum Pum)
27.Step+Shake that Brass
VCR(Love)
28.4 Walls (Japanese ver.)
29.Papi
30.Deja Vu
31.Rude Love

EN1.All Mine
MC
EN2.Hot Summer (Japanese ver.)
EN3.Ending Page
MC