ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

福田村事件


最悪。最悪だった。
いちばん何が最悪だったかというと、
今の自分と無関係ではないどころか今の私自身の話、
この世の中の話といっても間違いではないからだ。
過去の話だろうか。
事件は過去に起きたことだけれど、
その続きが今現在なのだ。
目を背けてはいけないとかそういうレベルの問題ではない。
当事者として、自分の得ている情報は、自分の判断は、矛先は、ひとつひとつ、曖昧なものほどいったん立ち止まってしっかりと考えないければいけない。
令和に在る自分の責任。


事件そのものに至るまでに描かれていた時代や村の様子もまた辛かった。
村の様子に関しては、現代の至る所で見え隠れしているそれらと同じと感じた。
差別だってそう。
それがまた辛く、他人事とは思えないつくりが映画のうまさだった。




なぜこのようなことが起きたのか。
日本のために、国のためにと肩を落とした自警団の様子が、
当時の様子や空気を痛いほど突きつけてくる。
彼らが膝をつき、泣き崩れる姿があることが、この映画の真骨頂というか。
また事件だけではなく、マスコミの在り方についても問題提起があり、ぬかりない作品だったと思う。




事件のことと同列に語ることは憚られるので、
それは別にいたしまして、の下記。


個人的には癖に刺さる部分が多く、エンタメ的に楽しんだところも。
田中麗奈の奔放なお嬢さんぷりと東出昌大の超オス的なところは中の演者がどうこうのを抜きにしてすごく好きだった。
昼ドラ的な色気があったからこそ、事件時の雰囲気とのコントラストもまた一層際立った印象。




滑り込みだったけれど、
とにかく劇場で観ることができてよかったです。