ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

私の名刺。




師匠の展覧会に行ってきた。


そう、私、師匠がいるんです。いいでしょ。
以下、そんな私の自慢話です。




圧倒的な空間、錚々たる作品が並ぶ展示。
そのなかに自分が関わった作品があるのは、そりゃもう誇らしかったし嬉しかった。


私が関わっていないずっと昔の作品ですら懐かしく感じたのは、不思議な感覚だった。
たぶんそれらも含めて私に染みついているのだと思う。
だってずっとそれらとにらめっこするような環境にいたから。




師匠は私にとって、とても偉大なひとです。
いまでもずっと憧れのひとです。


そんな師匠のもとで働いたこと、後にも先にもたったひとりのアシスタントであることは、
私にとっては自慢だし、それは私にとって「名刺」です。




師匠のもとでは私は残念ながらあまり成長することができませんでした。
恵まれていた環境だったにも関わらず、
いつまでたっても成長できず、ずっと自信のなかった私は、
ここでは"いま以上"にはなれないと思い自らそこを離れました。
その理由や想いもしっかり師匠に伝え、
結果、いまもこうして関わりがあり、関係が続いています。


当時は穏やかで優しいひとだとわかっていても、
仕事に関してはとても厳しく、やっぱりすごいひとだったのでとても怖かったし、つねに緊張していました。
けれどいま、私は師匠と当時からは想像できないくらい親しくさせていただいている。
当時より成長した自負があるし、なにより、いま自信を持って仕事ができるようになったからでしょう。




そうなれたのは、師匠のもとで得た「名刺」のおかげです。




その名刺はかたちのないものだけれど、
どんな資格や免許より価値がある(と、私は思っている)、さながら私の人生のマスターキーのようなものです。
いまの私があるのはこの名刺のおかげといってもいい。


そしてこの名刺は破れたり汚れたり色褪せることもないので、
これからも私を支えてくれるのだと思います。
ただこの名刺、いかんせんかたちのないものなので、
普段持っていることを忘れがちになるのがちょっと難点だけど。




そんな名刺を持たせてくれたひとを、今日はじめて直接、親に紹介しました。
私は師匠を親に会わせることが夢だとかはいっさい思ったことがなかったけれど、
実際、親が師匠に、師匠の作品とともに対面した様子を見ては、
これもまた私が見たかった光景だったのかもしれないなと思いました。


そしてそんな空間はとても離れ難かった。
まるで自分の一部のようだったから。
それが、私が持つその名刺がいかに大切なものかということを、
改めて強く実感させてくれるのです。