ミーハーでごめんね

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I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

不思議なアート トリック トリック ハッと!トリック

「"トリックアート展"、観に行かない?」と、
ちょー気軽に誘われて、ちょーお気楽な気持ちで美術館に赴いたのですが…、


展覧会のウェブサイトに記されているように、

本展は、視覚と固定化されたイメージに揺さぶりをかける戦後の美術家たちの工夫=トリックに満ちた作品を紹介しようとするものです。


…つまり。




展示されていたのは「トリックに満ちた作品」で、
一般的によく思い浮かべる「トリックアート」のそれではなかったのです。




いやさ、展覧会名の敷居の低さから想像したらふつーによくある"トリックアート展"みたいなやつだと思っちゃうよね(笑)
でも、期待をイイ意味で大きく裏切られ、質の高いアート作品をしっかりと楽しむことができました。


「トリックに満ちた作品」で、お馴染みの福田繁雄やエッシャーの超名作品から、
日本の現代美術の現役トップランナー・森村泰昌や名和晃平の作品など、幅広く展示。




しかけられたトリックは、どれも繊細かつダイナミックで見ごたえがありました。
体感する違和感と対峙しては脳みそをフル回転させなければならず、すごく疲れた!(それが楽しい)
展示作品は約80点とのことですが、イイ意味でそれを感じさせません。


皮肉やユーモアが込められたものはもちろん、
単純に「驚かせてやろう(ニヤリ)」という趣旨のものや、
たまたま制作で辿りついた作品がトリッキーになってしまったものなど、
さまざまな作品が集結していました。
それはさまざまな作家の「意思」であり、そのバラエティに富んだラインナップに大満足。


そしてそのほとんどは単純にセンスがいいものばかり。
作品から垣間見える「思考」はアートのなかでもデザインに近いものを感じました。




とくに印象的だったのは、中谷ミチコさんによる作品、『そこにあるイメージ』シリーズ。
描かれている人物の視線がずっとこちらを追いかけてくるザ・トリック。すごい。


トリックを抜きにしても、単純に美術作品として「おもしろい!」ものが集まっているので、
展覧会名のイメージとのギャップがあり、かなりオトク感があります(笑)




作品のトリックは、「発見」という喜びも伴うので、
それが自分以外のひとと共有できると楽しさが倍増すると思います。


"大人も子供も楽しめる!"、というよりは、
どちらかというと大人向けの落ち着いた、クールな雰囲気の展示。
もちろん、子供も楽しめる部分もたくさんあるはずなので、
これから夏休みシーズンということもあり、賑わいそうな展覧会です。




あと、最近、美術館でも撮影OKな作品が増えてきて嬉しいですね~。
こうやってアートと鑑賞者の距離がどんどん近づけば、シーンももっと盛り上がるはず。




同時開催されている『アーティストin湘南2 田澤茂と石井礼子』展もパワーのある展示でした。
ただ『トリック展』からなかなか頭や目が切り替えられず、
そうでないものが浮き上がったり見えたりして、ついついトリックを探してしまっている自分がいました(笑)
平面で勝負している作家さんは応援したくなります。