ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

君の名前で僕を呼んで

薄暗い土砂降りのなか、劇場に着いた。
観終わったらすっかり雨は止んでいて…どころか、ど快晴だった。
まるで映画を観ているあいだに一晩過ぎたんじゃないかと思うほどだった。(実話)


そういう感じの映画だった。




多方面に怒られそうだけど、すごくいいBLだった……




めちゃくちゃ緊張して観ていたので疲れがすごい。
あの緊張感のある、繊細な世界をドキドキしないで見ることができるひとはいるんだろうか。
それをつくりだしているのは美しい画はもちろんのこと、音楽の効果も大いにあると思う。
美しい世界にある危うさに、撃ち抜かれる。




ううう…いいなぁ恋っていいなぁ…ひとを好きになるって美しいなぁ……




本当に「美しい」と思った理由は、異性愛者とか同性愛者とか、
そういったことはまったく関係なくて、ただ、好きになった相手が同性だった、
そして、相手とその気持ちを通わせることができたことを、極めてシンプルに表現していたからだと思う。
カップルの関係性は性別がどんな組み合わせであったとしても成立するものだった。
あえて今回のような組み合わせだったことで、より美しく感じられた点はあざといと思うし、だからこそ私はBLだと思った。
恋愛のリアリティを描くならこんなに美しくはならない。
美しすぎる、美しいからこそ、これは創作物だと感じた。
「美しさ」の合わせ鏡のように、わりと身体で解決しちゃうところもある意味潔い(笑)
オトコってのは…!オトナってのは…!、みたいな素直な描写も、しょうがねぇなぁかわいいなぁと思えた。




そもそもな。
エリオ(ティモシー・シャラメ)もオリヴァー(アーミー・ハマー)も、
単純にルックスが美しいのである。
ふたりともめちゃくちゃ魅力的なのである。
なんということでしょう。


メインビジュアルにも用いられている"イエローの文字"は、

オープニングとエンディングでもとてもよく効いていて印象的。
(どちらもソークール!、だった)


ふたりとも演技がまじですごい。
フィクションの映像であることを忘れてしまう。




私はBLに関してはどうしても自分の性的欲求を混ぜてしまいがちで、
本当にそういう意味では「壁になりたい」と言い切れる腐女子先輩たちの足元にも及ばない想像力の乏しさなのだけれど、
生まれて初めて思ったかもしれない、まじで壁になりたいと思った。


というか、壁だったのかもしれない。
これは壁にならざるを得ないんじゃないの。




腰履きのトランクスを初めとし、短かすぎるショートパンツからの露出などもエロすぎでは。
基本的に、リゾート感たっぷりで男性の上裸がナチュラルな姿であることがそれはもう私の日常とはかけ離れており、その異世界感にくらくらした。
性について家族のなかですごくわかり合っているような雰囲気も。
そういった部分を見せつけられたように感じて、恥ずかしい気持ちになってしまったり。


なんというか、絶対にエリオが傷つかないというエンドはないだろうなとは思って観ていた。
「傷つく」といってもいろいろ種類があるけれど、側から(というか、壁から)見るぶんには、それは甘酸っぱいというか、しょっぱいというか。
恋愛におけるそういった類のものだったのでまったく嫌なものではないように感じた。
いや、作品の中で生きるエリオにとっては全然そうではないだろうけど。
ほら、今回私は壁だったので。




先日、友人に付き合ってブックオフのBLコーナーに行ったのだけれど、
そこにそびえ立つBLの棚を見上げて思わず口からでたことばは、「これはロマンだな…!」。
本作もまったく同じことばを声に出さずにつぶやいた。

犬猿

おもしろくて、とても楽しく観てしまっていた。
ひとごとじゃない部分もあるのになぜか自分とは関係のないことのような気にさせるのは、
ちゃんとエンターテイメントになっているからだと思う。
センスもいい。かといって「センスいいでしょ?」というあざとさもなくて、絶妙だな〜と。
センスはいいけれどカッコつけていないのが、大人の仕事だな〜と思いました。


終盤のまったく笑えない部分を「いやこれは笑うだろ!コントかよ!」っていうような展開に仕上げていたのはお見事だった。
そしてこのまま穏やかな雰囲気で、これで終わるの!?それでいいの!?、というこちらのお節介な不安を見事に裏切ってくれる、すごく気持ちのいいラストでした!


なのですけれども。


観終わってしばらくすると、どんどん口角が下がってきて卑屈な気分になってくる。
見ているあいだはひとごとなのに、作品から離れると自分の持っているどこかが、すごく気持ち悪くなってくる。
その「どこか」は自分でも、ええ、わかっていますとも。
いま、すこし胸糞が悪い。






主人公(なのかな?)・和成を演じた窪田正孝はほんとうにすごい。
あんなに忙しくて、社畜かもしれないけれど、
窪田くんの演技の質をちゃんとレベルアップさせる仕事を与える事務所もすごい。
窪田くんはイケメンなはずなのに、和成は嫌なやつだし、ダサいし、とにかくうまい!
キャラクター的には、バッキバキな身体は見せないほうがよかったかな。
なにより、地味になりそうな作品にしっかりとそうじゃない存在感を纏わせたのは窪田くんの立派な功績かと。
これぞ、主役の役割・主役の仕事という感じで、さすが窪田正孝!って感じでした。


筧美和子(真子)は、あの甘ったれた感じの演技が逆にすごくリアルでよかった!わかる!
真子は薄っぺらそうに見えちゃうけど、実はかわいいバカなんだよな~~好きだよ~~~。
真子の姉・由利亜を演じた江上敬子(ニッチェ)もすごくよかった!愛おしい!うまい!




なりふり構わず一生懸命にいまを生きている登場人物たちのなかで、
和成の兄である卓司だけが、最後までいやいやだめだめじゃん(笑)、って感じがどこかかわいらしくてよかった。
ちょっとゆるキャラ感があった(笑)
そんな卓司を演じたのは、こちらもさすが新井浩文。


ふたつの兄弟・姉妹を隔てる見えない線がしっかりと引かれていたのも効いていた。
その境界線を絡ませすぎずに、卓司だけがちょっと違う世界にいることで、
登場するたびに異質な雰囲気をぶち込んでくるというか。






映画『ヒメアノ〜ル』、話題になりましたよね。
私はこわいもの見たさで観たいと思いながらも結局普通にこわくて観ていないのですが。
そんな『ヒメアノ〜ル』を手がけた吉田恵輔監督の、オリジナル脚本・監督作品だそうで、
なるほど、うまいんだなこの監督は!、と思いました。
また機会があったら吉田監督の作品を観たいです。他の作品はわからんけど。
ただし本作くらいのマイルドさでお願いします…ビビリなもので(恥)

WINNER JAPAN TOUR 2018 ~We’ll always be young~ in 日本武道館

まさかの私が!『WINNER』!!!!!!!
デビューのときには頭を抱えたのも、もう遠い思い出です。



まさかの『WINNER』。なぜ『WINNER』なのか。
それはいままでの「K-POPアイドル」のライブへの参加とまったく経路が違いまして。
単純に、あんなに"オシャレでカッコいい"イメージのグループなのに、
日本のメディアで流ちょうな日本語でユーモアたっぷりにおしゃべりする姿に、
ズッキュンしてしまったのです。

もはや、さながら「全員スンリ」です。やばい。




(…やだ…かわいい…現場いきたい………//////)




『WINNER』といえば、
ここ最近は、"2017年に一番韓国で音源が売れたグループ"という印象ばかりで。



こちらが2017年度にアイドル唯一の1億ストリーミング越えを記録した『REALLY REALLY』。
この記録はボーイズグループでは初めてのことだそう。


この大ヒットの前は「日本活動ばっかりさせてヤンサめ!」と思ったりしていたけれど、
それ以降は、"オシャレでカッコいい"楽曲でヒットを飛ばす様子をなんとなく横目で見ていただけだったのに。


そんな彼らの2年ぶりの日本での露出にズッキュンしてしまったのです。
もう「アイドル」とか「アーティスト」とかを好きになったというよりは、
完全に"仕事のできる大人の男性のギャップにめちゃくちゃ萌えた"です。
リア恋?マジ恋?そんな感じです。




本公演は、ホールツアーの追加公演だそう。
そして、『WINNER』にとって初めての武道館公演だそう。え〜まじか。


意外にも私も日本武道館に訪れたのは初めてで。
とにかく人口密度がヤバかった(笑)
なんか、運営側が会場に慣れていないというか、客をさばけていない感じ。
その人・人・人、のなかにクランクがいて!
もっと近くで拝みたかったし、あわよくば接触したかったです(涙目)
(お昼ごろに登場したクランクの中身はジヌさんさんだったとか!ひえー!)


グッズは、唯一目当てにしていたスンフンのフォトハンガーが売り切れ(涙)
ペンライトだけでも…!、と並ぼうとするも開演時間に間に合わないと言われ撃沈(涙)
…そんなこともあろうかと宮澤佐江ちゃんの卒業コンサートで購入した『SKE48』のペンライトを持ってきて大正解でした!


ステージに対してセンターよりの下手側二階席最後列ですが、めっちゃ近く感じました。
ガチの「天井席」で、本当に天井に手が届きそうでした(笑)(めちゃくちゃ暑かった)






『WINNER』のライブ、いままで参加したどのK-POPアイドルのライブとも違って、
正直最初はかなり戸惑いました。
しょっぱなから日本語でろうろうと歌うスンユンに、
K-POPアイドルだっけ!?」ってな感じで混乱させられて、
序盤はまじでなんかわけのわからない世界に来てしまった感がすごかった(笑)
っていうか当たり前にほとんど日本語で歌うWINNERに驚いてばっかりでした。



ペンライトを振るっていう気分にもならなくて、ただただその歌唱に圧倒される感じ。
けれど公演が進むにつれて、そのパフォーマンスに対してペンライトで応えたい!、という気持ちに自然になっていて、最後のほうはめっちゃペンライトを振っていました。
彼らが「アイドル」でいてくれるおかげで、こうしてペンライトが振れることが、本当にありがたい。ありがとう。




『REALLY REALLY』、原曲(韓国版)のジヌさんの「ノルチョアヘ〜」も最高だけれど、
日本語版はその部分が「愛してる」になるのが本当に最高すぎて。
"ジヌさんの歌唱"だからぜんぜん取って付けたようないらやしさはないし、
ましてそれを会場中のみんなで「愛してる」って、みんなで言うんだよ!?最高すぎない!?
そこには、ステージと客席の距離なんてない。
それは「愛してる」ということばで繋がることができる。


基本的に、個人的に原曲(韓国語版)派なのは、単に聴き慣れてるからであって、
あの「愛してる」を会場のなかでみんなが歌うって、
なんか本当に言葉のコミュニケーションだし、音楽を通した心の疎通だし、
もう本当に、こんな体験をK-POPでできるだなんて、そんな日が来るだなんて思わなかった。
アンコールがファンによる「歌」っていうのも感動的でした。


楽曲は言わずもがな、どれも"オシャレでカッコいい"。






…告白します。




…スンユンに落ちました…これから一緒に暮らします。




(終演後にフォトハンガーを購入してしまった)


カン・スンユンヤバくない!?
カン・スンユンのいるWINNERヤバくない!?
WINNERやばくない!?




いやもうなんかカン・スンユンすごすぎて!!!!!
今回は前述したとおり、アイドルを見に行くというよりは"仕事のできる大人の男性"たちを見に来たという感じだったのだけれど、
スンユンはもうめっちゃやり手…歌唱、MC、ステージでの振る舞いなどなど、ぜんぶがなんかもうすごかった。
クレバーで、優しい、愛のひとなのでは。
なかでもとにかく歌が本当にすごくて、初めて聴いたその歌唱で泣きそうになった。
っていうか涙でた。
アイドルの歌唱で震えるような体験をするとは思わなかった。


そんなスンユンがアンコールで脇腹ががっつりあいたタンクトップで登場して、ぶっ倒れるかと思いました。
念願の「声が小さい!」も聞けました。
事件は現場で起こっています!



みんなカッコいい"仕事のできる大人の男性"でした。



オール生歌の歌唱はもちろん素晴らしいし、MCも当たり前のように全部日本語でした。
しかもコミュニケーションとエンターテイメントとしての日本語を、
ちゃんと自分のことばで喋っているのです。
本当に「全員スンリ」そのもので。(伝われ)
そういった姿勢は楽しすぎるVCRにもよく表れていました。


意外だったのは真っ赤なヘアカラーで現れたジヌさんが結構「ヒョン」な感じだったこと。
なんかさすが最年長というか。
姫なイメージが勝手にあったけれど王子ってわけでもない、やっぱりヒョン。韓国のヒョン。
スンフンは驚きのスタイルおばけだし、ユーモアあふれるトークで積極的に笑いを取りに行くガッツが最高。
ミノくんは爆モテ。パフォーマンスではオラついてるのに、泣いちゃったり、MCでは可愛かったりでひじょーに罪深い存在でした。






本当に無知な私は、この日が初めてのWINNERの日本武道館での公演だなんて知らなくて。
感謝カンゲキ雨嵐の洪水で、繰り広げられるメンバーとスタッフとファンの感謝のサプライズ合戦に立ち会うことに。
そのどれもが私にも降ってきたよ。


けれど、そんな瞬間に「たまたま」居合わせたことが、
ちょっとだけ申し訳なくなったりもしました。
私は、その誰の気持ちもわからない。
ただ、その様子を、キョトンとした顔で眺めることしかできなくて。


けれど、そんな私でも、『WINNER』というグループの素晴らしいパフォーマンスは、
もっともっと大きな会場で、もっともっと大勢のひとの前で、
彼らが輝く光景がこの先にあることを願います。
私もそんな彼らの「青春」の一部になれたら嬉しいです。




とっても楽しかったです!
本当に、まじでイイ男たちでした。




OPENING
1.LOVE ME LOVE ME
2.DON' T FLIRT
3.LOVE IS A LIE
MC
4.Haru Haru(BIGBAGのカバー)
5.RAINING
6.HAVE A GOOD DAY
MC(ジヌ×スンフン)
7.The Door(ミノ×スンユン)
8.DIFFERENT
9.FOOL
10.COLOR RING
11.EMPTY
VCR
12.REALLY REALLY
13.ISLAND
MC
14.EVERYDAY(Japanese ver.)
MC
15.IMMATURE
16.JUST ANOTHER BOY
17.SMILE AGAIN

EN1.LA LA
Special movie from WINNER
MC
EN2.LOVE ME LOVE ME
EN3.REALLY REALLY
EN4.GO UP
MC
EN4.I SING THIS SONG FOR YOU
Special movie for WINNER
ENDING(RAINING)

VIXX 正規3集アルバム「EAU DE VIXX」/「Scentist - 香り」





えねねん、ガリガリすぎでは。




正規3集アルバム『EAU DE VIXX』をリリース、そしてカムバック。
相変わらずの被写体力でティーザーイメージは言わずもがな、素晴らしかった。



さすが、もはや安定のクオリティすぎる。




カムバックショーケースの際に、
『VIXX』は兵役や契約更新の話題に初めて触れた。



ことばがぐさぐさと刺さる。

「一段一段成長するグループだ。1度で音源チャート1位になったこともない」

「その代わり、しっかりとアルバムの準備をしてきた。そうやって7年目を迎えた」

「今回が最後のアルバムになるかもしれないと思った。朝、グッとくるものがあった」


それをめちゃくちゃ突きつけてくるのはエネネンガリガリの身体である。
8キロも落としたらしい。元から細いのに。
彼ならではのしなやかなパフォーマンスは、「儚い」を通り越したものを感じてしまう。
ただでさえガタイがいいの揃いのグループのなかで舞う、そんなエネネンは、
ちょっと見てはいけないものを見ているような気になる。





タイトル曲は『Scentist(香り)』。
フォーマルルックを基調としたお衣装が最高。



そして「アルバムの準備を~」と言っているだけあって、
リード曲『My Valentine』も含めて見ると表現の幅の広さを感じられる。素敵だ。
個人的にはこちらのほうがいまの成熟したVIXXのお兄さんたちに、よく似合っていると思う。
椅子に座って挑発的に脚を組むエネネンはエマニエル夫人かな^^?



「軍隊に行くことは当然のことでしょう。自然な状況だ。僕が一番年上なので、最初に行くことになりそうだ」

なんか、ここまで直球でことばにされても、実はそんなに衝撃ではなくて、
ステージのうえのエネネンの姿のほうが、よりショッキングだったりする。




そしてそれは、私の大好きな「2012年デビュー組」が、
「そういう時期」であるということである。
けれど、それをまさかいま『VIXX』が口にするとは。


私、こんなに『VIXX』のことが好きだったんだなぁ、って実感する日々は、
これがなかなかしんどいものです。




今回のコンセプトはタイトル曲からお察し、「調香師」
けれど、いつものコンセプトゴリ推し系ではなくて、
わりとコンセンプトの輪郭はマイルドで、単純に、格好良いし、美しいし。



『Scentist』のミュージックビデオは、なるほど、いままでにはない感じ。


代わりにインパクトにはやや欠けるものの、先のインタビューである。
わかるよ、わかる。
いまの『VIXX』は「これ」なんだよね、わかったから。


ミュージックビデオやパフォーマンスより、「現実」というものの凄まじさを感じる。
そんなこんなで、作品がなかなか頭に入ってこない。


そういう圧を音楽番組で見かけてはしみじみと感じ、
ぼんやりと彼らに思いを馳せるのです。




"「コンセプトドル」といえば『VIXX』。"
そういった存在になっていたVIXXはカムバックに先立ち、
デビューから直近までのコンセプトの歴史を振り返るというビデオを公開した。



すごい、どんどん格好良く、美しくなっていっている…!


ファンとしては、完全に回顧モードに浸っては、
こんなにも成長を遂げた彼らを誇らしく思う。
だって、このあと昨年末の『桃源郷』のステージがバズって、



IOC総会の開会式でパフォーマンスしたんだよ?ヤバイ。


けれど、今回カムバックしてからというものの、

「今回が最後のアルバムになるかもしれないと思った。朝、グッとくるものがあった」

ことことばが頭のなかがぐるぐるとまわっている。

勝手にふるえてろ

松岡茉優がすごすぎ。
たぶん、(私のなかの)菅田将暉と『あゝ、荒野』の関係性のように、
"いまの松岡茉優のマックス"はこれだろうなと思う、本当にすごかった。
そんなわけけでまったく同じことを言うとすれば、
「この作品に出会えた松岡茉優ってめちゃくちゃ幸運だなとも思いました。」。


まゆまゆ(この呼び方でごめんな!)は、声のバリエーションが豊富。
"避けられない事態"の前後では声の印象がまったく違う。
キンキンというよりかカンカンといった風の声だけれど、(伝われ)
とても柔らかくて穏やかであったり、カンカンがガンガンになるくらいうるさくてうざったかったりして、
声以外の演技といっしょくたになって「ヨシカ」というキャラクターの持つ、
ジェットコースターのような緩急におおいに影響があった思う。
この声質でこの幅!、っていうのは本当に佐江ヲタ的にはまじで羨ましい。




もはやすっかり若手俳優としてひっぱりだこの北村匠海(イチ)と、
凄まじい勢いで演技がうまくなっていっているような気がする渡辺大知(ニ)も、
石橋杏奈(くるみちゃん)をはじめ、中学校の同級生らのリアルな感じも、みんな良かった。
そして片桐はいりさんをはじめ、脇を固める面々が豪華。




とっても映画を楽しんだ自分が、「おもしろかった~!」と満足している反面、
真顔でじっとどこかに目をやっている自分もいる。


以下は、たぶん"後者の自分"。




ヨシカは私だった。
私が自分を客観視しているときに観ている私だった。
だから感情移入とかまったくできない。


もっとわかるわかるーっつって、
物語が進むにつれ、ヨシカと自分の距離が近くなっていくものだと思っていた。
でも、ちがった。だめだった。


「ヨシカは私だった。」?ふざけんな。
むしろ私はヨシカになりたいんじゃないの?
だってヨシカはエンターテイメントのなかに住んでいて、しかも主役である。
そんなヨシカは自分の内側にあるものをぜんぶぶちまけても許されている。
だってみんなが喜ぶエンターテイメントになるんだもの。
おまけに物語だからハッピーなエンドだってある。
もうぐうの音も出ない。私だったとかどの口が言うの。


けれど、物語のなかのヨシカはハッピーなエンドのあとがまったく想像できないのだ。
それはまぎれもなく、私はヨシカではない証拠だし、
なにより、ヨシカをつくったひとたちは、きっとその先のヨシカのことは考えもしないんじゃないか。
ヨシカは作品の装置にすぎないのだから。
ヨシカが生まれた環境はきっとめちゃくちゃ明るくて健康的だ。
じゃなきゃヨシカがこんなに魅力的な主人公になるわけがないのだ。
だからちょっと傷つくのだ。


勝手にふるえてろ、松岡茉優が私に言ってきた。
あれは「ヨシカ」じゃない。
"「ヨシカ」を演じている松岡茉優"だった。




良質なエンターテイメント映画だけれど、
観るひとによってたぶんものすごく感じ方が違うであろう、踏み絵系映画です。
どうぞお気をつけて。

ダイワハウスSpecial 地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.15「ZEROTOPIA」 in 赤坂ACTシアター

めちゃくちゃ泣きました。
宮澤佐江ちゃんが、こんなにも"「宮澤佐江」という女優"として、
仲間といっしょにステージに立っている、仲間といっしょにステージをつくっている。
そこは宮澤佐江ちゃんの幸せのような場所でした。
よかったね、佐江ちゃん本当によかったね。


2幕のはじめのほうの佐江ちゃんのソロ歌唱が、
いままで観てきた舞台の佐江ちゃんの歌唱ではなくて。
舞台に、空間にすっと溶けていって。
すごいものを体感してしまった。感動した。


佐江ちゃんが演じたサンディーは懐かしの『ダブルヒロイン』以来のブリキャラ。
スタイリングのインパクトもすさまじい。
けれど、そのときにあった気恥ずかしさのようなものは微塵もみせず、「サンディー」というキャラクターをごく自然に演じてみせた。


お前は本当にファンなのか案件なのだれけど、
いつも「佐江ちゃんは映像の演技の方が向いてる」とか思っちゃう感じだったのだけれど、
もう今回は、全部のピースがピタッとハマった感じ。
"「宮澤佐江」という女優"は、ぜんぶぜんぶ、本当に『ZEROTOPIA』のかけらだった。
岸谷さん、寺脇さん、本当にありがとうございます。
私は幸せです。佐江ちゃんありがとう。


"「推し」の幸せ"って、"「自分」の幸せ"になるんだなって、初めて思いました。


あーーーーーもう本当に岸谷さんと寺脇さんには感謝しかない。
"「宮澤佐江」という女優"の持っているものをこんなにも見せてくれて、感じさせてくれて、頭が上がりません。






そんな"「宮澤佐江」という女優"が存在する、『地球ゴージャス』とは一体なんなのか。



と、いう答えが二回目の体験でようやく自分のなかで見えた気がしました。
それを今回、舞台の最中に見つけることができて本当によかった。


『地球ゴージャス』がやりたいのは、たぶん「エンターテイメント」なんだ。
岸谷さんも寺脇さんも俳優として演技をしているなかで、
自分たちが何をやりたいかっていうのが表れているのが、この"『地球ゴージャス』の「エンターテイメント」"なのだと思う。


"『地球ゴージャス』の「エンターテイメント」"は、良くも悪くもすごくわかりやすい。
ちょっといまどきこういう「エンターテイメント」はなかなかないのではというくらい、
古き良き「エンターテイメント」だと思う。
序盤からガンガン攻めてくるギャグシーンも、ぶっちゃけ最初はぜんぜん笑えない。
だってまだ客席があったまっていない。
でも、『地球ゴージャス』はそれでもそれがやりたいのだ。


そして、その"『地球ゴージャス』の「エンターテイメント」"ができるのは、
岸谷五朗と寺脇康文という俳優が、マザーシップになっているからだ。
ふたりのベテラン俳優が描く「エンターテイメント」なのだ。
メインキャストがいわゆる"それなりに名の知れた芸能人"であるというのも、
岸谷さんと寺脇さんがともに「エンターテイメント」の世界で闘うひとたちを集めたからだ。


正直、個人的には、作品としては甘すぎる。と思う。
いまのこのご時世に、それは安直すぎるし、地雷すぎるのではという部分がたくさんあった。
物語の流れも、それを職業にしているひとの作品と比べるとキツイものがある。
けれど、それが「アリ」なのは、岸谷五朗と寺脇康文の"『地球ゴージャス』の「エンターテイメント」"だからなのだと思う。


その「それちょっとどうなの」っていう部分すらも、
私は今回、途中から舞台ごと愛することができたせいか、まったく気にならなくなっていた。
笑わせようとしているところはゲラゲラ笑えるし、泣かせようとしているところはワンワン泣ける。
それは佐江ちゃんを通して、"『地球ゴージャス』の「エンターテイメント」"への壁がなくなったからだ。
彼らの放つ「エンターテイメント」を素直に受容している自分がいることに驚いた。
けれど、それくらい、今作における"「宮澤佐江」という女優"の姿に撃ち抜かれたのだ。


そんな佐江ちゃんを見せてくれたカンパニー、そんな舞台、
愛さずにはいられないじゃないですか。
だからか後半はもうずっと泣いてた。






『地球ゴージャス』に二度目の参加を果たした宮澤佐江ちゃん。
そのアナウンスがあったときは、純粋に嬉しかった。
本当に、岸谷さんと寺脇さんには良くしてもらえて(涙)
岸谷さんに「舞台の天才」とか言われちゃうんだよ!?もうアミューズに入れてよ!


…じゃなくて!



新田真剣佑との共演!!!!!!!



を、知ることとなり、"佐江ちゃんがマッケンと舞台で共演する"という事実に、
マックスハイテンションでいられないわけがなかった!


それからというものの、大人数で写っている写真なのにふたりだけにトリミ(ry、
溜まっていくそれらを眺めては、まるでこれはふたりの軌跡だわなんてキモヲタ大発動してたりしました。


結婚会見もありましたね~!(違)



でも舞台を観て、そーゆーの、ぜんぶ吹き飛んだ。
もちろん、いい意味で。すごくいい意味で。




マッケン、キミはいったい何者なんですか。




たぶん、観たひとみんな驚いたと思う。


正直、1幕は作品そのものにはまったくハマれず、
舞台のマッケン(新田真剣佑)ヤバくない!?、と、マッケンに驚きっぱなしで、
マッケンマッケン、マッケンの一挙一動に釘付けでした。
そしてそれがこの"『地球ゴージャス』の「エンターテイメント」"にピッタリなのです。
マッケンのみなぎるエネルギーを受け止められるのは"『地球ゴージャス』の「エンターテイメント」"だったからだと思うのです。


こんなマッケン、見たことない!の連続!
あんな演技するの?あんな表情するの?
もう私の頭の中のカメラロールにはとてもじゃないけれど保存しきれない。
かっこいい。かわいい。好き。


いや、まじでマッケン、舞台ハンパない。
動きがキレキレで身のこなしが美しくて、歌もめちゃくちゃうまいし、発声とかも百戦錬磨の舞台俳優だった・・・・・なぜ?????
謎が謎を呼ぶめちゃくちゃハイクオリティなパフォーマンスだったんですけど本当にキミはいったい何者なんですか。


これは、舞台関係者、大混乱なのではないでしょうか。
若く、経験も多くないっていうか少ないのにこの凄まじいポテンシャル。
いまは売り出し中で映像作品にもひっぱりだこで、なかなか舞台の仕事はできないだろうし。
というか、ど旬。めちゃくちゃ露出あるのにこの長い期間の舞台、よくできるなと思っちゃう。単純に不思議。
若さと体力とかなのかしら。本当に末恐ろしい。
あと数年したら、諸先輩らのように映像も舞台もこなす俳優さんになるのでしょうかね。
いや、これぜったい舞台関係者黙ってらんないから。ぜったいそうなるでしょ。




キャストのみなさま、本当に素晴らしかったです。
"『地球ゴージャス』の「エンターテイメント」"を届けてくれた。

柚希礼音:ジュン
西川貴教:ロマン


新田真剣佑:アトラス
宮澤佐江・花澤香菜(Wキャスト):サンディー


藤林美沙:バレンティーナ
原田 薫:キヨコ
大村俊介(SHUN):ボンゴコンガ


水田航生:ロンデビュー
植原卓也:マカスター


岸谷五朗:ワン
寺脇康文:ヒュ~

冒頭のレボレボ(西川貴教)の絶唱は、もうロックフェスに来たような錯覚をするほど。
終始、圧倒的なボーカルをその声量オバケっぷりで惜しみなく披露、ありがたすぎた。
でも、カッパ(公認ネタバレ)の出で立ちで登場したときは、想像よりかなり小柄で、
話す声も変えていたので歌いだすまでレボレボだってまったくわからなかったです(笑)
そしてこれがまた演技がうまいんだよな~~~~なんでよ~~~~~~~。


藤林美沙さん(バレンティーナ)を中心にタップをメインにしたダンスシーンは、
もう熱がたぎりまくっていて、本当にシビレました。


物語の中心にいた柚希礼音さん。
私は宝塚も演劇もまったく詳しくないのでご存知なかったのですが、
イロモノ(失礼)だらけのなかで唯一、観客側に近い身なりだったにもかかわらず、
とても凛としていて、くっきりとした存在感を発揮していて凄かったです。


そしてなにより!このカンパニー、すごく仲がいいのが伝わる!
そして私はそんなあなたたちが大好きだ!






終演後、カフェで購入したパンフレット読んでたら、
店員のお姉さんが「今日は何がご覧になってきたんですか?」と話しかけてくれたので、
流れで宮澤佐江ちゃんのファンであると話すと、なんとお姉さん、佐江ちゃんを知っていて。
聞けば、まさかのお姉さん、地下アイドル(男子)ヲタクだったという!
初対面にもかかわらず、ディープにアイドル話に花咲かせてとっても楽しいひとときでした!
「次いつ来ますか?CDあげます!」という会話まで(笑)




退場アナウンスが流れても、鳴りやまない拍手と手拍子。
私も心からスタンディング・オベーションをしました。


本当に「佐江ヲタ」として最高に幸せな時間でした。
こんな幸福感は、たぶん、佐江ちゃんの48グループの卒業コンサート以来かもしれない。
めずらしく、「もう一回観たい」という気持ちが芽生えています。幸せだ。

ヴァレリアン 千の惑星の救世主

ツイッターのタイムラインの凄まじいくりしゅ圧に負けて、
ヴァレリアンをキメてきたのだけれども!


すごい!


ま っ た く わ け が わ か ら な か っ た 。


まじかよ!(まじだよ!)




危惧していたCG不慣れ問題に関しては、
さすがお金のかかり方がハンパなくて、凄まじい映像美と演出でトリップできて素直に楽しかったです。
テーマパークのアトラクション並みのハンパなさ。
宇宙ステーションのデザインとかもめちゃくちゃ格好良かった!


デヴィッド・ボウイをはじめとした、
いわゆる近未来SFモノとは対極的な感触の音楽をところどころにちりばめているのは、
素直にすっごくセンスいいなーと思いました。


しかしいかんせん話がまったくわからないのである。
(さすがに丁寧な説明があったのでパール人のくだりはわかった)
映像はおもしろいのに、その映像のなかで何が起こっているのかまったくわからなくて、
逆に笑えてきてしまった(笑)


どうせなら絶賛されてるアルフィー目当てに吹き替え版を観ればよかったのかなと思ったり。
いやまじであの役たちのアルフィーの吹き替えめっちゃ聴きたいよ!!!!!!!




目や耳はちゃんと楽しめたのだけれど、
頭の方がまったくそれができなくて、まったくついていけない、わけがわからない。
そっちのほうが自分のなかでめちゃくちゃ勝ってしまって、
それをどうにか納得させようてしたところに脳裏に浮かんだのが、


そう、『カンフー・ヨガ』です。



『ヴァレリアン』は『カンフー・ヨガ』だったのです。
すなわちクリレイみたいなもんです。
なんで誰も教えてくれなかったの!!!!!!!!!


カンフー・ヨガで得た、なんかよくわからん多幸感を掘り起こしてみると、
本作もそんなに悪くなかったんじゃないかと思えてくるのです。
この"わけのわからなさ"は「宇宙」というものに初めて出会う疑似体験のようなものなのかもしれない、と。(スーパーポジティブ)






さて、この映画を観るに至った最大の理由である「くりしゅ」ことクリス・ウー。
彼が演じたネザ軍曹というキャラクターがかなり重要な役割を担う役でびっくりしました。


(ネタバレするよ!)




だって、




くりしゅ、くりしゅが宇宙を救っちゃってたよ!!!???




ええんか?こんなオイシイとこもらってええんか?


そしてごろんと転がったときにアップになるネザたまのおしり…(拝)
演技もイイ感じで、昨年公開された『トリプルX:再起動』を観た映画クラスタのあいだでは、
「"ツルむと楽しいDJ"が出てるじゃん!」と話題になっていたりして、
クリス・ウーの世界進出、順調すぎ、すごすぎ。
(映画製作費のチャイナマネーがなんたらっていう話もあるけれどそれにしたってすごい)




監督のリュック・ベッソンが「生命」というものをとても丁寧に扱っているのがわかって、
泣きそうになったりもしました。
そのくらいキャラクターデザインに愛を感じたし、
愛から生まれたキャラクターの造形からはやっぱり愛が溢れていました。


でも、『レオン』の監督と同じひととはにわかに信じがたい(笑)
(知ってたけどそれにしてもさ!)