ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

渇き。

なんと宮澤佐江ちゃんがコメントを寄せています!びっくり!
中島監督!佐江ちゃんに是非仕事を!!!




原作『果てしなき渇き』は読んでいません。


いや〜〜〜乾いたわ!
カラッカラだわ!


私はかなりバイオレンス系は苦手なので「グロい」、「グロい」と大評判(?)なコチラの作品、
観るのを結構迷ったのですが、思い切って鑑賞。
案の定、グロかったです(笑)苦手な方は要注意!!!




かな〜〜〜り悪い話!!!!!
最悪のストーリー!!!!!
加えて主要登場人物も全員最悪という(笑)


この"最悪な話"を容赦なくグロテスクに描いていました。
けれど、(映画にこういうジャンルが存在するかわからないけれど)ポップスの要素をしっかりと入れ込んでいる。
そうすることで中島哲也流の味付けを施していると思うのですが、
個人的にはイメージカットやアニメーション、
アイドル楽曲(なんとでんぱ組.incの『でんでんぱっしょん』を使用!)+スナップ写真のカットなどは、
ちょっと若づくりな気がしてこっぱずかしかったです。蜷川実花かよ!、と。
もう少し振り切ってくれればおもしろさが増したのかなぁと。
時系列がめちゃくちゃなので混乱したりもするけれど、作品に勢いがあるのであんまり気にならず。


「グロい」・「アクションシーン」などといって思い出すのは最近では、『ジャンゴ 繋がれざる者』なのですが、
本作はそれと比べてしまうと数段レベルが落ちます。
舞台背景が現代であること、日本であること、等、理由はいくらでもあるのですが、
もう少しエンターテイメント色を強く打ち出してくれたらこちらも楽しめたのかも。
でも、本作の狙いは公式ホームページにある中島監督の一筆のとおりで、そこではないのかもしれません。




正面から真面目に映像制作に取り組んでいる姿勢は好印象。
スピード感のある展開と目の回るようなカット割に振り回されます。
そういった「体感」する部分の多い映画なので、一層、好き嫌い・得意不得意が分かれそう。


"悪い話"だけれど、結果的に"親子の話"になるくだりは、ほほ〜となりましたね。
ただテンションの高い前半に比べると後半はちょっと落ち着いてくるのでバイオレンスがキツかった。
心のなかで\はやく終わってくれ〜!/と何回か叫んでしまいました。


ラストはちょっと地味でしたね〜。
もう少しトばしてくれてもよかったのに〜。
ここでもうひと暴れしてくれたらまた映画の印象も変わったかも。


さまざまなダーティーな社会問題がありありと映し出されている本作ですが、
そこに「メッセージ性」がまるでないので、ちょっと幼く感じます。
あと、胸くそ悪い(笑)




キャスティングは文句ナシ。
ミスキャストがない作品はどんなに内容がエグくても後味は悪くない不思議。


主人公・藤島を演じた役所広司は本当に凄い役者だなぁと思い知らされました。
まず、この主人公ですら最低最悪の男なのですが、しっかりとした役づくりがなされていて感心。
本当に嫌な奴だった〜!汚かった〜!
失踪する娘・加奈子を演じたのは新人の小松菜奈ちゃん。
ココは絶妙なキャスティングだったかも。悪くはなかったけれど、他の若手女優さんでも観てみたい。
一番ビックリしたのは(個人的に)永遠の青二才こと妻夫木聡の演技!
主人公の元同僚刑事役・浅井を演じるのですか、人を食ったようなムカつくキャラクターが、
いつもの妻夫木くんの演技とのギャップがあって良かった!彼、悪役もイケる!
加奈子の友人(?)を演じた橋本愛は『あまちゃん』で培ったであろうキレ芸(失礼?)が炸裂。イイ味、出してましたよ〜。
オダギリジョー、二階堂ふみ、黒沢あすか、國村隼、中谷美紀らと、演技派俳優がガッチリ脇を固めます。




以下ネタバレあります。




『桐島、部活やめるってよ』は作中に「桐島」が出てきませんが、
本作では語られる「映像」として「加奈子」は存在するものの、
ストーリーのリアルタイムライン(?)での「加奈子」は姿を見ることはできません。
そういう意味では彼女も極悪ですがファンタジー性があった気がします。
グログロギトギトな世界観のなかで加奈子の存在感にどこかすがるような不思議な気分になるのは、
そんなところからきているのかな。


登場人物全員の傷口に塩を塗るようなストーリー。
ハッピーエンド好きとしては、誰も彼も救われないのが虚しかったです。