なんと!映画鑑賞は約4ヶ月ぶりとなりました!
2カ国のエンタメ激流を追っかけているうちにこんなことに(白目)
桜庭一樹による原作は読んでいないのですが、
彼女がドキュメンタリー番組『情熱大陸』に取り上げられた際に、
直木賞受賞作とのことでこちらの作品に触れていたのを覚えています。
「良作」。
だけど、「名作」とは感じない。(当社比)
制作側も役者も素晴らしい仕事をしていると思うのに、
気がつけば既視感だらけのつぎはぎに感じられて退屈してしまいました。
これは去年〜一昨年と、よく映画を観たときに蓄積された賜物が悪い方へと作用したのかな、と。
私自身から"映画を観る「喜び」"が欠けていたのも大きいと思います。
そんなこんなで、あんまり楽しめませんでした。
ストーリーはショッキングでありながらも先が読めてしまう。
構成や演出等々、上記のとおりよくできているのだけれど、「想定の範囲内」。
「濡れ場」も話題になっているようですがそちらも「想定の範囲内」。(当社比)
全体的になんかうすら気持ち悪いのは決して「近親相姦」が原因ではないと思います。
だって「愛」そのものは美しいから。
登場人物・特に花(二階堂ふみ)の自己愛の強さとが、淳悟(浅野忠信)との濃密な世界によって、
よりキョーレツなナルシズムの塊となってこちらに訴えかけているからなのだと思います。
赤い血のようなものにまみれながら絡み合うシーンなんて演出過多そのもの。
けれど、そんなイメージカットを挟むことで作品がイキイキとしていたのも事実。
接写から感じられる生々しさは良かったです。
スピード感のあるテンポの良い展開・カット割りはこちらを飽きさせませんでした。
それは時間の感覚がよくわからなくなったとおり、どこで"終わる"のか、わからない。
映画ならではのおもしろさ。
私の理解力と想像力が足りず、
冒頭とラストシーンがちょっと曖昧に捉えられてしまったのが(私が)勿体なかった。
ソコって言わずもがな映画の出来を左右する重要なところだと思うのです。
淳悟がことあるごとに発する「家族」ということばの違和感も拭えず。
ただ、そこに説得力が存在していないことも、この映画の魅力の一端なのかもしれません。
浅野忠信の演技は相変わらず凄いです。
狂気に満ち満ちていて雄の要素が濃い、ハードな役を見事に演じ切っていました。
二階堂ふみちゃんの演技はドラマ『Woman』で見たときとあまり印象が変わらず。
満島ひかりのようにややワンパターン演技気味な女優さんなのかなと。
まだ若いのでこれからもいろいろな役柄にチャレンジしていって演技の幅を広げていって欲しいな。
けれど、中学生時代〜大人の女性を見事に演じ分けたのは本当にお見事。
幼く、残酷だった少女が大人になり悟りを開いていく様に引き込まれました。
贔屓にしていた高良健吾くんが、「青年」から「大人の男性」へと成長を遂げていて、ちょっと淋しくもありました。
それこそ、それも"演技の幅"であるのなら喜ばしいことなのだけれど。
今作の高良くんはおぼっちゃん設定なのでまぁるい。
もう鋭利な高良くんはもう見られないのかな。うう。
以下ネタバレあります。
花と淳悟の北海道での暮らしと東京での暮らしの対比が鮮やかで良かった。
とくに淳悟の落ちぶれ方は花の成長と反比例していって胸が痛みました。
大塩のおじさん(藤竜也)が流氷に乗って「助けてくれ〜!」と叫びながら流れていくところは、
ちょっと滑稽だったかな(笑)
それに対して「泳げばいい!」と叫び返す花もちょっとコント風(違)
浅野忠信が高良健吾くんを脱がせて身体に触れるシーンがHOMOHOMOしくてたまんなかったです!
高良くんてばイイ身体♡ごちそうさまでした♡