ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

ビッグ・アイズ

いままでなかなかタイミングが合わず、お目にかかることのなかったティム・バートン作品。
今回が初めての邂逅となりました。
オマケにポップアートにまつわる実話ベースの映画ということでワクワクしておりました。




ああああ……


また、つまらぬ物を斬ってしまった……


いまなら五右衛門の気持ちもわかる…
(う~~~~~ん、の意)




ぜんぜん響かなかった。


ただでさえクリエイティブにまつわる話なのに、
クリエイティブの「魂」みたいなものがすっぽり抜け落ちていたように感じました。


中身がなく、ただの"軽薄男の伝記"になっちゃっていたように感じました。
ファンタジー等も多く手掛けているティム・バートン監督なら、もっと魅力的にできたのではないかと思うのだけれど。
実話がもとになっているとのことで、氏の新境地開拓なのかもしれないけれど、なんだか中途半端な印象の作品。


原稿用紙一枚で済むような話に感じさせてしまうのは脚本の安直さ。
ストーリーに遊びの部分がなくて、最終的には単純な勧善懲悪モノになってしまっていたのが残念。
オマケにそれが感動インポ真っ最中の私との相性が明らかに悪かった…、と百歩譲ります。


「ポップ」アートにまつわる話を、「シリアス」に描いたのはおもしろいと思うけれど、
やっぱり私は"ザ・ティム・バートン作品"が見たかったわけで、正直、期待外れ・拍子抜けしてしまいました。


主人公・マーガレット(エイミー・アダムス)の自分の作品「ビッグ・アイズ」に対する思いも描ききれていなかったように感じてしまいました。
そこが一番のポイントだったのかも。




大胆な展開だったけれど、女性らしさを感じさせるものがちりばめられていて、大味になることはなかったです。
というか、監督が「男性」だったからこそ、それらが際立って見えたのかもしれません。
逆に、男性である監督には、「女性」の主人公を深く描くことが難しかったのかもしれないなぁ、と。
テンポは良く、トントン拍子・派手に物語が進むので、最後まで退屈することなく観ることができました。
サンフランシスコの街並みやハワイの景色、
そしてマーガレットのアトリエなどはカラフルで、見ていて楽しかったです。


マーガレットに寄り添う主人公の娘・ジェーンが健気で、
その様子からは母娘の繊細な関係性が表れていてじんわりとしました。




"軽薄男"・ウォルターを演じたクリストフ・ヴァルツがとっても良かった。
明らかに怪しい男なのに、肝心なところで凄く説得力のあるオーラを纏う演技は圧巻。
『ジャンゴ 繋がれざる者』のシュルツ役でも素晴らしい演技を披露してくれたけれど、
鑑賞中はとても同じ役者さんが演じているとは思えず、いま、まさにびっくりしている最中です(笑)




それにしても。
いま、ブロンドの西洋人を見ると『マッサン』のエリーに見えちゃうから困る(笑)