前作が凄く良かったので今回も楽しみにしていました!
あーやっぱりとってもおもしろかったーーーーーーーー!!!!!
もっと観たい!まだまだ観たい!と、単純に思わせてくれます。
本当にこのシリーズの世界観は大好きです!
凄く素直な映画づくりを、あえて荒削りにしている感じが良いです。
つくり手が楽しんで映画制作をしているのがしっかりと伝わってきます。
スピード感のある展開がテンポ良く、小気味よく、スカッとします。
笑いあり、エロあり、アクションあり、バイオレンスあり、で退屈させません。
"わかりやすいシュール"を入れ込んでくれるのも嬉しいです。
前作と比べると"渋み"が減った気がしますが、本作はそれを補うかのようにサービス満点です。
どちらが好きかで意見は分かれそうですね。
笑わせるところは笑わせて、
ドキドキさせるところはドキドキさせてくれて、
ハラハラさせるところはハラハラさせて、
ワクワクさせるところはワクワクさせて、
泣かせるところは泣かせて。
陽気さと哀愁のコントラストを巧みに操り、観る側を思いっきり振り回してくれます。
いろいろな人間模様を盛り込んで、かつ上質な大人のエンターテイメント作品に昇華させる腕には脱帽です。
アクションもかなり見ごたえがあります。
センスが良いです。
狙ったB級感がありながら、洒落てる。
泥臭さも格好良く見えちゃう。
それでも嫌味な感じがいっさいしないのは、やっぱり「大泉洋」という俳優の存在だと思います。
三枚目の大泉洋が演じることで絶妙なバランスを保てています。
最終的に、大泉洋、かっくいい〜〜〜!、って終わる感じもいいですよね。
冷静に振り返ってみると、あのシーンいるかな?、っていうところもあったりするのですか
観ている最中はジェットコースターに乗っている感覚でまったく気になりませんでした。
あまり考えず、思いっきり映画に自身を委ねるとおもしろさ倍増だと思います。
ただ、全体的にはツメの甘さや大雑把さも気になったようで、
ちょこちょこ不満な点も(笑)
オチが弱かったように感じました。
あっけなさすぎ。
そこまでに描かれていた濃厚な人間ドラマはなんだったんだよ、と。
世の中って案外そんなもん、という気もしなくもないのですが、ちょっとこれじゃあ死者も浮かばれなさすぎる。
ラストもさすがに読めてしまった。
事件解決からの展開の印象が前作と似ていました。
マンネリ化するにはまだ早いです。
ヒロイン・ヴァイオリニストの弓子(尾野真千子)が見せる"明るさ"の具合がちょっと不自然だったのも気になりました。
ちょっと彼女自身の展開にも無理があった気が。
「有名ヴァイオリニスト」という設定も取って付けたような感じがあり、やや違和感。
オテンバながら"謎めいてる"役にしたいのはわかるのですがそのへんがうまくいっていなくて、
ただ説明不足のように感じられてしまいました。
探偵の言った、「マサコちゃん(ゴリ)にはススキノに仲間がいた」ということばにもあまり説得力がなかったです。
確かに"仲間"がいたことはわかったけれど、上っ面しか描かれていなかったので。
モノローグを挟みながら事後報告で進んでしまったせいもあるかもしれません。
政治家・橡脇(渡部篤郎)は政治家として・人間としてスキがなさすぎで感情移入ができず。
もう少しだけ、それぞれの人物の背景を描いてくれたらそのあたりの違和感を埋められたのではと思いました。
こちらの心に訴えるような描写が欲しかった。
「脱原発」といういまの日本にとってものすごく敏感なワードを、
このテのストーリーに絡めてきたのはどうかと思いました。
なにかしらのメッセージも込めてとのことだろうなというのは想像に難くないのですが、ちょっと安易だったかなぁと。
制作側の幼稚な部分が垣間見えてしまってやや残念。
あと、私は政治にまったく明るくないのですが、
政治家に心酔しているひとたちの描写がありえなさすぎて閉口。
まぁ「エンタメだから!」と片づけてしまえばいいのかもしれないし、実際そうなのだと思うのですが、
ちょっとあんまりにも浮世離れしていて気持ちのいいものではなかったですね。
おまけに「脱原発」まで絡んでますし。
もっと役者の声を大きく録って欲しかったです。
格好良い台詞、"聞かせる"台詞があまり耳に響いてこなかったのが惜しい。
音量を上げればいいってもんじゃないこととは百も承知ですが、会話の臨場感がもう少し欲しいところ。
前作から引き続き登場するキャラクターも数多く登場。
それぞれが濃く、スピンオフ作品がいくらでもつくれそうなおもしろいキャラばかりで楽しいです。
大泉洋演じる探偵(作中で名前はわからないのです)と松田龍平演じる高田の名コンビは最高です。
言葉には言い表せない関係。
このふたりがめちゃくちゃ格好良いんですよ〜。
探偵のありえないくらいの鉄の人情はハードな作中でも違和感なく、浮くこともなく、
大泉洋の役者としての技量を実感できます。
結果的に松田龍平をスクリーンで二週連続で観たことになるのですが、
風貌は『舟を編む』の馬締とほぼ同じ、さらに語り口はドラマ『まほろ駅前番外地』の行天とほぼ同じ、
さらにさらに現在絶賛放送中の朝ドラ『あまちゃん』の水口にいたっては風貌も語り口もほぼ同じ、
にも関わらず、ずべてがまったくの別人なんですよね〜。
これはもう凄いとしか言いようがないです。松田龍平は本当に凄い。
もさっとしてて飄々としてるのに超強い高田だけでも観る価値あると思いますよ。
渡部篤郎と大泉洋とのふたりのシーンは凄かったです。
とくに渡部篤郎はそこまで出演時間が長くないにも関わらず、しっかりと物語のキーマンっぷりを発揮していた迫真の演技でした。
ゴリさんの演技もとっても良かったです。
繊細で思慮深くて優しいマサコちゃん…しっかりと伝わってきました。
安藤玉恵の演じるウェイトレス、今回はしみじみ見ちゃいました。
このままシリーズ化になるかなぁ?
なってほしいな〜。