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ミーハーでごめんね

ヲタク気質のミーハーの忘備録。ネタバレ要注意。PC版のサイドバーをちょこちょこ更新中。

3月のライオン 前編

大・大・大好きな漫画『3月のライオン』。
私はあまり漫画の登場人物に自分を重ねることはないのだけれど、
主人公・桐山零と、その義姉・杏子のふたりは、まるで自分の一部なんじゃないかと思うくらいのシンパシーを感じている。
だからこの漫画が好き、というわけではなくて。
そんな零と杏子を温かく包んでくれる、この作品の世界が大好きなんだ。


優しすぎる羽海野チカ作品。
私は、羽海野先生にも自分と同じにおいを感じている。
でも、ソッチは"だから苦手"の同族嫌悪に分類される。
いたるところで垣間見える羽海野先生像は、
自分の恥ずかしい部分を改めて突きつけられているように思うからだ。
だからこそ、そんな"自分に似た羽海野先生"の作品は好き。
だって自分の求めているものがそこにあるからだ。
その世界は漫画の登場人物と同じように、私をも温かく包んでくれる。




で、実写化版映画を観た。
ひどすぎて泣きたい。




キャストのコスプレっぷりは素晴らしかった。
神木隆之介が零を演じるのは、想定内だし、実際すごく似合っていた。
神木くんのファンなので、実際、零たる神木くんの姿を見たときはテンション爆上がり。
なかでも島田さんを佐々木蔵之介が演じる、という情報を得たときには、なにかを大発見したかのような気分になったものだった。


ただ、キャストの演技が、漫画的、というか。
発されるセリフが総じて平面的なのだ。上っ面だけといあうか。
生身の人間のエネルギーが感じられなかった。
漫画の実写化って、漫画の登場人物たちに三次元というかたちで息が吹き込まれるから新しいひとつの別の「作品」というかたちになると思っている。
それが叶わなかった、個人的に。大ショック。


なんつーか、演技から「心」が見えない。
原作は二次元ながら"二次元の手法"で、キャラクターの「心」がしっかりと描かれている。
そんな"二次元の手法"に代わるものが実写映画にはないように感じられて。
血の通った人間が演じるにしては見えてこない「心」というのは不気味でもあった。
なまじ、みなさん演技がうまいからそれは余計に違和感があった。




映画のつくりも原作漫画をリスペクトしているのは大変結構なことなのだけれど、
ちょっとあんまりに原作に背負わせすぎた。
長尺なのも原作の流れを大切にしているからなのだと思うのだけれど。
でも、「実写化ならではの!」、みたいなパワーがぜんぜんなく感じられて。


原作漫画には「漫画だから」できる表現がたくさんある。
だから同じように、実写映画にも「実写映画だから」を求めてしまう。
だって原作の大・大・大ファンだから。




今作・前編は主題歌のチョイスも謎すぎて。
私はあのよく流れている『スピッツ』のカバー曲を期待していたのだけれど、
前編ではまったく違ういけすかない邦楽が流れて肩透かしをくらった。


後編は、最近連載されている部分を描くみたい。
というわけで、絶対にオリジナルの要素が多くならないわけがなくて、
そうなったときに本作の布陣がどういったものをつくりあげるか、見届けたい気持ちもある。
でも、映画館にまでに足を運ぶかは迷い中。




くやしい。くやしくて、歯をくいしばりすぎて頭が痛いくらい。
そのくらい私は原作漫画が好きなんだなって気付かされた。


上映中、コソコソ喋っていた老夫婦(たぶん)が、
ラストにタイトルが表れたとき「ところで『3月のライオン』って何?」って言っていた。
そんな雑音が耳に残っている。やっぱりくやしい。

カルテット

おもしろかったです!
静かでミステリアスでありながらストーリーは二転三転と大きく動く!
前半はちょっとだるかったのだけれど、
毎回ラスト数分で物語が予想だにしない方へ向かうので後半は次の回が楽しみで楽しみで!


キャッチコピーで「大人の恋はやっかいだ。」とか言っちゃってるんですけど、ひどく不相応に感じられます(笑)
とてもじゃなかったけれど、そんなもんじゃなかったぞ。(もちろん褒めてる)
たとえば「人生」だとか、簡単にことばにはできないすごく大きなテーマを、
たくさんの謎めいたエピソード(恋愛も含む)を重ねることによって最終的にそれぞれのひとにある方角に導くかのような。
肩をたたいてくれたり、背中を押してくれたり…私個人はそんな感触でした。
まさかこんな気持ちにたどりつくドラマだったとは。やられた。


毎回テキストでの煽りが凄く感じられて、
結果的にはその煽り自体には個人的にはあんまりピンとこないのだけれど、
それを超える別の爆弾のようなものがちゃんと用意されているので、
いい感じに翻弄されながら、楽しませてもらっていました。




「カルテット」ということばを記号化していて、「音楽」を素材にしていて、
潔く心にじわっとくる人間ドラマに徹していたのがよかったです。


雰囲気で強引に進めていく感がなきにしもあらずだったけれど、
逆をいうとその雰囲気をとても慎重に、大事にしていたような印象を受けました。




カラオケボックスでの4人の男女の出会いはさすがにちょっと無理がある風ではあったけれど、
松たか子・満島ひかり・高橋一生・松田龍平がどっしりとした存在感でもって有無を言わさぬ演技力で押し切ってくれていたので、
気が付いたらすっかりその甘美なで成熟した世界観にうっとりうっとりしていましたね~あんな共同生活、憧れるったらないわ~。


いちばん凄かったのは主演のなかでもキーをにぎる真紀を演じた松たか子の抑えてた演技。
どこかとらえどころがなくて、それがすごく魅力的で、なにより設定に喰われなかった。
キャラクターとしては満島ひかり演じるすずめちゃんがずるい!!!!!あんなの愛おしいに決まってる!!!!!
別府(松田)・家森(高橋)も、よかったんじゃないですかね。
男性陣はふたりとも、とくに家森さんはあざといがすぎるけれど。




坂元裕二による脚本は、サービス満点なのだけれど、
くどくどくどくどしたセリフが今回はちょっとめんどくさかった(笑)
素人個人(私)の感想ではすごく演劇みを感じる、会話劇といった趣だったけれど、
いかんせんこのメインキャストがテレビドラマで発することばにしては脂が乗りすぎているというか。
毎回毎回いかにも名言を生み出そうとしている感じがこそばゆかったです。
ただ坂元さんがやりたかったことをやっているっていう感じもありやや寒く感じる部分も。
でもそのくらいの気合と気概を持ってお仕事されているっていうのはとっても素晴らしいことだと思います。(どっちだよ)




キャスト目当てで視聴したのですが、
キャスト陣はものの見事に画づくり・芝居づくりの期待にこたえてくれたようなクオリティ。


ただ、それっていうのが、つくり手の、




こんな松たか子が見たいんでしょ?
こんな満島ひかりが見たいんでしょ?
こんな高橋一生が見たいんでしょ?
こんな松田龍平が見たいんでしょ?




「でしょ?」




が、過剰。ひじょーにあざとい。


キャスティングにおけるその部分ってすごく大切だし、大事なことだと思うのだけれど、
本作は、な~~~んかそれがハナについたというか。


先シーズンの『逃げるは恥だが役に立つ』やアニメ『ユーリ!!! on ICE』などに似た、
「だから公式が最強だっつってんだろ?あ?」みたいな、
つくり手の強気すぎるサービスには、ちょっと腰が引けてしまっていました。


まるでドラマ本編の二次創作全開の(通常の)エンディングの映像にはもう完全にドン引きでしたね(笑)
椎名林檎が手掛けた主題歌の歌詞「大人は秘密を守る」っていうフレーズで締めくくるのは最高でしたけれども。
最終回のエンディングは、「主題歌」というものを最大限に生かしていて良かったです。


とはいえ、逆をいえばそれだけ力がはいっていたことの表れだし、
実際演出などをはじめとするスタッフ側のこだわりが随所に炸裂していて、
「いいものをつくろう!」っていう気合と気概も、しっかりと伝わってきましたよ!
毎回タイトルと主題歌のタイミングもしびれるくらい格好良かった!




メインキャスト以外のキャストも、
学級崩壊モンスター・ありすちゃんを演じた吉岡里帆ちゃんの清々しい狂気は大発見。
ありすちゃんまじありすちゃんすぎて最高!



いまのところ今年いちばんの名台詞!


サンドウィッチマン富澤さん(大好き)と、八木亜希子の夫婦もすごく好みのキャスティングで、楽しかったです。
もたいさんやクドカンをはじめとしたレギュラーキャストのほかにも、
ゲストがいつもとっても豪華で、そんなところからも"ドラマを安くしない"という心意気が感じられました。
個人的には、ほぼモブ役扱いだった藤原季節くんをもっと見たかったな~。




ギミック・小ネタたっぷりで、
そことそこが繋がってたのかー!、これがそれの伏線だったのかー!、と、
そのたびに気持ちよく驚かせてくれた本作。
もう一回、最初から見直したいですねー。やーやっぱりめんどくさいかな(笑)


最終回のひとつ前の回の後半からずっと泣きながら見ていました。
達観したラストにこちらも晴れやかな気持ちでございます。