ミーハーでごめんね

ヲタク気質のミーハーの忘備録。ネタバレ要注意。月別アーカイブを見られるようにしました。

ダンケルク

なにがなんだか、誰が主役なのか、なにが正義なのか、なにが正解なのか、
そもそも物語がどこに向かっているのか、鑑賞中は全体的によくわからなかったケルク。


でも、そうであってもひとつの強い強い作品として成立していた。
そこにあったのは、つくり手の、監督であるクリストファー・ノーランの、
つくりたい、見せたい、伝えたい、という意志の強さだだった。




いくつかの「現場」がバラバラに進行しており、
誰がいったいどこの国のひとなのかすらもわからず、(私が)混乱するのだけれど、
その混乱を受け入れたとき、映されたパイロットが撃つ相手の戦闘機のなかのひとの「命」を感じた。
顔も見えない、標的なのに。


そのときにたくさんの登場人物たちの「生きたい」という思いがすまじく押し寄せてきた。




そこにあったのは「命」だった。




この混沌とした映像世界を俯瞰して、ドライな視点でじっと観測するかのような画は、
そうした「命」たちをあぶりだした。
みんな、こんなにも、「生きたい」と叫んでいる。


そういったものたちを圧倒的な映像から拾い出すことができる。
映像は凄まじく、臨場感のあるカットや壮大なカットなどあらゆる画が美しく繋がっている。
それだけでも観る価値はあると思う。
驚くことにCGなしのすべて実写だとか。ハンパないな。


そして音・音楽がすごい。音響がすごい。


それらは冒頭どおりなにがなんなのかよくわからないのだけれど、
そこに生きるひとたちを伝えた。
それは映画館鑑賞ならではの「体験」だと思う。




ストーリーとかキャラクターとか、こちらが心を寄せるところがないのが、
いい意味でわけのわからなさに拍車をかけた。
ディレクションは終始クールに徹していた。
けれど、そのなかから、見つかったつくり手の意志は、
鑑賞者それぞれにそれぞれの爪痕を残す。それを体感する。


そして「戦争」というものを突きつけられた。
私はずっと泣いていた。




登場する若い青年たちが、揃いも揃って『men's FUDGE』のスナップページに載っていそうな
かわいい俳優さんだったことは覚えておきたい。


いい映画でした。
おかわりしたいケルク。

僕たちがやりました

すっっっごい最終回だった!!!!!
民放かつゴールデンタイムのテレビドラマで、こんなラストなかなか見られないのでは!?
毎週毎週、主題歌が訴えかけていた「生きろ」ということばが、
こんなかたちで結末につながるだなんて。
ハッピーエンドではないかもしれないけれど、"生きる"ということを、
こういったかたちで、いまのこの世の中に提示するということがすごく腑に落ちた!
あと、パイセンがカッコよすぎた!
これは制作側の勝ちだわ~!すごいすごい!




私は"嫌悪すべき「悪」として存在する不良"が好きではない。
けれど、エンターテイメントのなかで、例えば誰かの憧れとして描かれた不良は好き。
前者だとしても、それが同様に誰かの憧れのような不良だったらまた話は別なのだけれど。


衝撃的な一話。
ただの弱いものイジメを死ぬ寸前まで遊びのひとつとして扱った不良たちに、
私は最後の最後まで嫌悪感がぬぐえなかった。
だから市橋(新田真剣佑)が身を投げたときも、なんとも思わなかった。


殴られたら、殴り返したい。
まして、理不尽な遊びとして自分を、自分の仲間をひどい目に合わせたのだったら、そりゃもう当然の感覚だと思う。
だから主人公・トビオ(窪田正孝)らは彼らなりの「遊び」の範疇で殴り返すことを試みた。
それが偶然が重なって結果的に「犯罪者」のレッテルを貼られる事態になってしまった。


私のなかでの「悪」は、一貫して市橋らが率いた一話に登場する不良たちだった。
だから、法的に「犯罪者」にカテゴライズされてしまったトビオたちはただただ不憫、不憫だと思った。
本当に、それは、最後まで。




このドラマ、おもしろいくらい好きなキャラクターがいない(笑)
強いて言えば、最終回を抜きにしても、パイセン(今野浩喜)が好きかな、程度(笑)
一話を見た時点では登場するキャラクターが好きじゃないどころか嫌いなキャラクターだらけで後味は最悪だった(笑)
それでも次回を見よう、なんならこのドラマを見ようと思ったきっかけは、
窪田正孝や真剣佑をはじめとしたまるで私がキャスティングしたのでは?、と、
勘違いするくらい出演者が好きな俳優さんばっかりだったからだ。
吉村界人とか本当に好き、顔ペンだけど。


キャスティング、すごくよかったと思う。
原作は未読だけれど、ストーリーとかもわりと原作に忠実らしく、
とくにパイセンの再現度が絶賛されていた気がする。
やっぱり、窪田くんはめちゃくちゃにうまい。すごすぎ。
トビオと蓮子(長野芽衣)のラブシーンは、「じゅ、11歳差…!」と妙な緊張感が(笑)
パイセンを演じたキンコメ今野さんもすごかった。
真剣佑も、たぶん『仰げば尊し』くらいしかマトモに演技を見たことがないので、こんなにうまいのか!、と驚いた。
破竹の勢いで話題作への出演の続く川栄李奈の演じた今宵もすごくよかった。
正直、同じ48G出身者の女優を推している身としては嫉妬が絶えない(笑)
佐江ちゃんを抱く窪田くんとか見たいもん(笑)




そしてなんといっても青年漫画をその過激さと濃度を失うことなく、
ゴールデンタイム(しかも21時台!)で実写化したという点は本当にすごい。


青年漫画雑誌は宮澤佐江ちゃんのグラビア採集目的で何度も購入しかことがある。
(『モーニング』は毎週チェックしているけれど)
でも掲載されているそれらはとてもじゃないけど、なんというか画からして苦手で。
パラパラっと目は通すというほど見るわけでもなけれど、とにかく私には難しかった(笑)
世の中の男性はこういうののどこがおもしろいんだろう、って不思議に思っていた。


でも、そういった未知の世界を、
実写化ならではの配役や映像で、しっかりとこちら側に届けられたような気がする。
アイアムアヒーロー』しかり。
『僕やり』はイイ意味で親とは見られないようなシーンばっかりで、
これを深夜枠ではなくゴールデンでっていうのが、また。すごい。




意図せず「犯罪者」になってしまった戸惑いと恐怖を、
健康的な(ココ重要!)ごく「普通」とカテゴライズされるような高校生が抱えるというのがおもしろかった。
描かれるべきと思われる青春時代にふさわしくない不気味なスリルが、見ごたえがあった。
音楽も絶妙なチョイスだったり、とにかく魅せ方がうまかった。
追い込まれていくトビオたちがシリアスだけでなく、わりとコミカル気味に描かれることによってよりエンタメ色を増した。
『DISH//』が出てきちゃったときは、あ~あ、って感じだったけど(笑)


内容は内容だけれど、すごくエンターテイメントのパワーがあった。
私が嫌う「悪」がいろいろなかたちで存在したけれど、
エンターテイメントが「悪」に勝った。最高です。