「私が好きだったおまごる」は、きっともういない。
「私が好きだったおまごる」は、
少なくとも私のなかではよく形容されている"清純派アイドル"ではなかった。
作品はどれも一見「カワイイ」ものだったけれど、
シーンに切り込んでいくそのスタイルはいつもクールだしカッコよかったのだ。
ロックだし、パンクだった。(ロックもパンクもよくわかんないけど)
応答せよ、在りし日の『東京女子流』が好きだったキミたち。
なんというか、いつも果敢で攻撃的だった。
例えば「清純派」と括られていれば、そこからつねにはみだしてみせていたように思う。
楽曲はアイドル楽曲とは思えないアーティスティックでアバンギャルドなものだったけれど、
『OH MY GIRL』というガールズグループがパフォーマンスすることで、
それらはまぎれもない「アイドル楽曲」になった。
そんな『OH MY GIRL』はまぎれもない「アイドル」だった。
けれど、気がついたときには、おまごるはすっかり丸くなっていた。
おまごるは牙を隠して昨今のK-POP激流の厳しさと陰で戦っていた。
おまごるはおまごるで本当に大変だったのだと思う。バナナあったけど。
そんな彼女たちのデビュー5年目、『The fifth season(5番目の季節)』。
そこにいたのは「私が好きだったおまごる」ではなかった。
けれど、『OH MY GIRL』が在るべき姿でそこにいた。
正直、私は「私が好きだったおまごる」に固執していたことがいまはちょっと恥ずかしい。
いまの『OH MY GIRL』は、大人にディレクションされたお人形さんではなくなっていた。
歌声からも、ダンスからも、
ステージから、彼女たちの「意志」がしっかりと見える。
初めて『OH MY GIRL』の歌を聴いたような気がするし、
初めて『OH MY GIRL』のパフォーマンスを見たような気がするし。
歌もダンスも、本当に綺麗。
おまごるの歌が、ダンスが、こんなにも綺麗なことを知らなかった。
知っていたはずなのに、知らなかった。
なにより、おまごるがみんな本当に綺麗なのだ。
5番目の季節に、「少女」から「女性へ」?
いや、『OH MY GIRL』はまぎれもない『OH MY GIRL』になっていた。
5番目の季節に、きっと私はいまのおまごると出会った。