ミーハーでごめんね

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I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

ダイワハウスSpecial 地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.13「クザリアーナの翼」 in 赤坂ACTシアター

前日の記録的な大雪の影響で、当日会場まで足を運べるか不安だったのですが、
無事にたどり着くことができました。



豪華出演陣!


まずは。


宮澤佐江ちゃんのことを、褒めちぎりたいと思います。




そもそもこの公演を鑑賞する理由とキッカケは"「宮澤佐江」の出演"以外のなにものでもありませんでした。


視界の先にいたのは「宮澤佐江」ではなく、
「コルリ」という少女でした。


佐江ちゃん、凄かったです。
あれだけやりきれていればそりゃ浮かれたツイートのひとつやふたつもするわなぁと実感させられる、
説得力のある芝居・パフォーマンスにびっくりさせられました。


私はちょっと前までは「佐江ちゃんは映像作品の演技のほうが生きる」と思っていたんです。
でも、最近の映像作品での演技を見ては、明らかに演技力が落ちてる、と感じていました。
それは定期的にそういった作品に携われないブランクのようなのかもしれません。
ところが、演技のフィールドを舞台に移した今作、当て書きとはいえ、
ステージにいたのは「宮澤佐江」じゃなくて「コルリ」だった。


それはまぎれもない事実です。


登場した瞬間から「コルリ」。
完全に舞台の世界に身を委ねていて、まるでそれは「宮澤佐江」ではない。
そんな彼女を見て、ちょっと淋しくなったりもしました。
だって、久しぶりに見た彼女はあまりにも私の知っている「宮澤佐江」ではなかったから。
同時にこみあげてくる嬉しさ。
こんな鮮やかな成長を見せてくれるなんて夢にも思いませんでした。
カーテーンコールでの彼女の姿からは充実感がヒシヒシと伝わってきました。


佐江ちゃんの多方面に渡るフィールドでの可能性を見せつけられました。
舞台仕様の佐江ちゃんはかなり凄いです!!!!!
生命感にあふれる力いっぱいのアクションにおののきました。
心配していた滑舌も、厳しいところもあったけど、一回も噛むことなく、コルリは言葉を発しました。
歌は、上手!、とはいえないものの、許容範囲。
ダンスパフォーマンスや身体いっぱいにつかった演技面でのパフォーマンスは言わずもがな、
佐江ちゃんのパフォーマンスに惚れたひとならば大満足の出来なのではないでしょうか。


強く思ったのが、
"佐江ちゃんはもう48グループから離れてもいい"・"48グループに居場所を求める必要はない"、ということ。
彼女にはそう思わせることができる力、そしてそれらを発揮する場所がまだまだ無数にあるのだと実感させられました。


私は次の組閣で「宮澤チームK」の可能性がないわけではないとぼんやりと考えていたりもしたのですが、
そうなったらなったで「なんだかなぁ」と思わざるをえないなと。
彼女はもう48Gを飛び立った方がいい。
SNH48にとどまったとしても、同じことを思うはず。
組閣に「卒業」ってないんですかね?


もちろん贔屓目もあるんだと思います。
そんなことはわかっています。
それでも私は佐江ちゃんのことが本当に本当に誇らしいです。




それでは作品全体のことを。


※以下、気に障ることが記されている可能性があるので、
 たまたまこちらをご覧になった方はそのへんのご了承をよろしくお願いいたします。
 あくまでイチ佐江ヲタの戯言なので!ネタバレ要注意!






キャストのことから。


山本裕典、めっちゃくちゃ格好良かったです!!!!!
元々彼の演技にはイイ印象があったのですが、期待を裏切らない素晴らしい熱演でした。
歌がちょいヘタなのはご愛嬌(笑)
ただでさえ参謀キャラ好きの私にはたまらなかったですね。


風間俊介くんは一見派手さはないものの主役として輝ける演技力にびっくりしました。
彼も舞台のほうがイイ演技しますね!


山本裕典と風間俊介くんの殺陣は見ごたえがありました。
そしてふたりとも"魂の演技"といわんばかりに感情をむき出しにして演じていました。


湖月わたるさんは圧倒的演技力とオーラのオンオフで舞台を引き締めていました。
かなり無理のある設定だったのだけれど、まぁなんとかなっちゃうのはプロ中のプロだからこそなのでしょう。
風間くんとの息ピッタリの掛け合いは見てて気持ちがよかったです。


中村雅俊と佐藤江梨子に関しては、もっと良いキャスティングがあったろうに、と思ってしまいました。
違和感のあるキャスティング。存在感ドコー。


『地球ゴージャス』という演劇ユニットは岸谷五朗・寺脇康文が主宰しているのですが、
ふたりのパフォーマンスはどことなく加齢感があってちょっと切なくなりました。
演技が宙に浮いているような場面もあったりして、ややがっかり。
目立ちたいんだか目立ちたくないんだかどっちかにしてくれ!、という印象。
自分たちのプロデュース公演だからということもあるのかもしれませんが、
「演じる」というよりは、自由にのびのびとやってんな〜、という感じ。
おそろらくアドリブであろう箇所も多々アリ、共演者に笑いをこらえさせたりも。




いや〜〜〜こんなに歌って踊る舞台だとは思っていなかったので驚きました!
かなりエンターテイメントに寄っているのですね!


ギゼル大佐(山本裕典)も参加した冒頭のウォーキングのパフォーマンスで一気に引き込まれました。
観劇はかな〜りご無沙汰していたのですが、
ザッザッ、という足音を聴いて、「これが"演劇"だ〜!」と、感覚を思い出しました。
音が、声が、思いっきり心に響きます。
それが本当に気持ち良い。
「生」であることのなかで、私にとって一番重要なのはソコ(耳で感じる部分)なんだな〜と気がつきました。


ストーリーはイマイチ。
主人公(なの?)ガンクツ(風間俊介)との親和性が薄い。
ソコを他のキャラクターが中途半端にかきまわすもんだから、
メッセージ性は強いのに(『レミゼ』感)ふわんふわんしちゃっていて微妙でした。
それぞれのキャラクターも薄味で…なんというかこちらの気持ちを預けることのできるひとがいなかった。
だからあまり物語に肩入れできない。
楽曲や小ネタも古臭さが否めず。
登場人物の名前が「鳥」からつけられているのが良かったです。


ガンクツのヘアスタイルが地味だったのが残念。
「地味」がキャラなのでそれもアリなのかもしれないけれど、だからこそもう少し工夫が欲しかった。
大帝QUASAR(クエーサー)(中村雅俊)が自ら棺桶に入っていくのには笑ってしまいました(笑)
スワン元帥(湖月わたる)の死に方もかな〜り雑。
ココをもう少し工夫すればイグレット(佐藤江梨子)のキャラももっと立ったのではないかと。
おじさん(中村、岸谷、寺脇)3人の歌唱シーンは曲調からして
歌謡ショーのようになってしまっていて苦笑い。
要所要所にある群舞は躍動感にあふれていて良かったです。


舞台美術はちょっと単調だったかもしれません。
演出も含め、もうこのセット飽きた〜!、と思ったりも。
ステージのへりに設置されていた細長いライトがアクセントになって効いていました。
幕間明けのストロボは幕間すらもドラマチックなものに変えてしまう魔法。素敵でした。


カーテンコールは三回。
最後に代表して寺脇さんからご挨拶が。
生まれて初めてスタンディングオベーションなるものをやりましたよ!
(だって前の席のひとが立って視界を遮られたから…)




視界は相変わらずの席運の悪さに裸眼で見たり双眼鏡で見たりの繰り返しだったのですが、
まぁ仕方がないかなぁという状況ではあったので、ポジティブに楽しませてもらいました。


「プロデュース公演」について考えさせられましたね〜。
"誰"が"何"を"誰と"やりたいのか。
そこの入れ替え次第で如何様にも転がっていくものだな〜と。
けれど、久しぶりの観劇、おもしろかったです!