ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

軍中楽園

なにもかもが受け入れがたく、
だからこそ「戦争」はだめなんだわ、と改めて思った。


先日観たばかりの映画『野火』とはまったく別のアプローチではあるけど、
これもれっきとした「戦争映画」だと思う。
(本作にそういった自覚があるのかはまったくわからないのだけれど)


映画のなかの状況は、戦闘シーンこそないけれど、
アウトラインだけ見れば「惨劇」でしょう。
けれど、それと映画に映されているものにはだいぶ乖離があるように感じた。


それらは、あくまで舞台となる「楽園」では、
明るく・楽しく・元気よく、といわんばかりで戸惑った。


みんな、「戦争」のせいで、なにかが麻痺しているのだろうか?、ともとれるけれど、
そこに(私が)ストレートに行き着かないもどかしさがあって、
…で、結局なんだったんだ?、と頭を傾げてしまう。
もしかしたらちゃんと狙ってのことなのかもしれないけれど、
私も映画自体も、雰囲気に流され気味で、作品の軸らしきものが見えてこないというか。
そういうところが、ロマンチックなラブストーリーであり群像劇であり青春映画でもある一端を担っていたのだろうか。
よくわからない。


台湾という国の「公然の秘密」である題材を取り上げて、
台湾から発信した映画であることにはとても意味があると思う。
ただ、それが理由かはわからないけれど、
どこか「美しい物語」に寄りすぎている気もした。


とてもじゃないけど、ストーリーに触れられる余裕もなかった。
そういう意味では"「戦争」のこわさ"をある種感じさせてくれるものだった。