正直舐めてましたごめんなさい。
せいぜいシルバニアファミリー程度を想像していたんです。
いや、シルバニアファミリーも十分凄いんですが。
思ったより、だいぶ、大人の世界でした。
展示自体は地味なんだけれど、
気づいたら目の前に点在するドールズハウスの世界に入り込んでいって、そして圧倒される。
作品の大半は超絶細かくてリアリティがハンパない。
ひとこと"ドールズハウス"といっても、実際にあった家を再現したものや、
外装のデザインからつくりあげているものなど多種多様です。
物語性のあるものや、ただつくりたいという衝動のままにつくったと思われるものもある。
けれど後者の作品もその制作過程がすでに物語を感じさせるんですよね。
それがドールズハウスの浅からぬところといいますか。
老若男女、アートが好きでも興味なくても、そういう細かいこと関係なく、誰でも楽しめる展示は大好きです。
子供心と大人心の両方が刺激されて、きっと誰もが頭をからっぽにして、
ただ「凄い」と思える展示なのではないでしょうか。
目の前にドールズハウスがあったら、自然と中を覗きこんでしまうでしょう?
もうそれだけで立派なインスタレーションだと思うんですよね。
今回は写真撮影OKの太っ腹な展示だったので写真撮りまくりました。ちょー楽しかったです。
外観を写さず、ドールズハウスの中だけを撮ったものなどは、
言われないとドールズハウスの中身とは思えない、本当に人様の家やお店などを撮ったかのようなリアルっぷり。
まぁ面倒くさいので撮った写真は載せませんが←
センスは十人十色です。
サイズも、大きいものもあれば小さいものもある。
ある建物の一部を切り取ったようなものなどもあり、それらは外観だけ見ても十分にスタイリッシュで楽しめます。
個人的にはボックス型のものがおもしろかったです。
外装は直方体なのに中身はしっかりとリアリティに徹して作り込んであってそのコントラストがお洒落でした。
逆に外観はデザインが凝ってるのに中身はあっさりしているものもあってそれはそれでおもしろいです。
小物だけの展示も楽しかったですね。とくに人形遊びを経験したことのある女子にはたまらんのでは。
なかでも凄かったのは『モッツ・ミニチュア・コレクション』。
"モッツ家"というアメリカの家族が生活の全エネルギーを傾け、
(旅行や特別な買い物などをいっさいせず、給料の大半を注ぎ込んでの制作活動だったのだそう)
つくりあげた作品の数々はクオリティも存在感も展示のなかで圧倒的でした。
照明も凝っていましたね〜。照明の配線なんかも物凄いことになっているんでしょうね…。考えるだけでも恐ろしい…。
雑貨店や美術館などを模した大型の作品はそれはそれは見ごたえがありました。超絶です。
雑貨店のほうはあまりに細かいのでマイクロスコープが設置されていました。
それを使って覗きこむと、もう何がなんだかわからなくなるくらいリアル(笑)
美術館の作品も凄かったです。
モッツ家が自分たちの住居を再現した『デモイン・バンガロー』という作品は、
なんと平屋の家をまるごと再現していて360度どこからでも家を覗きこめてしまうのです。
これはもう本当に衝撃的でした。
と、同時に、もしかして泥棒ってこうやって家を見透かしているのかもしれない、と思いました。
だって一軒の家の中身が丸裸なんですもん。
展示出口付近ではドイツの子供向けドールズハウスのおもちゃが。
実際に遊べるので年甲斐もなくそれなりに遊びましたが←
カラーリングのセンスやデザインがモダンなだけではなく、
しっかりと生活の動線なども考えられるようなしかけもあり、さすがドイツ。
すべて角の丸くなった軽い木製+布製なのでかなり小さい時期から遊べるのでは。
ある日、馴染みの喫茶店をふと見渡すと、あれ?なんだかドールズハウスの中みたい。
マスターに、「なんだかこのお店、ドールズハウスみたいですね!」と言うと、
「今日も初めていらっしゃったお客さんが、「わ〜!」って言いながら入ってきたんだよ(笑)」と。
そして帰り道にいろいろな家やお店を見る。
全部ドールズハウスに見えてきた。
洋物のお洒落でセンスの良いドールズハウスもいいですが、
現代の日本の家や建物をモチーフにした"ドールズハウス"も見てみたいなと思いました。
もしかしてもうそういった作品はあるのかな?まだだったら早い者勝ちやで!