ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

HIPHOPど素人が選ぶフリースタイルティーチャー3選


『フリースタイルティーチャー』は、
無印のPRODUCE 101 JAPAN出身の岡野海斗と宮里ソルが同じ番組に出る!とのことで見始めた。
それが、season4・男性アイドルトーナメント回だったわけだけれど、
私個人としてはフリースタイルも何もわからないので私なりに楽しんで視聴していた。当時は。
そのあとKEN THE 390が日プS2の出演者集めてグループをつくるなんてなぁ。

そこから今現在に至るまでずっと視聴し続けている唯一の番組が『フリースタイルティーチャー』である。

ずっとどこかのタイミングで書きたかったんだけど、このタイミングにします。
書きたいことは山ほどあるんだけど、とりあえず3つ、チョイスしてみました。



▶溝上たんぼVS杉本青空

season5・第一回芸人トーナメントのうちの一戦。
第一回戦めで、このふたり、かなりバトルラップが上手いのではないか?と
MCバトル初心者の私がそう思いました。
そんなふたりが二回戦目で当たってしまうわけですが、
明らかにここがフリースタイルティーチャーという番組のエポック(?)だったと思う。
後から思うと、芸人VS芸人ならではの部分はあまりなく、
普通にガチのMCバトルなので面白味はないのかもしれない。
けれど、おそらくこれが私が番組を視聴し始めて初めての非プロラッパーのガチバトルだったので、びっくりした。
スキルとセンスだけで職業・芸人がハイレベルな戦いをした一線だった。

ただし、そこはやっぱり芸人トーナメントなので、
ここから決勝戦まで上り詰めゆりやんレトリィバァと対戦した青空くんは、
芸人としてはゆりやんにかなり押された結果、必殺技というか禁じ手「三人目が産まれるんや」で逃げ切った感のある優勝だった。
そこにNSCの同期対決の真髄を見た気がする。

きつね・淡路さんという新しい才能が発掘されたシーズンでもありました。



▶season8 #久保田(はっしゅたぐくぼた)VSヤングモンスター

season8の久保田さん全部よかったので、全部!
とろサーモンの久保田さん。
正直、VS芸人ではあまりいいところが見えにくかったと思う。
なぜなら久保田さんはM1グランプリのチャンピオンだし、出演芸人のなかでは自動的にカーストトップになってしまう。
たぶん、そうなってくると性格と口が悪いところがストロングポイントの久保田さんにとっては、笑いに変換できるdisをねん出することが難しそうだな、と思った。
嫌みったらしく過去の栄光でマウントをとって後輩芸人に勝つ、みたいなの、久保田さんが好みそうじゃないじゃないですか。

ただ、ヤングモンスター戦では、その手法で思う存分に戦うことができた。
なぜなら相手はヤングとはいえプロのバトルMCラッパーだからだ。
嫌みったらしく過去の栄光でマウントをとるに加えて、
彼らより長く生きていること自体でも久保田さんはマウントをとってみせた。
おっさんやジジイや老害などと言われたら普通の人はひるんでしまうけれど、
久保田さんはこのクソガキがと言い返せる人であったのがでかい。
後輩芸人相手には有名か無名か、みたいなマウントをとるのはダサいけど、
自分より若くて容姿もよくてラップもうまい、ヤングモンスターはMCバトルというフィールドでは格上であるからこそ、
本来の久保田さんの持っている力でめちゃくちゃいいバースをたくさん聞かせてもらった。
最後、このままいけるのではと誰もが思ったところ、RAGA戦で教祖キャラで大爆笑をかっさらい、
試合に負けて芸人として勝った久保田さんは本当にカッコよかったです。

あと全体的にカミナリオヤジみたいになっちゃってる久保田さんがかわいかった。
ヤングモンスターも自然と説教されてるみたいに見えてくるとそちらもかわいく見えてきちゃうんだよな。



眉村ちあきVSでか美ちゃん

つい最近終幕を迎えたseason12・女性芸能人トーナメントの決勝進出戦、3Rは溝上VS杉本に並ぶエポックとなったと思う。
この女性芸能人トーナメント自体が、私はすごく好きだった。
近年における女性のエンパワーメントの姿だと思った。
バトルなので攻撃は必要、なおかつMCバトルなのでdisだってもちろん有効。
そのなかでここに出演していた女性たちは、みんな自分自身の尊厳を守るために戦っていたように思えた。

眉村VSでか美ちゃん戦は、そのもうひとつ先の部分のバトルだった。
仲のいい友人同士だったからこそ戦い、それがとても美しかった。
音楽は友だち!タイプの眉村ちあきは天才型だと思うので、ちょっと小手先では勝てない感じ。
しかも試合を経ていくごとにどんどんHIPHOPとも友だち!になっていくのでラップもすごくよくなっていく。
韻が踏めてるとか踏めてないとかそういうところでのジャッジが無効になっていってしまう。
そんな眉村ちあきのパワーをでっかい包容力で受け止め、しっかりとしたスキルと大人の賢さで真正面で向き合ったのがでか美ちゃんであった。
眉村ちあきが、

そんなこと言わないでよ!でか美ちゃんだって太陽だよ!

からのビートを捕まえた眉村の気持ちのいい3連打があり、
結果勝負ありとなった。

そのあとに出てきたミスXは誰もが予想していたゆりやんだったけれど、
倒すぞ!に終始してしまった眉村がゆりやんワールドに飲み込まれるかたちとなって優勝を逃した。
フリースタイルティーチャーでは笑いと勝ちに貪欲で賢いゆりやんという存在を知るという絶好の機会となっている。

個人的にはエキシビジョンマッチの松本都VS立仙 愛理もすごく好きだった。
みやここさんの目をかっぴらいたままのブチギレラップの大ファンです。
ふたりとも不貞腐れまくってて、共闘し、審査員に悪態をつくのもまた女性同士ならではでよかった。


虫食い視聴ではあるけれど、過去に放送されたseason3・女性アイドル編もすごくよかった。
えいたそ(成瀬詠美)VS恋汐りんご戦は涙が出てきてしまった。

その後、出演者たちがプライベートで集まったりしているのを見ると、
良い時間だったんだな~としみじみ思います。



シーズンによってハマるときとハマらないときがある。
とくに芸人以外の男性限定の大会になると、同業者同士の仲間意識みたいな現象をよく見かけるのは興味深かった。
ただ、自分の好みとしては、その立場やその職業ならではのワードがねん出される試合が好き。
そういう、特別なオンリーワンとMCバトルのマリアージュみたいな瞬間がこれからも見ることができたら嬉しい。
season6・芸人軍団VSYouTuber軍団ではザ・マミィの酒井さんが超最強消費者金融パンチラインを放ち伝説に。



現在放送中のseason13・第2回 芸人ラッパーニューカマートーナメントはバトル一週めにしてすでに楽しい。
オジンオズボーンの篠宮さんはベテラン芸人ならではの肝の座った笑いを放ちながらしっかりとラップしていたし、
街裏ぴんくさんは、うまい・強い・おもしろいといまのところ死角なし。
このふたりが次に当たるの早すぎる!
ヤマゲンさんのユーモアとピースあふれたラップが大好きなのだけれど、これはどうなるかまったくわかりません。
有名どころも多い今回、これから出てくる芸人さんたちにも期待しかないです。
今シーズンは終わったらちゃんと感想書きたいな。