ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

ベイビー・ブローカー

タイトルどおり、「ベイビー」の「ブローカー」の話ではあるものの、
メインキャラクターそれぞれがとても手厚く最大限の情と優しさを添えて描かれており、
結果的に"優しいシナリオ"になっている。そして美しい映像。


個人的には、それがぬるいと感じてしまった。


これは完全に好みの問題で、タイトルイメージと相反する"優しいシナリオ"であったことは普通によかったと思う。
ほのぼの、ほっこり。生まれてくれてありがとうの世界。
ただし、一方でそういった作品の印象によって、是枝監督が韓国で韓国の超豪華者キャストを起用してまで伝えたかった何かの精度はずいぶんふんわりしたものになったなと思った。


そして、ここまでふんわりしているにも関わらず、
この作品が「日本は規制が厳しい」という理由で日本の映画として制作されなかったことが単純に悲しい。
こんなにも"優しいシナリオ"なのに、日本ではだめなのか・・・・・・・・・
そりゃ是枝監督だって韓国いくわ・・・・・・・・・・・




一見群像劇だけれど、登場人物のひとりである若い母親・ソヨン(我らがIU)を救うということに終始していたように感じた。
そういった姿勢自体にとやかく言うつもりはなくて。
ただ、あまりにもドリームな世界観はあまりにも現実社会とのコントラストがあるため、作品を外側から見ている私にはとくに影響がなく、
この作品を見たら私もなんらかの部分で共鳴することがあるのでは、という勝手な期待を裏切られたような気分になって少し淋しい気持ちになった。




設定のベースこそ「犯罪」であるものの、映像自体も含め、優しくて綺麗で美しい作品であることには変わりないと思う。
優しくて綺麗で美しい作品が観たくなったらまた観たいし、そういった作品を求めるひとには薦めたいと思った。
(こんなに文句言っておいて!?)