ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

JO1 THE MOVIE『未完成』-Go to the TOP-

『無限大』と親和性の高い素敵なタイトル。



以下、普通に感想文なので嫌な予感がしたら自衛してください。
文句じゃなくて感想。(察してほしい)











ドキュメンタリー映画ってどういうのだっけ?、となってしまった。
私の知っているドキュメンタリー映画はもう少しざらついたものなのだけど、本作はとてもつるりとしていた。
ストーリーの表面をつるりとなぞっていた。
それは綺麗だったし美しかった。


見たことのない映像群だったけれど、その内容はこちらの知らないものではなかった。
私の見たことがあるような気がするJO1がそこには映っていた。




私はアイドルのドキュメンタリー作品には少し敏感だ。
それは秋元系で見せつけられてきた歪んだエンタメとしてつくられたドキュメンタリーと称するものを嫌ってきたから。
本作ではそういった演出がなかったのは素直によかった。彼らは守られている。


ただ、それは守られているというより、描かれなかっただけのように思えなくもない。
全体的に「JO1はこういう人がいるグループ」とふんわりと紹介されている感じで、ファンである私はそれはもう知ってます、という感じ。
その紹介があまりにふんわりなので特筆して目立ったメンバーもおらず、なんとなくぼんやりとふんわりとJO1だな〜と観ていた。
そんなJO1は当然私の知っているJO1だったので、JO1を知らない人が観たらどう思うのかが知りたい。




テンポが良くて、序盤は日プの映像の勢いもあってか楽しかった。
選ばれし11人のラインナップのくだりなんかはこれはもう一回観たいかもと早々に思ったりもした。


結成当初にメンバー同士が打ち解けていなかったことや、コロナ禍での苦悩を過去形で語るJO1のインタビューを中心に展開していくのだけれど、
過去形で語られた具体的な様子が新しく見る映像には見つけることができず、そうだったよねーって一緒にうんうん相槌を打つことしかできない。
それらは個人的には既出の情報のうちに入るものだった。


本編を観る前に雑誌『日経エンタテインメント!』に掲載されていた本作の監督のインタビューを読んでいたのだけれど、
インタビュー内にあった"「素材にあったツアー中止の知らせを受けて落胆する映像」などを映画に採用しなかった"ということが本作を制作するうえでの作業方針を象徴する部分だったと思う。


ちなみに『日経エンタテインメント!』自体の方が、私が見たかったであろう映像に代わるものだった。
個人的には複雑な想いを抱きながら視聴した日プSeason2がJO1にもたらしたものが明確に示されていたのがとくによかった。


結果的にその作業方針でつくられた映画はとてもつるりとしていて、
表面をなぞっただけの物足りなさが否めない作品になった、という印象が残った。




過去形でメンバーから語られた部分を映像で強化することを選ばなかったことは、
映画のクライマックスであるデビュー後初の単独有観客ライブ『OPEN THE DOOR』公演がいかに重要なポイントだったかという説得力に欠けたと思う。
演出として差し込まれる個人として存在したJAMが映るたびにやや人ごとのような気分にもなった。 JAMちゃんたちはまったく悪くないです!


悲願のOTD公演だったと思う。
けれどあの公演がもたらしてくれたものは映画を観たからといって私の中では姿を変えなかった。それは良かったのか。
個人的には補強してほしかったと思う。
だってあのハコだったし、現地に行きたくても来れない人だってたくさんいた、国外にも。
「コロナ禍にデビューした彼ら」だけれど、公演当日も現在もコロナ禍真っ只中なのだ。
監督が語る「会いたい会えないJO1とJAMのロマンス」は客観性を欠いた映像になっていたなとファンのひとりとしては思う。
"「JAMに会えたJO1の喜び」がそのままJAMひとりひとりに直結する"という確信のようなものが作品からすこし滲み出ていたように感じられて、それは少し高慢だなと思った。




観たかったものとはちょっと違った感はあるものの、
初めてムビチケを購入したり、初めて公開初日に劇場に赴いてチケットホルダーを購入したり、イベントとしてはとても楽しませてもらいました。
公開初日にいちばん大きなスクリーンで上映しているのに諸事情で泣く泣く劇場を後にしたのもすでにいい思い出。
これまた諸事情で鑑賞前にこれだけ動いたのに本当に本作を観ることができるのかがわからなかったので、ちゃんと観れたこと自体にほっとしました。観れてよかったー。
JO1の映像がスクリーンで見られること自体がとても嬉しい私はやっぱりJO1のファンです。




約1年ぶりに映画館で映画を観たので音量にびっくりしてしまった。
もっと映画館、行きたいな。