イージー、
ソーソーイージー。
なにもこちらに伝わってくるものがない。
だからこちらもなにも感じない。
かといってなにか言いたいことがあるんじゃないかなどと探るのも野暮な気がする。
「誘拐」とか「監禁」とか、釣り針が立派なだけあってタチが悪いとまで思いました(笑)
風体はサブカル映画っぽく仕上げてるだけにすっからかんっぷりが悪目立ちする…
ちなみに、2016年に『ルーム』という映画作品を観ているけれど、
本作とは初期設定が似ているだけで、作品そのものは似ても似つかない。
たとえば、文章にしたストーリー・設定を、
そのままちょっとおしゃれにかわいく再現しただけなのでは、というか。
そのストーリー・設定も、おしゃれにかわいく再現された映像も、好きですよ。
でも、それら以上に魅力を感じられるところが見つけられませんでした。
だから、主人公のジェームスというキャラクターがちっともわからない。
子供のような無邪気さや驚きの他人へのガードのなさなどは、子供のようでかわいい。
でもそれはジェームスそのものに向けた「かわいい」ではない。
それが「彼らしい」とはぜんぜん思えなかったから。
そういったところまで"ジェームスというキャラクター"にたどり着くことができなかったし、
なまじ設定が設定なだけに、ジェームスがそういったちょっとゆるキャラ風にしつらえられたことに抵抗はないわけではない。
終演後、劇場の常連のお客さまがつくったブリグズビー・ベアのかぶりものをかぶって、
映画館のお姉さんたちと写真を撮りあって遊んでいました(笑)
ついさっきまで眉間にシワを寄せていた自分は忘れて。
とにかく明るい本作。良くも悪くもライト。
観終わったあとにイントロダクションなどに目を通すと、
あ~やっぱ仲間内でつくってんのね、って。
いや仲間内でつくってる映画ってたくさんあるだろうけど、
あまりにいろんな意味で優しい世界っぷりに納得してしまった。
映画の妙にあたたかくて和気あいあいとした雰囲気は、
いまならもしかしたら現場の雰囲気そのものだったのかなとか思えてしまう。
夢はいっぱいつまってる。
それはとても素敵なものだと思う。
だけど、私にはそういう時期は過ぎてしまったみたい。