ミーハーでごめんね

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I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

続・アイドルの夜明け − ワナワン、I.P.U.。−

いろいろ思うところはある。
自分のためにどこかに矛先を向けるとしたら、やっぱり「労働環境」かなと。




ファンに姿を見せる直前なのにあの感じ。
まわりにスタッフがたくさんがいるのにあの感じ。


でも「あの感じ」が許されるくらいには酷使されてるんだよなぁ、きっと。
"「あの感じ」でいいから!とにかく働いてくれればいいから!"、みたいな。


そんな想像ができてしまった。




なんとなく、最近のK-POPアイドルシーンの裏側というか、
そういったものの一部を見てしまったような気がする。


「日本のアイドル」と比べて歴史が浅いと言われる「韓国のアイドル」。
いまの世代交代をはじめとする転換期を体感していると、
その"「サイクル」の早さ"というものはよくわかる。
悲しいかな、解散・脱退などもその「サイクル」の一部なのだろう。




ましてや『Wanna One』はその「サイクル」のなかにあって、
さらに期間限定グループであり、超巨大ファンダムを生んだボーイズグループ。
かつ、男子アイドルが獲得することに苦労する大衆人気をもデビュー前からすでに得ている。
無双状態、と、いうか社会現象。


基本的にメンバーの所属事務所は中小規模の会社ばかりであるから、
社運をメンバーに託していている場合がほとんどであると思う。


Wanna One』を直系でマネジメントしているYMCエンターテイメントだって、
天下の大企業であるCJ E&M様から仰せつかったそのオイシすぎる役目は、
最大限に利用したいところなのだろう。


わかる。


だって、こんなビジネスチャンスが韓国のアイドル業界に生まれることは、
本当に奇跡みたいなことだろうから。




そういったワナワンが置かれている「労働環境」が、目に見えてしまった一件だったと思う。
そして、それは、目に見えてしまってはいけないものだった。はず。
だって彼らは「アイドル」でしょう。




アイドルに流出系のトラブルがあると、ドラマ『武道館』(原作は朝井リョウ)を思い出す。
それはアイドルの「生活」=「人生」のかけらを覗き見てしまったがゆえの代償。

私は「アイドル」の表面しか見ていないほうだと思います。
内面にはあまり興味がないほうだと思います。
そのかわり、その「表面」に綻びを感じたとき、眉をひそめます。


みんな、アイドルが好きだからこそ、それぞれの「アイドル論」や理想の「アイドル像」があるのだと思います。
それと"生身のアイドル"を天秤にかけることはなんて残酷なんだろうかと。


そしてアイドル自身の持つそれは「プロ意識」としてファンに受け入れられる。
結局はファンは自分の都合のいいように「アイドル」を解釈するしかないんです。

けれど、今回はそんな"生身のアイドル"の背景が露わになってしまった。




そして、このときとほとんど同じことを思ったりもする。

これらを受けて、彼らには"「アイドル」である「自覚」がない"というよりは、
"「アイドル」である「感覚」があまりない"のかもしれないとも思ったりした。

「ファン」という光が、見えていないのでは。
または、それが見えているにも関わらず、感じられていないのでは。


ファンはアイドルのことなんてきっとこれっぽちもわかっちゃいないんだろうけれど、
それ以上にアイドルも、アイドルである「実感」がなければ「ファン」の存在もわからないのではないか。

「労働環境」によって、「アイドル」というよりは「アイドルによく似た商品」になってしまってはいないだろうか。


でも、彼らは(たぶん)物理的に「ひとり」ではないんだと思って安心したところもある。

彼らだって、きっと"アイドルの夜明け"を待っているんだ。
そのときに見える光景に「ファン」として在りたいと思う。

約束するよ。


だからどうか、心も身体も健康でいてください。