ミーハーでごめんね

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I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

あゝ、荒野 前篇 / 後篇(二回目)

どうも、『あゝ、荒野』大好き芸人です。
2017年の日本の映画賞は「もう全部門『あゝ、荒野』でよくね?」と本気で思っています。




そんな大好きな『あゝ、荒野』が、
ようやく!ようやく!ようやく!地元のミニシアターで上映されました!


というわけで、『前篇』・『後篇』をイッキ見。
一本が約2時間半で計約5時間の大作なので、インターバルが30分弱しかなかったのがちょっと体力的に不安だったのですが、
初めて鑑賞したときと同様に、長さはとくに気になることもなく、あっという間でした。




私、やっぱり映画『あゝ、荒野』が大好きです。


そして、


"いまの菅田将暉のマックス"はとうぶんこの作品を超えられないのでは、と思ってしまう。
そういう意味ではこの作品に出会えた菅田将暉ってめちゃくちゃ幸運だなとも思いました。


菅田将暉、次のマックスはいつだろう。
次の機会はそうそう訪れないのではと余計な心配をしてしまう。
才能を消費されないで~~~~~~~~。






改めて観ると地雷が多すぎると思ったし、
私も前回はそこまで気にならなかったのに、ある程度それから時間が経ったこともあるのか、
これはちょっとイヤだな~と思った部分が今回は結構ありました。
地雷もそうだけれど、濡れ場だらけだったりすることもあり、
こんなに大好きな作品なのにひとに薦めづらい、つらい。


けれど、演者のパワーに頼らずに「人力」でこれだけガチの商業映画をつくった心意気はまじで評価されるべきだし、
日本映画ではこんな作品にはなかなか出会えないと思います。
結果的には、そこに役者さんの素晴らしい演技などが加わることで、すごい作品になったわけだけれど。




初めて観たときには、新次(菅田将暉)とバリカン(ヤン・イクチュン)の闘いばかりが強く強く印象に残ったのだけれど、
今回は、裕二(山田裕貴)と新次のバウトが、とても響きました。



過去に囚われているのは自分だけなんだと痛烈に思い知らされる新次。絶望。
それは新次にかわからないし、だからこそ孤独。
そこからバリカンとは対照的にどんどんその孤独の深みに落ちていく新次。
でもそれは新次のようなフィクション作品の登場人物だけでなくて、なんらかのかたちで、
たくさんたくさんの人間が対峙するもの。


人間は孤独な生き物だけれど、人間と繋がっていたい生き物なのだと思い知らされました。
ただ「繋がり」=「セックス」っていう表現が多すぎてやっぱりそれは安直すぎな(笑)




個人的には最初に『前篇』と『後篇』は少し時間をあけて観ておいてよかったなと。
二本の間に流れる「時間」を自らも体感できる気がするというのもあるし、
『前篇』と『後篇』は結構違った明度の作品なので、それぞれを咀嚼できたことは大きい。
まぁひとそれぞれですが。


なんにせよ、大好きな作品をもう一度スクリーンで観ることができて本当に嬉しいです。