びっくりした、わからなすぎて(笑)
と、いうわけで以下閲覧要注意でお願いいたします。
ってかわからない私を許して。
よく、「トランプに獲らせてもらったアカデミー賞」と言われているのを見かけたけれど、
それに反論できる要素がない(笑)
"センシティブな「設定」"を扱っているだけに、
むしろアカデミー賞だなんて注目を浴びるんじゃなくて、
そっとしてやっていたほうがよかったんじゃないのとさえ思う。
そのくらい静かな作品だった。
その静けさは、嫌いではないのだけれど。
逆にいうと、アカデミー賞作品だからこそ、
私なんぞの近所のシネコンで上映されたのだと思う。
そういう意味では、この作品をちゃんとスクリーンで観ることができたのは奇跡なのかも。
むしろ、日本で公開されること自体が奇跡かもしれない。たぶんそう。
アカデミー賞様様。それぐらい個人的にはわからなかった(笑)
"センシティブな「設定」"をして後味がさっぱりしているのはこの場合、良いのか悪いのか。
演出ばかりに気を取られていて登場人物をぜんぜん掘り下げられていないからがゆえに、
こちらが気持ちを寄せる部分がない。
そういう作品はたくさんあるけれど、私はこの「設定」ならば気持ちを寄せたかった。
たとえそれが偏見だと言われようとも。
見守ることすら、できなかったから。
質感はライトなので、ありがちな話がスムーズに進むわりには退屈せずに済んだ。
3章に分かれているのもわかりやすくてよかった。
(さいさん言っている「わからない」は作品に対するものではない)
最後の章に現れたの主人公の姿にまた悪い意味でびっくりさせられたけど。
役者の演技が良かったのがせめてもの救い。
それがなかったら本当に(私が)どうしようもなかった。
原案は戯曲なのだそうで。
なるほど、と、そこはすごく腑に落ちた。
でも映像化するにあたってちょっと無防備すぎだと感じた。
カメラワークがとにかくひどい。酔う。
全体的にウォン・カーウァイを意識しているらしいけれど、
意図なく振り回されたように感じられたそれは不快でしかなかった。
私自身は『ブエノスアイレス』が大好きなので、
「オマージュを捧げた」旨の記事を見ては勘弁してくれよ、と思った。
予告映像のほうがよっぽどよくできてる、ってのは、まぁよくあることか。
そういったこともあってか、キービジュアルも含め、画としてのビジュアルは良かった。
タイトルやロゴタイプなども洗練されていてとてもシンボリック。
なにがそんなにアカデミー賞審査員の心を動かしたのかめちゃくちゃ疑問だった。
アカデミー賞って、こんなに世相ばかりを反映させなければならない賞だったの?
あまりに純粋で優しく無垢に撮られた本作が、
まるでトランプ政権への総意の象徴のように掲げられているならばかわいそうなくらいだ。