ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

風立ちぬ(二回目)

あと5年は宮崎駿作品をスクリーンで観られないと思ったら……


いつ観るか?


今でしょ!


というわけで、二回目、観てきました。
一回目の鑑賞の感想では過剰な期待の影響もあり、結構文句も垂れていたのですが、
二回目にして、ようやく今作をスッと受け入れられたような気がします。


こんなにシンプルな物語だっけ?、と。
一回目に観たときとは印象がまた少し変わりました。


良い映画でした。(遅)
ひたすらに、まっすぐな主人公・堀越二郎が眩しかった。
そしてそれを、まっすぐと描いていたのですね。
一回目に観たときは、私がぐんにゃり曲がった先入観にとらわれていたのだから、
そりゃあ響き方が違うわけです。
ただ、二郎の飛行機に対する情熱云々の印象は前回観たときと変わらず。


とても淡々としていたから本編上映中はこちらも淡々と観るのだけれど、
エンドロールの『ひこうき雲』で涙。


本庄の「国は貧乏になっていくのに、俺たちは飛行機をつくっている」(うろ覚え)という台詞が印象的でした。
そういうジレンマはどの時代も共通なのですね。


やっぱりラブストーリーは安直。
そして今作では効果音をすべて"人間の身体を使って"つくっていたわけですが、
前回より「無理があるな〜」と感じたところ多々。
地震等、轟音などはまるで大地がうなり声をあげているかのようで良かったのですが。


庵野さんの棒読みっぷりは相変わらず悪目立ちしていて(笑)
下手すると前回観たときより気になったかもしれません(笑)
少年時代の二郎が、しゃんと喋っていたのも原因かも。
そのころから棒読みでアフレコしていたら、スッと受け入れられたかもしれません。


ラストシーンの重みが前回観たときよりも増しました。
それなのに、作品自体は本当に軽やか。
それこそ風のようにスルリと身体を通り抜けていきます。
少しだけ、ざわめきを残して。
アニメーションという「二次元」であるということが効果的に作用しています。


それでもまた、観終わったときには眉間のシワが寄っていたんですけどね。
なんでだろう。それもまた愉しみの不思議。
もう一回観に行ってよかったです。