ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

華麗なるギャツビー

原作は読んでいません。


邦題がダサい……
『グレート・ギャツビー』のままじゃだめだったのかなぁ?


不思議な余韻の残る映画。
でも、つまらなかったデース。
村上春樹の小説作品みたいだった。
(村上春樹の作品がつまらない、というわけではないです。)
訴えかけてくるものが全然なくて。
「(原作を)映像化したらおもしろいかな?」というような好奇心のようなものはうかがえましたが。


最初から最後まで不穏な空気に包まれていて、ずっとふんわりと悪夢を見ているかのよう。
全体的に正気の沙汰ではないというか。
洒落ていて、とてもセンスの良い作品だったにも関わらず、それもストーリーの薄っぺらさで台無しに。
怒涛の展開も絶えずテンションが高いのであまり入り込む余地がありません。


登場人物がまるで描けていない。
とくに主人公・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)が「本当にこの物語に存在したのか?」と思わせるくらいにはスッカスカ。
私には、どこが『"華麗なる"ギャツビー』なのかわからなかった…。
ニック(トビー・マグワイア)がギャツビーへ熱い友情を抱く過程もサッパリ描かれていないのでそのへんの感情移入もできません。
もちろんフィクションなのですが、それにしてもリアリティのかけらもなく、すべてが"嘘っぱち"と言わんばかり。
映画自体がはりぼてのようなんですよね〜。
そしてそれがギャツビー自身をも皮肉っているのではないかと思うと、なんだか切ない気持ちに。


どこまでが物語の"本筋"でどこまでが"遊び"(の部分)なのか曖昧なところ。
このパターン、うまくいけばとてもおもしろいと思います。
ただ、それが今回私にはただの"脱線"にしか感じられず残念。
なので何も響いてこないのです。
もっとミステリーに寄っていたらまた違ったのではと思いました。


無駄に華やかなパーティーシーンはそれだけでも見ごたえがあります。
狙ったのかそうでないのかはわかりませんが、ゴージャスで楽しいのにどこか漂う虚無感があって素直に高まれませんでした。
画的には豪華かつ無駄がなく、とてもこだわってつくられているのがよくわかります。
登場人物の女性のファッション等などは見ていて楽しかった。


語り部となるニックがどの場面にもひっそりと佇んでいるのがおもしろかったです。
本当に村上春樹の作品の主人公みたいな感じ(笑)
ヒロイン・デイジーを演じたキャリー・マリガンがとってもキュートでした。