えーと、まず。
邦題ひどすぎワロエナイ……
ひどすぎ、というかテキトーすぎ、というか。
このダサすぎる邦題のせいでスルーしちゃうひと、多いと思いますよ、まじで。
そんな事態は勿体ない!!!、と思える良作です。
ちなみに原題は『Intouchables(untouchable)』。
"触れられないもの""社会ののけ者"の意だそうです。
実話を基にしたという物語、おもしろかったです。
そしてこの内容にしてお涙頂戴感がまったく無いのも凄い。
キラキラとしたものが残りました。
出演者の演技が物凄くて。あうんの呼吸と言いますか。
とくに主人公のフランソワ・クリュゼが演じるフィリップとオマール・シーが演じるドリス、
このふたりの心の通わせる様子は本当に素晴らしかった。
気持ちが暖かくなります。
ふたりの笑顔を見ていると幸せな気分になります。
テンポの良いセリフ回しも良く、役者と脚本の力を感じました。
フランス映画ならではのシュールな笑いもふんだんにちりばめられています。
場内も結構笑いが起きていました。
音楽も要所要所でよく効いています。
ドリスが周りの緊張感やお堅い感じを解きほぐしていく様は痛快。
豪快かつ素直な彼の立ち居振る舞いは爽快で、彼のようにありたいと思いました。
そんなドリスを受け入れるフィリップを見ているだけで微笑ましい。
空気感が一見、深刻でドライなのでなかなか作品に入り込むのに時間がかかりました。
フランス映画に慣れてないもので…。
物語のギアチェンジが不規則に激しかったのも原因かも。
逆にそれが単調でない展開のアクセントにもなっていました。
ストーリーでは主人公ふたりの交流はあまり時間の経過を感じることができず、
信頼関係を感じるところまでが不自然に早く感じました。
割く時間が長ければいいという話でもないけれど、
それを補うなにかが描けていたかというと見つけられなかった。
ふたりの周辺の描き方が中途半端でこちらが曖昧に情報を得てしまってそれが少し煩わしかったです。
この点は「実話を基にした」というところが足かせになったか。
ドリスが仕事を辞めたタイミングもちょっとごちゃついていてよくわからなかった。
おまけにあっさりしていて拍子抜け。重要なところなのに〜。
再びフィリップのもとに現れる流れもどこか不可解。
ラストはちょっと残念。
このトーンの終わり方…やっぱりフランス映画って独特だわ〜…。
エピソードはこのままでいいと思うのでもうひと工夫欲しかった。
そのラストから続くエンディングの音楽が…なんか悲しくなってしまうような音楽で、ええーって。
あんまり後味が良くなかったです。もやっとする感じ。
個人的に、障害者、介護についての考え方を改めさせられるところもおおいにありました。
観る予定のないひとも予告編だけでも見てみては?と思います。