ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

マリリン 7日間の恋

大人のおとぎ話。
ちょっとサラッとしすぎな印象を受けたことに反して、作品の感触はしっとりとしている。
描かれていたひとときは幻のような、夢のような儚さが感じられた。まるで白昼夢。


でも"恋"ではないような気がしたなぁ。
動物的な、本能的なところで何かに寄り添っていたい、
そんなマリリンに翻弄される若者の物語という印象。


マリリン・モンローを題材にした作品は初めて観たので、
今回の『マリリン・モンロー』がわたしのなかでの『マリリン・モンロー』として記憶に残るのだろうなーと思った。


久々に鑑賞していて退屈することのなかった作品。
華やかなステージ上のマリリンのシーンなども含め、要所にアクセントが効いていた点やテンポの良さが良かった。


マリリンは繊細で奔放、周りに向けるアクションなどもどちらかというと子供のようなそれであり、
どうしようもなく女である部分とのコントラストがとても魅力的なキャラクターだった。
マリリン役のミシェル・ウィリアムズはそんなマリリン像を巧みに演じていた。
本作でマリリンに翻弄されるエディ・レッドメイン演じるコリンはずばり若くて青い青い青年という感じ。
閉鎖感のある映画撮影所から外の世界に限られた時間であれど羽ばたくふたりが眩しく、
ファンタジックな世界観を際立たせていたと思う。
ハリー・ポッターシリーズでおなじみのエマ・ワトソンも衣装部の女性スタッフとして出演、綺麗になりました。


ラストは大人のための大人のラスト。
これから続いていく登場人物たちのこれからを見送りながらしなやかに幕を閉じた。