ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

森美術館15周年記念展 六本木クロッシング2019展:つないでみる




ミニョンくんが行ったところに行きたかった。
ミニョンくんの目に写ったものが見たかった。



「アートよりアイドルのほうがよっぽどアートだよね」というところにたどり着き、
あんなに行っていた美術館と疎遠になって早数年。
そんな私が今回、美術館に行ったきっかけはなんとミニョンくんでした。
K-POPアイドルに美術館へいざなわれる日が来るとは。




『六本木クロッシング』という展覧会タイトルは大好きです。
なんなら『高輪ゲートウェイ』というネーミングも、ハロプロ楽曲のタイトルみたいだし、
『ブルーライトヨコハマ』みたいで好きなので猛批判を受けているのが悲しかった。。


森美術館て、施設のつくり的に他の有名美術館と比べると圧倒的に開放感に欠けていて。
「作品を見る」ということが美術館に赴くいちばんの理由ではない場合、それって結構致命的なんだけど~とか久しぶりすぎてねちねち思ってたり。


おまけに私、森美術館のキュレーション系企画展(?)とは昔から相性がよくない。
本展も、南條さんのあいさつ文にからしてかなり不安でした。テーマが「つながり」て。
まぁ「つながり」というテーマは展示を見進めていくにつれ、
ほぼそれ忘れられているのでは…という印象になっていったわけだけど(だめじゃん…)、
それとはぜんぜん別で、好きだなと思う作品がちゃんといくつかあってほっとしました。


私はアートがもっとたくさんのひとにとって身近な存在になってほしいし、だからこそ、
業界のエライひとたちが露骨に嫌がる「架け橋」となってくれている有名なアイドル的な作家さんたちは本当に大切にするべきだと思っている。
だからテーマに「つながり」というわかりやすいワードを用いたことは悪くないと思った。
でも、それと作品や展示そのものの質に関してはまったくの別問題。
…とか思っちゃうのは許してくださいという感じではあった。




この手の展覧会はやっぱりインスタレーションがめちゃくちゃ強いなとしみじみ思いました。
というか、そもそもがインスタレーション系ばっかりだった。


「作品」そのものが全体的に弱すぎる。
ほぼ、ご丁寧に作家のプロフィールや作風をを交えながら、
制作のプロセスや作品自体の説明が書かれているキャプションがないと、
作品を前にしてもどうしていいかわからないものばかりでした。
まぁ、超有名アーティストが参加しているわけではないので致し方ない部分ではあるけれど。
個人的には、やっぱりキャプションありきの作品はちょっと物足りないなぁと思ってしまう。


参加アーティストは、それぞれがつくりたいものを自分の信念を持ってしっかりとつくってるのはよくわかったものの、やっぱりどうしてちょっと甘っちょろいというか。
好きな作品はあれど、それ自体に衝撃を受けたり感動したりということはありませんでした。
"説明しなければわからない作品"ってずばりそれなんですよね。
私はやっぱりプロセスとかコンセプトとかじゃなくて作品そのものパワーでぶん殴られたい。
だからこそ逆に部屋ひとつまるごと使うようなインスタレーション作品はずるいぞと思ってしまいました(笑)


そういった意味では、「よく探してきたな!」というようなラインナップだったわけですが。


いちばん印象に残ったのは、毒山凡太朗さんの作品。
3.11で故郷の福島が被害を受けたことがきっかけとなり作品をつくりはじめたというひと。
正直、一見、作風は苦手というか、個人的にちょっとなぁと眉をひそめるような感じ。
ただ、他のアーティスト同様にキャプションにいろいろ説明が書かれているにも関わらず、
作品制作に対するスタンスがよくわからないんです。
開き直っているようにも見えるし、けれど一方で皮肉をシニカルに表現することで、
それがとてつもない怒りや悲しみに感じられる部分がある。
だから作品を見て、これはどっちなんだろうかと。
でも、どっちか知りたいのは私だけなのでそれはどうでもよくて、
大事なのは発信者であるアーティストの想いを間違えずに受け止めたいというところで。
だけど、ちょっといまはよくわからない。
でもこういったかたちでこちらの気持ちがざわざわさせられる、
そういった作品に出会えたことはよかったなと思っています。


津田道子さんの作品はキャプションがなくてもおもしろかった唯一の作品だったかも。
『不思議の国のアリス』をモチーフにした作品は、
チェスをモチーフにひとつの空間にモニターや鏡、そしてただのフレームを、
計算しつくして配置することで不思議で楽しい空間をつくりだしていました。
インスタレーション系でも、作品になっている空間に実際に参加できることや、
単純に他人との関わりを生み出すという点でも今回の展覧会では異質だったかなと。


「楽しい」といえば、表現としてのファッションにもアグレッシブに取り組んでいる森永邦彦さん率いる『アンリアレイジ』による東京大学とのコラボ作品、楽しかった!
今回の展覧会はほとんどが撮影OKというイマドキなやつだったんだけれど、
この作品は、ずばりそういう状況をうまく利用しているかのように、
なんと「フラッシュをたいて撮影すると作品(服)が光る」仕組みなの!本当に不思議!
撮影した写真がスマホの画面の中だけで光っているのかと思いきや、そうではなく、
"フラッシュをたいて撮影する"だけで、実際に展示されている服が光る!光り方もすごい!
まったく仕掛けがわからないし、でも我々がふだん使用しているスマホでこんなびっくり体験ができちゃうの、本当にすごい。
もうおもしろ楽しすぎてバッシャバシャ撮りまくってしまった…
この「撮影OK」ルールの展覧会ならではの遊び心よ。
表現も大切だけれど、こういった単純に誰でも楽しめる作品がラインナップのなかにあったのが本当によかったです。


さらにびっくりしたのが、「このひとの展示、見たことある!」という方が!いた!
その名は土屋信子さん。たまたま上野で『宇宙11次元計画』という個展を、
見たことあるんですよ!びっくりした!
そして作風がまったく変わっていないたくましさよ!
(7年前とか時間の流れがこわすぎるしちゃんと作品を覚えてる自分も我ながらすごい…)
このお方、どれくらいの数の作品をつくっているのかわからないけれど、
それなりの点数の作品をそれなりの広さの会場で見てみたいなと思いました。好きです。




話は冒頭に戻り、私もドルヲタに戻りますけれども。


ミニョンくんと同じものを見てる!っていうだけで、
ミニョンくんこれを見たのか!って考えるだけで、めっちゃくちゃ最高に楽しかったです!
『猫オリンピック』(作品名です)の猫がミニョンくんに見えてくるんだよ…!
いやあれミニョンくんでしょ。


いやいやそれにしてもファンミニョンよ、聞きたいことがやまほどあるぞ。



ミニョンくん!!!!!!
アンドロイド社長、どうでしたか!!!!!!!!!



もう本人不在のイベント、というかVライブとかでいいんで、
アンドロイド社長の作品を見たミニョンくんの話が聞きたい、2時間くらい聞きたい。
まじでミニョンくんアンドロイド社長どうでしたか。スケべでほんとすまんね!


展示というよりは、「ミニョンくんの見た世界を見る」というのが目的だったとはいえ、
それのおかげでとくに目当ての作家さんがいるわけでもない展覧会が、
ふだんより100000倍くらい楽しめました。


それってやっぱり今回の展覧会が「撮影OK」というのが大きくて。
ミニョンくんが"カメラを向けて写真を撮った"ものを、
私も同じように"カメラを向けて写真を撮った"という追体験よ。
ミニョンくんは時間を共有する相手がいなかったのが残念だったとインタビューで言っていた*1けれど、ミニョンくんがこうしてインスタグラムに記録を残してくれたからこそ、
私はミニョンくんとあたかも時間を共有できたかのような不思議な気持ちになりました。
そして、やっぱりそれってすごく嬉しいし、楽しい。




ついでに展望台でやってるピクサーの展示もざっと見てきたけど、
展覧会の「展示」を見た直後だとワークショップ的な趣向のイベントに頭を切り替えるのは無理だってなっていうのを実感。
鑑賞と創作のスイッチは同時に入らないことを学びました。


でも展望台に何げなく寄れちゃうのもよかったし、
なにより森美術館は基本的に火曜日以外は夜22時までやってるしで、
そういうところも含めて、とてものんびりと、リラックスした時間を過ごせました。




ミニョンくん楽しかったよ、ありがとね!
ミニョンくん自身が、見て感じたそのときの感情をファンと共有したいと思って、
今回の展示の写真もSNSにたくさんアップしたというその気持ちが、本当に嬉しいです。


*1:'19.03 “ELLE” 4月号 ミニョン インタビュー 日本語訳 - ザッピング
yuさんが雑誌『ELLE KOREA』でミニョンくんがこの展覧会に訪れたときの日本でのひとり旅についてもがっつり語っている単独インタビューをとても素敵に訳してくださっています。必見。