ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

ボヘミアン・ラプソディ

すごく良かった…
「クイーンの音楽」が圧倒的主役の映画だった。
つくっているひとたちが「クイーンの音楽」を愛しているのがとてもよくわかった。


言い方を変えると「クイーンの音楽」に全振りというか、全てを預けているというか。
そういった意味でも、やっぱり「クイーンの音楽」を愛しているし、
愛しているがゆえに「信頼」しているのがめちゃくちゃ伝わってきた。


周りの大絶賛の波があまりにもすごくて、
自分だけノれなかったら悲しいなぁと、ビクビクしながら観たんですけど、
もう、映画が始まって「クイーンの音楽」が鳴った瞬間、そういうのはぜんぶ忘れました。
開始早々から「クイーンの音楽」と呼吸を合わせた力強いカットの応酬。
これはいままでに観たことのない映画だ!と、心のなかでブチ上がりました。
そもそも20世紀FOXのファンファーレがロック調にアレンジさされていたのがもうやばい。


一番不安だったのは「再現ドラマだったらどうしよう」っていうところだったのだけれど、
結構端折ってるんだろうなというか、余白がたっぷりとあって、
基本的に、つくり手の「クイーン像」というものを押し付けてこないんですよね。
テンポがよすぎで、ざっくりしていて、おもしろいくらい急展開の連続で。
それらもいま思えば「クイーンの音楽」が導いたものなんじゃないかと。
神格化されがちなモチーフものにありがちなスカした感じもなく、「わかりやすい」。
そういうところからも「信頼」がつくり手の「自信」になっていたんじゃないかなと思える。
レイトショーでの鑑賞だったけれど、老若男女でほぼ満員だったのも納得。


だから、漠然としか知らない私のなかにある「クイーン像」が壊れるわけではなく、
かといって(もちろんイイ意味で)更新されるわけでもなく。
ただただ「クイーンの音楽」をしっかりと摂取して自身に染み渡らせることができた。
すごく幸福な時間でした。
それは、ライブでもなくテレビでもなく、「映画館」という環境で触れることができたということが本当に大きい。


そういった意味でもこの映画は、"『ボヘミアン・ラプソディ』という「作品」"だったなと。
タイトルに数ある楽曲名の中から『ボヘミアン・ラプソディ』をチョイスしたのがすごい。
内容がほんと「それ」だから。
そして圧倒的に比重を置いた「クイーンの音楽」と、
役者さんたちもふくめ、製作陣が共鳴しているんですよね。
それは劇中でもたびたび出ていたまるで「家族」ということばのような。
率いられているわけでもなく、ついていっているわけでもなく、
ともに作品をつくる「仲間」のような。


音楽にはとんと疎いので、どう表現していいものかあまりよくわからないのですが、
とにかく"「クイーンの音楽」はすごい"。すごすぎる。
『Queen』のことはまだまだ知らないことだらけですが、私もともに歩ませていただきたいと思ってしまうのです。


「音楽」のパワーと、それを伝えてくれた「映画」のパワーと。
エンターテイメントってのは本当に素晴らしい。