ミーハーでごめんね

ヲタク気質のミーハーの忘備録。ネタバレ要注意。月別アーカイブを見られるようにしました。

"村上虹郎が出てそうな映画に村上虹郎が出てる"って思って観たけれど、
本当に"村上虹郎が出てそうな映画に村上虹郎が出てる"だけでは、っていう。逆にすごい。


前半はまじでただのそれ、「村上虹郎のイメージビデオ」でしかなくて、
まじでびっくりしたのだけれど、終盤・ラスト数分でようやく「映画」になったと思う。




「格好良い映画」がつくりたかったんだろうなぁ。
あの物語と村上虹郎だったら不発になることはなさそうだろうし。
村上虹郎に銃、持たせたいよね~わかる~。



スチールだけで、こんだけ物語できちゃう。


ただ、残念ながら「格好良い雰囲気の映画」に終わってしまっていたように感じたし、
"物語という素材"も"村上虹郎という素材"も、
せいぜい5分の1程度くらいしか生かせていなかったんじゃないかな。


いろんな意味で学生さんが撮ったのかなと思うくらいだったのだけれど、
終盤は物語が、にじろーも映画もひっぱってくれた感。原作(未読)、ありがとう。




ストーリーはおもしろかったんだけどな。
終盤が本当に良かったので、なんであれが全体に行き届かなかったのかが疑問でしかない。


作品のファーストインプレッションはすごく良くて、
映画の存在感というか、すごく唐突に始まる感じが、
わっ、と(私の)日常に突然非現実が現れたっていう異物感があってすごくよかった。
期待通りだと思ったし、わくわくした。
だからこそどんどん映画の脆さが露呈されていく様子にこちらが恥ずかしくなってしまった。


いや~それにしてもだけど映画が下手すぎでは…
あんまりにあんまりでモノクロ演出も技術不足を補うための逃げみたいに感じてしまった。
けれど画のコントラストがやさしくてつるりとしていて、よくある"過度なモノクロ映像"ではなかったので、「そういうの」ではないんだなとはちゃんとわかったけれども。


カラーの世界はそれはそれで独特な彩度と温度感があってすごく綺麗!って思ったけれど、
あれはやっぱりモノクロの世界のあとに見たからなんだろうか…
そこに限って抜群に映像としてよかったのでますますよくわからないし、
なんで全編このクオリティでいけなかったものかと頭抱える…本当に惜しいし勿体ない。




にじろー、好きだし、終盤は本当に良かったんだけど、
映画に馴染むまでにかなり時間がかかったかな。良くも悪くもクセがつよい。
正直、菅田将暉くらい器用だったらな~とか思わずにはいられなかった。
でもあのちょっとスカしてるようなそうでないような雰囲気はにじろーだからこそだと思う。
にじろーはすごく素敵な俳優さんだと思うのだけれど、
本当に「素敵」がすぎるがゆえに当人の雰囲気が強すぎて、
これからは作品・制作側との出会い次第だなぁという感じ。
今回は前半はヘタクソでは?、と思ったけど、終盤はやっぱりそんなことないよなーいい俳優だよなー!って。


とーちゃん(村上淳)が出てきた件は、
これが文句なしに「素晴らしい!」と思えるものだったら作品に自信がある(=「遊び」の要素)んだろうなーって素直に思えたのだろうけど、
全体を通してのこのクオリティで出てきたら、単純に「宣伝文句」が欲しかっただけではとしか思えなくて残念だった。
この親子、というか村上虹郎の家族関係って好きなんです。
当人たちに「有名人家族」だっていう気負いがまったく感じられなくて、
バラエティー番組にも一緒に出るし、メディアでお互いに家族の話も積極的に話すし、
お高くとまらずに世間に対してフランクな姿勢でいるところとか。
そしてふたりとも役者として魅力的。
だからこそ作品を責めてしまう…そこは本当に申し訳ないです。


リリー・フランキーはもはやきっちり仕事をしているという感じ。
リリーさんは好きだけれど、あまりにもリリーさんがいろいろやりこなせるうえに、
リリーさんにしかできないと思わせる実力が、かえってマンネリ感がある。
もう「リリー・フランキーが刑事を演じる」って聞いたらだいだい想像つくもん。
不安定な映画の重しの役目はしっかりはたしていたけれど、もっと他に役者さんはいなかったんだろうかと。


広瀬アリスの演技も好きなんだけど、彼女の演技って「陽」だし「元気」だし「健康」。
それが活きる映画もたくさんあると思うし、
今作でだって差し色みたいな存在感にもなり得たと思う。
でも今回は作品が彼女の明るさを受け止めきれず、
たんに浮いていてヘンテコなキャラクターに見えてしまった。


セフレの女の子ももうちょっといい子いたのでは。
とにかく岡山天音がめちゃくちゃ頼り甲斐がある役者さんで本当に助かった。




商業映画としてギリギリ、というか、よくもまぁ全国公開に至ったなって感じだったので、
なぜ全編が終盤のようなものにならなかったのかなぁとか思っちゃうんだけど、
はたしてこれが限界だったのだろうか。惜しいな~勿体ないな~。


河瀬直美監督の『Vision』で、『LDH pictures』の表記がどっかーんと出てきて驚いたけれど、
今作はどっかーんと『吉本興業』という表記があり、またもやびっくり。まじか。
さんざん文句言っておいて矛盾しまくりなんですけど、
多様な映画をこうして観ることができるのも、
個人的に映画の印象があまりない企業のおかげかと思うと、そこは素直に感謝せねば!です。


はやく"次の「村上虹郎」"が見たい。