町田康による原作は未読ながらも、このカバービジュアルはよく覚えている。
- 作者: 町田康
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/10/01
- メディア: 文庫
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スチールの衣装を手掛けたのが北村道子さんっていうのもなぜだか知っている。
そんな記憶の片隅に眠っていた小説が映画化ですって。
監督の石井岳龍氏は「誰?」って感じだったのだけれど、
かの石井聰亙監督が改名(!)した名前がそれなのだそうで!知らなんだ!
紀里谷和明が撮影したイメージビジュアルは、
…まぁ残念ながらそんなわくわくは見事に打ち砕かれましたね!
知ってた!邦画あるあるな本ポスター・チラシのビジュアルを見たときには察してた!
なんか悲しかったんですけど。
石井監督の作品は観たことはなかったのだけど、
私がよく監督の名前を目にしていた当時の評判にあった煌めきみたいなものは感じられず。
勝手に三池崇史の『愛と誠』みたいなのを期待していた私も悪い。
映画自体はぶっ飛んでたし、ぶっ飛ばしてたし、頑張っていたけれど、クールじゃない。
それがなんだか痛々しく思えてしまった。
宮藤官九郎がメジャーアイドルレベルに有名なので矛先がそっちにいきそうだけれど、
やっぱりゆーてもそこじゃないのでは。
そうでなくとも、とにかく終始、ズレているように感じてしまって、とにもかくにも惜しい。
コミカルでテンション高めなノリのなかに差し込む、
突きつけてくるかのようなえぐい表現があまりうまく作用していないように感じたり。
そのミスマッチ感が好きなひとは好きなのだろうけれど、
個人的には、な~んか「この感じはいやだ~」ってところが多々ありました。
役者はすごくよくがんばっていて、よくついていっていたと思う。
北川景子は某作品ではへっぽこ演技すぎてびっくりしたけど、本作ではとてもよかったし、
東出昌大はいつもの棒読み演技が役に合っていてめちゃくちゃよかった。これはすごい発見。
豪華キャストがちゃんと仕事していたからこそ、それ以外のアラが目立つというか。
「全員主役」とまでは言わないけれど、
登場人物の作品への貢献度ってけっこうみなさんそれぞれどっこいどっこいだったと思うのですよね、これは良い意味で。
だからこそ、先に出たスチールのイメージで、メインキャストを同列に推しだしていたのが理解できるというか。
ハナシ自体の壮大なんだかしょーもないんだかよくわかんない感じは好きだったので、
本ビジュアル(本チラシ)やへんな宣伝コピーには、改めて違和感がありまくり。
"『シン・ゴジラ』くらい"とまではいかずとも、
イメージビジュアルを使用した先行版のチラシくらい、ぶっきらぼうでもよかったのでは。
でも、まぁ映画の内容からして、「そこ」で勝負するにはちと不安はあるのでしょうね。
お察しいたします。
でも~~~~~~~~~~!
最近やけに「海外版の日本映画のポスターがセンスいい」といいながら、
日本の映画の宣伝ビジュアルをけなすポストをよく見かけては勝手に悔しくなっております。
その気持ちもわかるからこそ余計にな。
映画は、ラストがすごくよくて、
ラスト数分で、ようやくきたーーーーーーーー!!!!!、って感じでホッとしました(涙)
めっちゃカッコいいラストで、あれでギリ金返せレベルじゃなくなった感じ(涙)
ズバリ、「パンク侍、斬られて候!」と声に出したくなった、このときを待っていたのよ…!
主題歌に『セックス・ピストルズ』の楽曲を起用するなど、
音楽は劇中の時代劇風ビジュアルとロック音楽などをはじめとしたバラエティに富んだ選曲が絶妙で、楽しかったです。
ナレーションだけならちゃんとそれなりにおもしろかったので、
読んではいないけれど原作の"「文章」の世界"は素敵なんだろうなぁとは思えました。
クドカンがどれだけ脚色したかわからないけれど、ホンはそんなに悪くないのではと。
やっぱり製作面でうまく連携とれなかったのかなぁとか思っちゃったりしたのですが、
そーゆーとこはとくに想像させてほしくないっす。