ミーハーでごめんね

ヲタク気質のミーハーの忘備録。ネタバレ要注意。月別アーカイブを見られるようにしました。

Vision

すごい、これ商業映画というよりは、まるでアートだった。
そんな「まるでアート」にも関わらず、豪華な映像・豪華キャストのこの作品を、
なぜこんな片田舎のシネコンで観ることができたのか。
なぜならそれは配給が『LDH pictures』で、
エグゼクティブ・プロデューサーがEXILE HIROさんだからです。
ラブ・ドリーム・ハピネス、やばくない?


観たひとがお金を払ってこそ成り立つ商業映画だけれど、
今作はとてもじゃないけれどそういった雰囲気のものではなくて。
"河瀬直美監督がただただ表現手法として映像を用いたアート作品"という感じ。
それでも河瀬監督にとっては「映画」でしょうけれども。
そんな作品に莫大な製作資金と全国配給をあてがったのがLDHかと思うと震えませんか。


本編が始まる前の本当にど頭に『LDH pictures』のロゴがどーんとでてきて、
だからがんちゃんなの!?、とか河瀬直美とLDHがまったく結びつかない私はどうした大丈夫か河瀬直美!!!!!、と大混乱に陥ったのだけれど、
観終わったあとはただただLDHというかHIROさんすごいやばい、っていう気持ちに。




映画そのものはすごかった。
…でも「すごかった」以外のことばがなかなか出てこない(笑)
美しい、幻想的な文章を、その文章のとおりに映像化したかのような。
文体はたぶん村上春樹。セックスのタイミングとかめっちゃ村上春樹。
(いや、脚本自体は河瀬監督なんですけどね!わかってるから!)
映像はすごく綺麗だし、シーンのひとつひとつに緊張感があってセンスがいい。
トンネルのカットは大好き。


ただそれらは本当に「河瀬直美の世界」なのだ。


河瀬監督の作品は初めて観たので比較はできないのだけれど、
本作はどちらかというと美術館の展示でよくある2時間越えの映像作品て感じなのである。
それぐらい、映画はまるで「河瀨直美の世界」だった。


ストーリーも、頭ではわかるのだけれど、
いかんせんそんなこんなで私のエンタメ中枢には入ってこなかった。
だからこそ、そういった映画が片田舎のシネコンにも存在するということは、本当に素晴らしいことだと思う。




「錚々たる」ということばがぴったりのキャスト陣。
夏木マリとかはもう役者さんというかそれこそ表現者そのものだし、
美波ちゃんもすごい演技するし、全体的に本当に「錚々たる」ということばがぴったりで。
そのなかでとくにがんちゃんが浮くこともなくて素直に感心してしまった。
むしろ、がんちゃんに「俳優・岩田剛典」としてまっさらな視線を向けることができないのが申し訳なかった。


ジュリエット・ビノシュさんのことは「超有名女優」ということ以外はよく知らない。
けれど、さすが、「錚々たる」というなかの中心にいることにすごく説得力があった。
永瀬正敏は、個人的に映画『パターソン』のイメージを引きずってしまっているせいか、
どうしても胡散臭く感じられてしまって(笑)
今作はセリフのクセが強いと感じたのだけれど、永瀬正敏に関してはそれが余計に胡散臭さを増長させるという。


そう、セリフのクセがまじですごい。
「錚々たる」な役者さんたちが驚くほどに馴染まないことばを発しているように感じた。
そういうところである。




そういうものに意図せず触れることができた喜びはあるけれど、
なにせアート然としているだけに、映画自体となにかを通わせることはできなかったのだ。




そういった作品を商業映画として配給、それを可能にしたのがLDHって!
ちょっと日本の大手映画配給会社さんは情けないと思いなさいよ!
サービス過剰なへっぽこ邦画(私比)に大金かけてる場合なの!?
LDHのほうが「映画」というコンテンツの可能性を信じてるじゃん。


LDHってメディアでのアプローチがパワフルすぎて苦手なひとも多いけれど、
少なくとも所属タレントはめちゃくちゃ愛してるイメージ。
『HiGH&LOW』シリーズがあそこまでの作品になって、
映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』(ザム2)では、
日本映画であんなアクションシーンが撮れるのかと映画ファンを驚かせたくらい、
ものづくりをも愛し、真摯に真剣に取り組んでいるイメージ。


ライブビューイングで観た『HiGH&LOW -THE LIVE-』は、
東京オリンピックのイベントはLDHがやればよくない?、って本気で思ったほど。




LDHが先に決まったのか、がんちゃんが先に決まったのかはわからないけれど、
私が今回純然たる「河瀬直美の世界」に触れることができたのはLDHのおかげなのだ。
ラブ・ドリーム・ハピネスすぎる。


さすがHIROさん。
だって、HIROさんは上戸彩が選んだ男だぜ?