ミーハーでごめんね

ヲタク気質のミーハーの忘備録。ネタバレ要注意。月別アーカイブを見られるようにしました。

君の名前で僕を呼んで

薄暗い土砂降りのなか、劇場に着いた。
観終わったらすっかり雨は止んでいて…どころか、ど快晴だった。
まるで映画を観ているあいだに一晩過ぎたんじゃないかと思うほどだった。(実話)


そういう感じの映画だった。




多方面に怒られそうだけど、すごくいいBLだった……




めちゃくちゃ緊張して観ていたので疲れがすごい。
あの緊張感のある、繊細な世界をドキドキしないで見ることができるひとはいるんだろうか。
それをつくりだしているのは美しい画はもちろんのこと、音楽の効果も大いにあると思う。
美しい世界にある危うさに、撃ち抜かれる。




ううう…いいなぁ恋っていいなぁ…ひとを好きになるって美しいなぁ……




本当に「美しい」と思った理由は、異性愛者とか同性愛者とか、
そういったことはまったく関係なくて、ただ、好きになった相手が同性だった、
そして、相手とその気持ちを通わせることができたことを、極めてシンプルに表現していたからだと思う。
カップルの関係性は性別がどんな組み合わせであったとしても成立するものだった。
あえて今回のような組み合わせだったことで、より美しく感じられた点はあざといと思うし、だからこそ私はBLだと思った。
恋愛のリアリティを描くならこんなに美しくはならない。
美しすぎる、美しいからこそ、これは創作物だと感じた。
「美しさ」の合わせ鏡のように、わりと身体で解決しちゃうところもある意味潔い(笑)
オトコってのは…!オトナってのは…!、みたいな素直な描写も、しょうがねぇなぁかわいいなぁと思えた。




そもそもな。
エリオ(ティモシー・シャラメ)もオリヴァー(アーミー・ハマー)も、
単純にルックスが美しいのである。
ふたりともめちゃくちゃ魅力的なのである。
なんということでしょう。


メインビジュアルにも用いられている"イエローの文字"は、

オープニングとエンディングでもとてもよく効いていて印象的。
(どちらもソークール!、だった)


ふたりとも演技がまじですごい。
フィクションの映像であることを忘れてしまう。




私はBLに関してはどうしても自分の性的欲求を混ぜてしまいがちで、
本当にそういう意味では「壁になりたい」と言い切れる腐女子先輩たちの足元にも及ばない想像力の乏しさなのだけれど、
生まれて初めて思ったかもしれない、まじで壁になりたいと思った。


というか、壁だったのかもしれない。
これは壁にならざるを得ないんじゃないの。




腰履きのトランクスを初めとし、短かすぎるショートパンツからの露出などもエロすぎでは。
基本的に、リゾート感たっぷりで男性の上裸がナチュラルな姿であることがそれはもう私の日常とはかけ離れており、その異世界感にくらくらした。
性について家族のなかですごくわかり合っているような雰囲気も。
そういった部分を見せつけられたように感じて、恥ずかしい気持ちになってしまったり。


なんというか、絶対にエリオが傷つかないというエンドはないだろうなとは思って観ていた。
「傷つく」といってもいろいろ種類があるけれど、側から(というか、壁から)見るぶんには、それは甘酸っぱいというか、しょっぱいというか。
恋愛におけるそういった類のものだったのでまったく嫌なものではないように感じた。
いや、作品の中で生きるエリオにとっては全然そうではないだろうけど。
ほら、今回私は壁だったので。




先日、友人に付き合ってブックオフのBLコーナーに行ったのだけれど、
そこにそびえ立つBLの棚を見上げて思わず口からでたことばは、「これはロマンだな…!」。
本作もまったく同じことばを声に出さずにつぶやいた。