ミーハーでごめんね

ヲタク気質のミーハーの忘備録。ネタバレ要注意。月別アーカイブを見られるようにしました。

犬猿

おもしろくて、とても楽しく観てしまっていた。
ひとごとじゃない部分もあるのになぜか自分とは関係のないことのような気にさせるのは、
ちゃんとエンターテイメントになっているからだと思う。
センスもいい。かといって「センスいいでしょ?」というあざとさもなくて、絶妙だな〜と。
センスはいいけれどカッコつけていないのが、大人の仕事だな〜と思いました。


終盤のまったく笑えない部分を「いやこれは笑うだろ!コントかよ!」っていうような展開に仕上げていたのはお見事だった。
そしてこのまま穏やかな雰囲気で、これで終わるの!?それでいいの!?、というこちらのお節介な不安を見事に裏切ってくれる、すごく気持ちのいいラストでした!


なのですけれども。


観終わってしばらくすると、どんどん口角が下がってきて卑屈な気分になってくる。
見ているあいだはひとごとなのに、作品から離れると自分の持っているどこかが、すごく気持ち悪くなってくる。
その「どこか」は自分でも、ええ、わかっていますとも。
いま、すこし胸糞が悪い。






主人公(なのかな?)・和成を演じた窪田正孝はほんとうにすごい。
あんなに忙しくて、社畜かもしれないけれど、
窪田くんの演技の質をちゃんとレベルアップさせる仕事を与える事務所もすごい。
窪田くんはイケメンなはずなのに、和成は嫌なやつだし、ダサいし、とにかくうまい!
キャラクター的には、バッキバキな身体は見せないほうがよかったかな。
なにより、地味になりそうな作品にしっかりとそうじゃない存在感を纏わせたのは窪田くんの立派な功績かと。
これぞ、主役の役割・主役の仕事という感じで、さすが窪田正孝!って感じでした。


筧美和子(真子)は、あの甘ったれた感じの演技が逆にすごくリアルでよかった!わかる!
真子は薄っぺらそうに見えちゃうけど、実はかわいいバカなんだよな~~好きだよ~~~。
真子の姉・由利亜を演じた江上敬子(ニッチェ)もすごくよかった!愛おしい!うまい!




なりふり構わず一生懸命にいまを生きている登場人物たちのなかで、
和成の兄である卓司だけが、最後までいやいやだめだめじゃん(笑)、って感じがどこかかわいらしくてよかった。
ちょっとゆるキャラ感があった(笑)
そんな卓司を演じたのは、こちらもさすが新井浩文。


ふたつの兄弟・姉妹を隔てる見えない線がしっかりと引かれていたのも効いていた。
その境界線を絡ませすぎずに、卓司だけがちょっと違う世界にいることで、
登場するたびに異質な雰囲気をぶち込んでくるというか。






映画『ヒメアノ〜ル』、話題になりましたよね。
私はこわいもの見たさで観たいと思いながらも結局普通にこわくて観ていないのですが。
そんな『ヒメアノ〜ル』を手がけた吉田恵輔監督の、オリジナル脚本・監督作品だそうで、
なるほど、うまいんだなこの監督は!、と思いました。
また機会があったら吉田監督の作品を観たいです。他の作品はわからんけど。
ただし本作くらいのマイルドさでお願いします…ビビリなもので(恥)