ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

キングスマン:ゴールデン・サークル

前作が日本で公開されているときにはすでに続編制作とのアナウンスがあり、
楽しみに待っていたのでした。




で、観たんですけどね、、、、、


ちょ、ちょっと待って。
私の記憶のなかの『キングスマン』に望まないものを塗りつけられたような気分です。




"完結できるのに人気があるからだらだら続いている長期連載中の少年漫画”って感じで。
つくり手も自らがつくりあげた世界をたいそう気に入っているのだろう、やりたいほうだい。
残念なのはそこに「エンターティナー」の姿が見えてこないこと。
だからこちら(私)との疎通がうまくできない。悲しい。
逆にいうと、キャラクターや設定を愛しているひとは萌えられると思うし、
両手を広げて受け入れることができるのだと思う。


けれど"やりたいほうだい"やっているからこそ、
「このシーンはい終わり!」ってなったら、
あっさりと(いろんな意味で)木っ端微塵にぶっ壊して、
「はいはい次行くよー!」みたいな、自分のつくったものに愛を理由に執着しないスタイルは気持ちがよかった。




展開がめちゃくちゃに早いのはぜんぜんアリだと思うのだけれど、本作はただただ雑な印象。
「あれがやりたい!これがやりたい!」、ストーリーはそんなカットをか弱く繋げていてなんとも心もとなかった、、、、どんまい。
魅せることにこだわってるところにしかあんまり手が届いていなくて、
とくに敵方の描写や周りの様子なんかはかなりふんわりしていて、
彼らがどうしてとかなにがしたいとかがよくわからない。
怒涛のスピードのなか、よくわからないまま始まり、よくわからないまま終わった。。
スケールがでかいわりにはハリボテ感満載の景観のビジュアルなんかもシュールだった。
あんまりそこにも興味がないんだろうな(笑)
と、そのかわりにまったく重苦しくなくて、しんどさ皆無だったからこそ、
2時間半くらいの長尺だったにもかかわらずラクに観ることができたという。


でも、うわー最高にバカバカしいー!!!!!、って、
(私が)大喜びするくだりもあったりして、そこは通じた感。
けれどそれはマグレのホームランみたいなもんだと思う。
それでも私は好きだから好きなんだよ!、っていう。説得力がないのがくやしい。




ヤベーヤベー(悪い意味で)と思って観ていたけれど、
敵陣にエグジーとハリーが乗り込んでの戦闘シーンはかなり楽しかったです!
よかったー!楽しいー!よかったー!、って立って拍手したいくらいの気分だった(涙)
結構バイオレンス描写があるのにポップに昇華できるのはさすが『キングスマン』って感じ。
泣く。(泣かない)


バッキバキのキレッキレでスクリーンも大暴れのアクションシーンにおいて、
エグハリがあのお姿で、バカみたいな(超褒めてる)超カッコいい改造武器を駆使して応戦しているのがまじで楽しかった。
ああいう対戦ゲームありそうだしつくられそうだし、でもつくらないだろうからクール。
日本がゲームつくったけど、パズルゲームっていうセンスが残念。


でもなー。今回は、私のなかの少年があまりうずかなかったんだよなー。




いちばんショックだったのは、
タロン(・エガートン)ちゃん、いやエグジーが、ぜんぜんかわいくなくなっていたこと。
これ個人的に一作目でいちばん重要なところだったので(涙)
逆にコリン・ファース様、いやハリーがすごくかわいかった。逆転現象。


ジャパンのハリーも最高すぎるしぃ!



ハル・ベリー驚きの51歳の美貌も凄まじかったけれど、
ジュリアン・ムーアのしっかりと年齢を重ねたことが表れているからこその色気や女性らしさ、相反するあどけなさが際立っていて最高だった。
それぞれ「ジンジャーエール」とか「ポピー」とか、
ふわふわとしているけれど切れ味のいい役名がピッタリすぎるし、絶妙。
それにしてもこのハリウッドの大女優様たちがこんなゆるい、というか安い役をよくまぁという気もする。


エルトン・ジョンの功績がでかすぎる。
むしろエルトン・ジョンがいなかったら、まじでただのおバ〇映画になっていた気がする。
スーパーセーブ。大役。


でも、今作はなんといってもマーリン(マーク・ストロング)です!!!!!!!
もう、マーリンが主役みたいなもんだった。マーリン。




「な!?これでちゃんと終わるから大目に見てくれよっ!」みたいな、
たしなめられるようなラストがちょっと悔しい。
でもさ、そもそも本作でなにが「紳士」でなにが「マナー」なのかよくわかんないし、
わかんなくていいんだろうな、とも思ったりもする。
ちょっと構えすぎていたのかもしれません。


でもコリン様、いえハリー様がスーツをお召しになっている御姿を拝めただけでも、
さらにそれでいて素晴らしいアクションをスクリーンで見ることができただけでも、
本当に本当にありがたいことなのです。
ありがとう、『キングスマン』。