ミーハーでごめんね

ヲタク気質のミーハーの忘備録。ネタバレ要注意。月別アーカイブを見られるようにしました。

沈黙‐サイレンス‐

遠藤周作による原作未読+スコセッシわからん状態でなんとなく観た本作。
エンタメどっかんどっかんな映画が好きなので、
決してタイプの映画ではありませんでした。
全編トーンがあまり変わらないので、やや退屈でもありました。
例え残虐なシーンがあったとしても、まったく揺さぶられない。
でもそれがすごく効果的で、常にこちらをフラットな目線でいさせてくれる。



でも驚いた。


漂う空気、気候や湿度や温度が日本のそれそのものだった。


ものすごいリアリティがあった。
リアルに感じられた。
本当にそれがすごかった。




心だけじゃだめ、形式にこだわるかの時代を想った。
日本人以外の監督が描く日本にこんなに「日本」という国のかの時代を感じさせられるとは思わなかった。
本当に海外のひとが撮ったのか疑うレベル。
最近の邦画における日本人が描く「日本」の滑稽さはなんなんだろうとも思う。
これは不思議な感覚だった。


画づくりに対するこだわりはビシビシ感じた。
最小限の音の選び方からも鍛錬された映画づくりなのがよくわかった。
非英語圏の日本ながら雰囲気で"英語を扱うことに違和感のない状況"がしっかりと提示されていて、説得力があった。


原作にはかなり忠実だそうなので、それに引っ張られた部分も大きいかもしれない。
そうとうな原作へのリスペクトがあったと思われる。
マーティン・スコセッシ監督が構成から練ったそうで、
日本を描くにあたって"日本を映像にする"ためにかなり勉強したと思うし、いろいろと趣向を凝らしたのだと思う。
だって本当に何度も言うけど日本人以外が撮ったとはにわかに信じがたい出来なんだもん。
なんてったってロケ地は台湾だし!えー!




キチジローが好みのキャラクターすぎて、窪塚洋介が最高だった~!
浅野忠信のいやらしい演技も冴えていた。(褒めてる)
日本人キャストのカタコト英語も逆にリアリティがあって個人的にはよかったと思う。
さすがスコセッシ監督のお眼鏡にかなっただけあって錚々たる布陣だった。
そこに小松菜奈ちゃんがいたことはたぶんこの映画のいちばんの謎。
主演のアンドリュー・ガーフィールドくんはストイックな激シブの演技で魅せてくれました。




ラストが惜しかったかな。
そこ、そんなにわかりやすくしちゃっていいの?って感じ。
作品の濃度が一気に薄くなった気がします。
また、ラストへ向けての終盤の展開も悪い意味で淡々としすぎていて、力尽きた感が。
でもその淡々さが、無力感や絶望感の演出になっていた気がしなくもないのでこれはこれでよかったのかな。(どっちだよ)


「沈黙」というタイトルには最初は違和感があったものの、観終わればなるほど。
救いであるはずのもののそれが残酷なものに変わるその静かな時間は、
エンドロールで痛いほど突き刺さった。