ミーハーでごめんね

ヲタク気質のミーハーの忘備録。ネタバレ要注意。月別アーカイブを見られるようにしました。

ルーム

原作小説があるそうですね。相変わらず、読んでいません。


すごく良い映画でした。観てよかった。
(扱っている事件は最悪でしたが)
監禁から開放された主人公親子・ジョイとジャックが様々な変化や刺激を受ける、
その繊細な様子がとてもよく描かれていて、こちらにもそれが染み渡ってきた。


たくさん流した涙は"「へや」の外"を知っている気になっている自分が、
ジョイとジャックを「可哀想だ」と思うことより、
ひとが初めて触れるものに対する反応の鮮やかさを自分も体験したことがある懐かしさからくるものだったような気がします。
そのくらい、「変化」がよく描かれていました。


最近、日本でも「監禁されていた」などという旨のニュースがありました。
それにまつわる様々な論客の好き放題のコメントを受けて、SNSなどで憤慨しているひとをよく見かけました。私もそれに同調しました。
本作でいちばん醜いと感じたのが、そういった事件を食い物にするマスコミの姿でした。


たまたま物語の主軸がジョイとジャックのふたりの人生だっただけであって、
その周りにスポットライトが当たったとしても十分にドラマが成り立つくらいひとの人生を想うことができました。
そして、"自分以外の人生は自分以外わからない"のだと、当たり前のことを再確認。




母役・ジョイを演じたブリー・ラーソンの演技が素晴らしかった。
「へや」ではすべてを諦めたような暗い瞳をしていた彼女が、
知っていたはずの"「へや」の外"での変化に翻弄される姿は胸が痛んみました。


でもジャックは違った。
産まれてからずっと「へや」で過ごしてきたジャックの世界は「へや」がすべてだった。
ママがずっとそばいた。何不自由なかった。(きっと)幸せだった。
"「へや」の外"に出ては何度も「へや」を懐かしんだ。


そんなジャックを演じたジェイコブ・トレンブレイくん、もんのっすっごかったですよ。
現実世界で"「へや」の外"を知っている子役の演技とは思えないくらい、もんのすっごかった。
あとね、、これ言うと、ただでさえ拙い感想のすべてが台無しになるとおもうんだけど、めっちゃめちゃ可愛かった。
演技から感じられるジャックのまっさらな心象風景が、カメラワークなどの演出とあいまってとっても真に迫りました。




映画のつくり方に関してはあまりどうこう言えないくらいに題材がハードだったと思う。
だから「もし自分だったら」、と頭の片隅にあるのなら、そういうところにケチをつける余裕などない。
私には、「もし自分だったら」が、本当になってしまうかもしれない恐怖がありました。
そこで思考や感覚が消えるかどうかで、映画の受けとめ方がだいぶ別れるはず。


一方で、「リアリティーがない」とか「よくあるハナシ」とかで片付けてしまうひとを見かけては、驚くほかありません。
(いちばんびっくりしたのが「こどもがうるさい」ってゆーの)
けれどそれは、ふだんとらわれているものによって痛みや喜びが異なり、それが感想の違いのうちのひとつになるんだろう。
これは日頃のあれやそれやにも通じるよなぁ。
たぶん、『マッドマックス』を観たときの私は「そちら側」だったんだよなぁ。
そんなことを思いながら。