ミーハーでごめんね

ヲタク気質のミーハーの忘備録。ネタバレ要注意。月別アーカイブを見られるようにしました。

武道館

原作は読んでいません。
原作は話題になった朝井リョウによる小説『武道館』。


"「アイドル」とその恋愛"にまつわるアレコレを描いたそれを、
『Hello! Project』の全面バックアップで実写ドラマ化した本作。


"朝井リョウ×ハロプロ"。


と、いう強力タッグが生まれた本プロジェクト。
朝井リョウ自身がハロプロのファンであることや、
劇中に登場するアイドルグループ『NEXT YOU』をハロプロ所属アイドル『Juice=Juice』が演じることで、
界隈はそれなりに盛り上がっていたのではないでしょうか。




これって"アイドルあるある"だよね?




"アイドルあるある"を詰め込んだ感じはアイドル好きとしては素直に楽しめていました。
30分弱という尺の短さも、気軽に見れました。


逆に言うと、それがゆえに、5話くらいまでは企画モノっぽさが拭えず、
いわゆる「アイドルドラマ」の域を超えない印象を受けていました。
明らかな低予算っぷりにも拍子抜けだったりして。




ところが、第6話、主人公・愛子が幼馴染の大地と結ばれることで、
ストーリーがドラマとして一気に熱量を帯びます。


「歌うことが好きで、踊ることが好きで、どうして人を好きになっちゃいけないの?」


本作は連続ドラマです。
そこに至るまでの主人公・愛子の「生活」=「人生」のかけらを見てきたこちら側は、
その問いに堂々と反論することができない。
完全に情が移っている。


私のなかで、いつしかこのドラマはどんなアイドルのドキュメンタリーより生々しいものになっていったのでした。




私は「アイドル」の表面しか見ていないほうだと思います。
内面にはあまり興味がないほうだと思います。
そのかわり、その「表面」に綻びを感じたとき、眉をひそめます。


みんな、アイドルが好きだからこそ、それぞれの「アイドル論」や理想の「アイドル像」があるのだと思います。
それと"生身のアイドル"を天秤にかけることはなんて残酷なんだろうかと。


そしてアイドル自身の持つそれは「プロ意識」としてファンに受け入れられる。
結局はファンは自分の都合のいいように「アイドル」を解釈するしかないんです。




原作は読んでいないけれど、原作の結末はなんとなく知っていました。
愛子は武道館のステージには立たないことを選択しました。




ごめんね。




わかってあげられなくて、ごめんね。
でも仕方がないの、「アイドル」が好きだから。


ファンだって、「アイドル」の幸せだけを望むなら、正解はわかってる。
でも、正解がわからないふりをするのも「ファン」だからなんだと思う。




また、"アイドルの恋愛"に傷つくのは、ファンだけじゃないことも最終回で実感しました。
同じグループの「メンバー」が「私たちのことは考えなかったの?」と愛子に詰め寄るシーンは、胸に迫るものがありました。


そんなアイドルの物語を実在のアイドルが演じるわけですから、
終わってみて、とんでもないものを見てしまった!、感がすごいです。
最初はかるーーーい気持ちで見てたのに。




愛子を演じた宮本佳林ちゃんの演技、とってもよかったです。
Juice=Juiceのメンバーのなかで頭ひとつ抜けて上手でした。
すごく自然で、それがまたこちらの心をぎゅっと締め付けます。


Juice=Juice、みんな平均的に演技がうまくて驚きました。
大地役の吉沢亮くんもうまかったし格好良かった。アミューズの俳優さんなんですね!
小出恵介の役はつんく♂をイメージしたんだろうけど、なんかやけに胡散臭かった(笑)




本作が苦しくなってきたあたりに、自分なりの思いを綴ったツイートが、
本物のあるアイドルちゃんに「いいね」されました。
私はそのアイドルを知りませんでした。一般的にいえば、まだ無名のアイドルです。
私みたいな一般人のツイートに「いいね」してしまう程度のアイドルです。


けれど、そこでハッと気が付きました。
このドラマ、現役のアイドルちゃんたちもたくさん見ているのだということに。
アイドルが憧れるハロプロのアイドルのこのドラマを、「アイドル」たちはどのように見ていたのだろう。


そんなことを思っては、またふと、「ごめんね」と思わずにはいられませんでした。