ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

ヘイトフル・エイト

クエンティン・タランティーノ監督の新作、観て参りました。
8作目だそうで!意外と少ないんだね!!???
日本の名前の売れてる(=重鎮というわけではない)映画監督なんかはもっと撮ってるイメージがあるのでびっくり。
もう倍以上の数は撮ってるものだとばかり思っていました。


種田陽平さんが美術監督なのですね~。(『キル・ビル』でも務めたそう)
オープニングで名前が出てきてびっくりしました。




タランティーノ作品との出会いは、前作『ジャンゴ 繋がれざる者』
要するにタランティーノ作品は2作品目の超ド新規です。


でもね、これは言わせて。




タランティーノ、最高!!!!!!!!!




『ジャンゴ』も大絶賛だった私ですが、本作も、じゅうぶん期待に応えてくれました!
やっぱり私、タランティーノ作品と気が合うわ!めっちゃくちゃおもしろかった!!!!!


気がついたらずっと冷や汗かいてた!
そらもう血まみれのぐっちょんぐっちょんだったんだけど(笑)、
タランティーノ作品は「エンターテイメント」のパワーが勝つ!!!!!すごい!!!!!
(当方グロやバイオレンスは苦手です)




状況劇で3時間、飽きないかなー、って思ってた。
最初の30分くらいこれが3時間続くのかーダルいなー、って思ってた。


だがしかし、タランティーノはやってくれる!!!!!
ザッツエンターテイメント!!!!!


終わってみれば、とても3時間とは思えなかった。あっという間だった。
退屈な部分は唐突に終わり、そのあとはジェットコースタームービー。楽しい!


表現は残虐っちゃ残虐なんだけど、人間関係の描きかたがいい具合に乾いていて、エンタメの要素が勝つ。
登場人物の誰にも感情移入できない!(自分の)心の寄せどころがない!
だからひたすらに傍観者でいることができる。楽しい!


アクションは思ったより地味だった気がする。
でもそれは「状況劇」と把握してたので無問題。
それにも関わらず、ドンパチの魅せ方は派手!
血しぶきも容赦ないのですが、目を覆う間もないスピード感!テンポの良さ!楽しい!




カットや音など、とにかくセンスがイイ。
製作費は50億(!)だそうです。それを使ってタランティーノがやりたい放題という(笑)
さすが、お金をたーっぷりかけただけある仕上がりでした。


よく言われている(らしい)タランティーノ作品の"無駄な会話劇"なのですが、
『ジャンゴ』のときも思ったけれど、「無駄」な部分なんて見つからなかった。
ぜんぶ「必然」と感じました。一挙一動に意味がある。


章分けされた構成も、わかりやすくて良かったです。
前半は、かなりこれに助けられた。


で、これ西部劇だったの…?(小声)
南北戦争や黒人差別など、歴史をなぞってはいるものの、
不思議とそこはこの世のどこかではないようなファンタジックな世界観に感じました。
これは"閉ざされた部屋のなかでたった8人が繰り広げていた会話"のなかで完結していたからなのかもしれません。しびれる~~~~!


あと、特筆すべきは、キャストが全員演技がうますぎること(笑)
なんなんだよみんな(笑)笑っちゃうくらいすごかったよ(笑)(笑)(笑)
「顔」がパワーのある役者さんが揃っていて、アップのときなど、その表情ひとつひとつが見ごたえがありました。
みんな眼光が鋭い。






以下、ネタバレします。






私はあまり「疑う」タイプじゃないので、頭も使わず(バカ)素直に状況に翻弄されました。
物語が進むにつれ、こちらが考えを巡らせる余白がどんどんなくなっていく。
だもんで、二転三転する展開には釘付け。
サミュエル・L・ジャクソン演じる主人公(だよね?)・マーキスがその定義(たとえば王道ヒーローなど)から外れていたことによって、
相関図が大混乱します。楽しい!


キャッチコピーで謳っていたにもいたにも関わらず、"誰かが嘘をつく"なんて、まーーーったく考えてなかった。
全員が嘘をついていたし、もしかしたらそれも嘘なのかもしれないという宙ぶらりん状態。
その真実を明かさず終幕するのがソークール!


ラストもね!最高だったよ!なんなんだよ!正義ってなんだっけ?あ?
大好きな『ジャンゴ』であれだけ感じ取った「正義」がこれっぽっちも感じられなかった。
正義なんてない!正解もない!
だから観たあとは頭カラッポの状態で劇場の外に放り出される!楽しい!




洋画は邦画と違って「字幕を追う」という個人的にはマイナスの所作(面倒)が必要。
それにも関わらずこの満足感ですよ~~~~タラちゃ~~~~~ん\(^o^)/