ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

本年度のアカデミー賞作品!、ということで、楽しみにしておりました!
が、ちょっと期待ハズレだったかも。


同時多発オムニバスファンタジック映画。(なんじゃそりゃ)


なんと!全編カメラ長回しワンカット風撮影!!!!!
ということで見ごたえは、あったと思います。
それなのになんか眠たくて…撮影技術のゴリ推しが逆に退屈に感じてしまったのかもしれない。


「ストーリー」自体の推しが弱い。
なのでがっつり人間ドラマものとして楽しもうとすると拍子抜けかも。


閉じた世界を素晴らしい技術で圧倒的な空間に仕立てていたものの、
そちらに気をとられすぎていて内容がないよう、な。惜しい。
せっかくのブロードウェイが舞台なのにあまりスケール感が無かったのも。。地味。。
(それが"味わい深い"のかもしれませぬが)




この映画を語るに欠かせないもののひとつはカメラワーク。


ワンカット風撮影ながら、その視点は縦横無尽にいろいろな風景を映し出します。
そのひとつひとつがとっても濃厚。
そしてそのカメラワークにスピード感があるので、
高揚しながらも、ちょっと酔ってしまった(汗)←三半規管弱い


けれど、そのカメラワークには浮遊感もあり、
ドラマシーンとイメージシーンが折り重なることによるしつらえがとってもファンタジックで、
チャレンジしている様子が伺い知れました。
そしてなにが現実でなにが幻想(?)なのかわけがわからなくなる。
それがおもしろかった。


メッセージ性がほとんど無いにも関わらず、登場人物の叫びは突き刺さる不思議な感覚。
ワンカット撮影ながら対象の接写が多く、その圧はバッチリ効果的に作用しました。




どうしてもこちらの作品の感想というと\カメラワーク/\カメラワーク/となってしまうのだけれど、
そんなカメラワークでありながら、人間の泥臭さをもしっかりと感じ取れたのはキャストの演技力の賜物。
とくに主人公を演じたマイケル・キートンは、プライドが高いながら繊細なリーガンを見事に演じていました。
エドワード・ノートンのクセ者っぷり、エマ・ストーンの瞳もとっても印象的。


ところが、わたくし、アタマがそんなに良くないので、
場面転換や劇中劇の仕様についていけず(涙)、大混乱してしまいました。
演劇が物語のベースになっていることもあり、カツラなんて被らると誰が誰だかパッとわからない。
これが日本の役者さんだったらしっかりキャラクターを判別できると思うのだけれど、
いかんせん、ザ・外国人、な、面々がゆえ、そこはついていくのにヒーヒーでした。
(結果、ついていけなかった・涙)




音楽とそれのつかいかたが素晴らしかった!
なかでも、合間合間に挟まれるドラムサウンドがちょーカッチョイイ!!!!!
映画館仕様の音響で聴けただけでも映画館で観る価値はあると思います!


あと、タイトルバック等のグラフィックワークもめちゃくちゃセンスが良くて高まりました。
全体的にビジュアルディレクションが洗練されています。




ストーリーはかなり渋い。そしてちょっとごちゃつき気味。
と、いうか、いかにして映画のストーリーの冒頭に至ったのかをもっとよく描いて欲しかった。
そこがあまりクローズアップされていないので厚みがない。
いかようにもとれるラストはちょっと逃げの要素が強い気がして残念だったかなぁ。