ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

DOCUMENTARY of AKB48 No flower without rain 少女たちは涙の後に何を見る?

2013年に公開されたAKB48ドキュメンタリー映画BSプレミアムで放送されました。
AKBのドキュメンタリーはこれで三作目。

創立以来、センターに立ち続けてきた前田敦子が卒業し、新たな時代を迎えた2012年のAKB48を追ったドキュメンタリー。選抜メンバーを決める総選挙や、デビューの頃から夢だった東京ドーム公演、前田の卒業公演など一年間の出来事をたどりながら、そのいっぽうで、新エースをめぐるセンター争い、恋愛禁止条例、メンバー間の格差といった隠れた真実までをも浮き彫りにし、今を生きるアイドルの姿を赤裸々に映していく。


http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2014-09-20&ch=10&eid=31907


本作の劇場公開時は、「ほんと勘弁してくれよ」っていうくらいAKBに嫌気がさしていたころで、
「これ以上、AKBを嫌いになりたくない」、という理由で映画館で観るのを控えた作品。
私は、もう、"「AKBヲタ」とはとてもいえないけれど、ちょっとAKBを知ってる"目線から見た本作は、
すでに遠い記憶のような映像から、ただただ「懐かしい」という気持ちになりました。


前田敦子」という、"プロジェクトがつくりだした最高の作品"の卒業をベースに、ストーリーは進む。
まぁ、彼女は本当にいろんな意味で「特別」(扱い)な存在だったのですね。


スキャンダルすらも利用して、グループのサイクルとして利用してしまう。
そして「ドキュメンタリー映画」としてパッケージしてしまう様子には、ため息が漏れました。
それってやっぱり正気の沙汰じゃないと思う。
しかし次から次へとおもしろいようにいろんなことが起きますね(笑)




そしてなにより、
そこに「ファン」が介在した痕跡が無かったことに衝撃を受けている。
「ファン」ってやつはいったいなんなんだろう。淋しくなっちゃうよ。


「アイドル」は「ファン」あってのことだと思うのです。
だけど、本作からは"現在の「アイドル」の姿"を映し出せていても、そこから「ファン」の気配が感じられなかった。
これは、過去のAKBドキュメンタリー第1弾第2弾を観たあとには気付けなかった。
だってそのときはかろうじて私は「ファン」だったはずだから。


いまのAKBにとって「ファン」はあくまでも材料ですらなくて、「調味料」程度なのでしょう。
「アイドル」の"「味」そのもの"ではなく、"「味」を引き立てる"もの。
いまや巨大になったこのモンスターグループは、そんな「調味料」があってもなくても、きっともうなにも変わらない。
もちろんブレイク以前はそんなことはまったくなかったと思うのだけれど。


けれど唯一「アイドル」自身を救えるのは「ファン」の存在であることは確かなはずなんです。
だからこそ、それがあまり感じられなかったのが不思議でしょうがなかった。
「アイドル」側からの視点からでしか発信されていなかった点が残念。
そろそろ三作目なんだから、もうちょっとそのへんを掘り下げてみてもよかったのでは。




宮澤佐江ちゃんについては、衝撃のSNH48への移籍発表の様子がありました。
2014年いま現在、ほぼ『SKE48』として活動している佐江ちゃんの様子を見ているものとしては、
すでに「上海移籍ってなんだったんだろうね(笑)」みたいな感じになっちゃって。もう過去形。
まぁいまがいいのならそれでいいです。
懐かしの前髪カーラーが印象的でした。


そして、その組閣が2014年に行われた大組閣によって早くも過去のものになってしまっているとは。
こうして過去を少し掘り返すだけで、運営側の愚行をも晒すハメになってる状況には苦笑いですよねぇ。
しかもそれも結果的に「エンターテイメント」然として公に披露する底の浅さを露呈することになるとは。




『UZA』のセンター配置の裏話が聴けたのが思いのほかおもしろかったです。
なにせココのグループは「コンテンツ」の話題性ばかりが先行していて「楽曲」そのものの扱いがぞんざい。
そんななか、優子ちゃんも「第2章」だと語った『UZA』という楽曲の存在についてが垣間見れたのは興味深かった。


AKBドキュメンタリー第2弾を観たときが、ちょうど某「米騒動」が起きたタイミングで、
当事者であるふたりのことが描かれていた本作はなかなか感慨深い気持ちになったりもしました。
そしてみぃちゃんが映るたびに「次はアンタやでぇ…他人事やないねんでぇ!」と。




と、"「AKBヲタ」とはとてもいえないけれど、ちょっとAKBを知ってる"目線="「ミーハー」目線"からは、
まぁまぁ楽しませてもらいました。
もちろん今年公開された四作目もまだ観ていないけれど、
いつまでこのエンターテイメントコンテンツの自家発電が続けられるのか、きっと誰もわからない。