ミーハーでごめんね

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I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

踊る阿呆 森山未來・自撮り365日

なんだかBSプレミアムの回し者みたいになっていますが!
いやいやちゃんと他のチャンネルも見てますから!




ドラマも映画も舞台もパーフェクトにこなす、近年の"俳優・森山未來"の活躍ぶりは凄まじいものでした。
向かうところ敵なし。
市村正親の後継者だと勝手に(私が)思い込んでいる)
こちらなんかでもベタ褒めしていたりします。
本当に、素晴らしい役者さんのひとりです。


だけれど、今回は"俳優・森山未來"の姿はほとんど見られないドキュメンタリーでした。




そこにいたのは、"ダンサー・森山未來"。




「ダンサー」としての彼を彼自身の撮影で淡々と映し出す。




森山未來の「表現者」としての「タフ」さ。




それがめちゃめちゃ格好良くて、いや~まったく羨ましい限りでございました。


国境を越え、国籍を越え、言語を越え、彼はただただ「表現者」として佇んでいました。
その「タフ」さは、とっくに彼自身に装備されているのです。
だから成長物語などは描かれていません。
("「演出」されていない"と言ったほうがしっくりくるかな?確実に経験を糧に「成長」もしていると思うので)




とにもかくにも、踊る、踊る、踊る。
身体も思考もダンスに捧げる、ダンス漬け。


"イスラエルという異国の地でのコンテンポラリーダンスに励む日々"。
これだけでも一本映画が撮れちゃいそうなのだけれど、そんな「状況」は意外とあまり映らない。


番組の終盤に、彼が一年のあいだに創作に関わった「作品」が一気にダイジェストで流れたのだけれど、
「こんなにいろいろやってたの!!??」と、びっくりしました。
そのくらい映し出されていたのは、創られた「作品」ではなく、"ダンサー・森山未來"の内の部分だったように思います。
ナレーションも森山未來本人が行い、これがまたなんとも内的な感じが増長されていて良かった。




イスラエルというと「戦争」というワードがパッと浮かぶ私。
(そして彼が滞在していた最中にも戦争は起こりました…)
そんなところに「コンテンポラリーダンス」というものが在ったのが最初は凄く不思議でした。
まぁドキュメンタリーを見終えたいまでも不思議だったり。




印象的だったのは、序盤に、「この身体が(一年を経て)どうなるかな?」なんて、鏡に裸体を映していたのに、
それを振り返るとき・帰国直前には、彼はただ涙を流していたこと。
そしてその理由はきっとことばにすらも言い表すことのできないものだったのでしょう。
(個人的には"一年を経た"裸体も拝みたかったのですが♡)


あくまでも"文化庁の「文化交流使」"としての一年だったわけだけれど、
(それも日本で「表現者」として認められたがゆえ)
なにものからも解き放たれてやりたいことに打ち込んだ夢のような一年を過ごして、これから彼はどうするのだろう?


今後がとても楽しみです。