ミーハーでごめんね

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I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

日本の絵 三瀬夏之介展

台風一過の晴天の下、展覧会最終日にも関わらず(台風の影響で)、
ゆったり・じっくりと展示を見ることができました。


なんと、(一般)料金200円…!


これにはびっくりしました…展覧会を間違ったかと思い、受付のお姉さんに確認しちゃいましたよ。
なぜなら、三潴末雄氏のツイッターで情報を得た展覧会だったからです。
"あの三潴さんがわざわざ平塚に足を運ぶほどの展覧会"が200円て!!!!!
結果的に展示には満足したのでかなり得をしたことになるのですが、だからこそ、より驚きを隠せません。
いったい何でなんだろう…理由が気になります。




展示室に入るなり、墨の香りが。
そして一気に展覧会に飲み込まれます。


良い展覧会でした。
とにもかくにも、展示作品がデカイ!!!
"大きい"とかじゃなくて、"デカイ"。
全て平面作品なのですが、平均300cm×600cmくらい。(個人的な超テキトーなサイズの印象です)
中には10mを超える作品もありました。(そのままの状態では展示できず、半分に分割して展示)
それらが、ドカーン!ドカーン!、と壁いっぱいに展示されている様子は圧巻です。


入口の作品から順に見ていくと、どんどん展示作品が洗練されていくのがよくわかります。
展示構成はバッチリです。
今年(2013年)に制作された作品が多いことにも驚きました。


もう、作品が"デカイ"っていうだけでお腹いっぱい(笑)
とにかく、大きな作品がバンバン目に飛び込むので圧倒されます。
かといって、細部もしっかり描き込まれていたり、遊びのコラージュがなされていたりするので、
近くから見ても、遠くから見ても、見ごたえがありました。


"日本画×コラージュ"をベースにした作品群。
"紙"以外の素材も積極的に取り入れていました。
"日本画×コラージュ"というアイディア勝負なところが、少し狙いすぎに感じられるところもあったのですが、
基本的には好きな作風だったので楽しめました。


本展の作品は、平面作品ながら大きさも相まって、
コラージュという手法が生かされていて不思議な立体感が生まれていました。
平面に平面を重ねる"コラージュ"ですが、サイズや作風でこんな風に見えるのか、と新たな発見。
迫力倍増なのです。


一番印象的だった作品は、2013に制作された『日本の絵〜小盆地宇宙〜』。
平面作品ながら天井から吊り下げ、裏表見れる仕様。
なぜなら網目のように隙間があるからです。
空間を使ったインスタレーションのような展示方法はちょこっとだけズルさが無きにしも非ず。
裏面は金箔で覆われていて、表側から照らされることにより逆光が眩しく、
さらに背面にある白い壁に作品の影ができるのです。
そのどれもがとても綺麗。


作品は壁に飾るだけでフロアには前述した作品と『アトリエ再現』のコーナー以外は展示はナシ。
この潔さも飾られている作品の良さをいっそう際立たせていたと思います。


ただ、『日本の絵』っていう展覧会タイトル名はどうなんでしょうねぇ。
コンセプトは一応あるようですが、ざっくりしすぎていてインパクトに欠けます。
ちょっと短絡的すぎて、スルーしてしまうアート好きも多いのでは。




それにしても、平塚市美術館は、マイナーながら本当に良い展覧会を多く開催しています。
東京の他に、(個人的に)アクセスの良い場所で質の高い展示が見られることに感謝。
次のタイミングも楽しみです。