原作漫画の大ファンなのでキャストを知ったときは固まりました…。
…これはアカン!!!
よしながふみの描く儚くも美しいキャラクターからかけ離れた、
ちんちくりんでファニーフェイスなキャスティングにかなりの衝撃を受けました…。
ところが。
実際にドラマを見てみると、このふたりの演技がとってもとってもよかったんです。
絶対にミスキャストだと思っていたのですが、とんでもない。
見ていくうちに、有功は堺雅人にしかできない、家光は多部ちゃんにしかできない、という気になってくる。
TBSのドラマだな〜、という感じで若干安っぽさはあるものの、
このふたりの演技にぐいぐい引き込まれました。ふたりとも凄かった。
とても情熱的で鬼気迫るものがありました。
有功も家光も、複雑で難しいキャラクターだったと思いますが、お見事!、という感じ。
とくに多部ちゃんは予想外の演技力。
ふたりの役者としての実力をしっかりと見せてもらいました。
春日局に麻生祐未をキャスティングしたのは大成功だと思います。
春日局を誰が演じるかでドラマの印象も大きく変わるところ。
原作漫画ではすでに老婆でしたが、まだ若い麻生祐未が違和感なく演じていたのがさすがです。
一歩間違えるとただの意地悪ばあさんになりそうな役ですが、品格や威厳を纏った堂々たる演技は圧巻でした。
玉栄を演じたのはKAT-TUNの田中聖。
このキャスティングは唯一見た目の印象が原作漫画とそっくりで最初から安心感がありました。
声も個人的にはしっくり、若造感のある演技も悪くなかったです。
原作漫画の『大奥』は、全体を通して結構スピーディーな印象があるんです。
なので[有功・家光篇]がドラマ化すると聞いたときには、1クールもつのかな?、と心配になりました。(余計なお世話)
ですが原作の邪魔にならない程度にオリジナルストーリーとして稲葉家の物語を挟むことで
その問題はしっかりと解決されていました。
かつ原作漫画にも忠実で原作ファンとしては満足度が高いです。
原作では[有功・家光篇]は長い物語の一部でしかないのでラストはどうなるんだろうと思ったのですが
暖かく、爽やかに終わったのがよかった。全体に関してもいえますが、演出が上手いです。
…と言っておきながら外出や裏番組の影響であまりちゃんと見れていたわけではないんですけどね←
そしてこのドラマの続きが『大奥 〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』として映画化されるわけですが、
主人公・右衛門佐を、また堺雅人が演じるってどうなの(笑)
ちなみに"[有功・家光篇]の有功"と"[右衛門佐・綱吉篇]の右衛門佐"はまったくの赤の他人ですよ。
どんだけこの"よしなが大奥"は堺雅人が好きなのよ!!!どんだけ堺雅人頼みなのよ!!!
綱吉が菅野美穂ってのもねぇ…、とドラマ同様に観る前に文句タラタラなのはもう仕方がないですね(笑)