前作『アウトレイジ』のファンが周りに多いので観てみました。
私はバイオレンス系は苦手なので恐る恐る。
前作より"痛み"を表すシーンが減ったとのことですが、私には今作も十分痛かったです!(弱っ!笑)
ふーん。
と、なんともいえない気分になりました。
悪いひとには気をつけましょう、という感じでしょうか。とマジレス。
内容はあまり好みではないのですが、不思議と後味は悪くなかった。
作品づくりにあたっての姿勢がすごく誠実なんです。真剣だし丁寧。
ただ、作品に対して誠実すぎるあまりに、こちらに訴えてくるものがない。
逆に華や色気がなくても退屈しなかったのは、しっかりとつくってあったことの表れだと思います。
無駄が無く、淡々とテンポよく進んでいったのも理由でしょうか。
その代わりに物語に入り込むようなことはなかったですね。ずっと傍観者。
乾ききった空気感からは、温度とか季節とか、そういうものが全然感じられないんです。
そういった意味ではリアリティがない。
組織を描くという点では同じことを掲げたと思われる映画『踊るファイナル』より全然おもしろかったです。
イッツ・ア・スモールワールドなところは映画『桐島、部活やめるってよ』と共通するところかな。
漂う雰囲気も似てる気がします。
まぁこちらの世界はとてもじゃないけど体験したことのない世界ですが(笑)
前作『アウトレイジ』は観ていないのですが、個人的にはとくに問題ありませんでした。
ただ前作を観ていたほうがいくらか楽しめるんだろうなぁとは思いました。
前作のほうがおもしろそうだと思ってしまうのは観ていない勝手な私の想像ですが。
キャスティングは良かったと思います。
役者さんの強面な本気悪演技は見ているだけで楽しめます。
若手からベテランまで実力派役者の迫真の演技は見ごたえあり。
ビートたけしの"悪さ"に、とっても静かに火が点いていく様子はしびれました。
とにかく松重豊さんが格好良かった!!!なで肩!眉間のシワ!猫背!
加瀬亮、良かった!ぎゃーぎゃーうるさくて。
絵に描いたような狂犬キャラがおもしろいくらいでした。
と、同時になんであんないかにもな小物が若頭になれたのかが謎すぎる(笑)
希望としては映画の最後までひとりでぎゃーぎゃーわめいてて欲しかったんですけどね。
小日向文世さんの悪っぷりもよかったですね〜。ああいう感じ、本当によくお似合いです。
ほぼ主役といった感じで物語をストーリーを引っ掻きまわしていました。
田中哲司さんもとても振り幅のある役者さんです。独特な存在感が良かった。
高橋克典を喋らせなかったのには意図があったのかな。
意図があったのなら中途半端だった気がしました。いい佇まいだっただけに勿体なかったなと。
ストーリーが決して派手ではないなかで、役者さんの力は大きかったように思います。
結局、登場人物たちがなにをしたいのか、なにを成し得たかったのかがよくわからなかった。
意味がわからない。
それは私がヤクザのことを何も知らないからなんでしょうね。
そこがちょっと、ふーん。、となってしまうところというか。
今作はそんな部分を振り切るほどの力はなかったですね。
同じヤクザものでもドラマ『QP』のように漫画的に"格好良い"というわけでもないので。
どこか物足りないなぁ、と思ったあたりが前作で重点的に描かれていた部分なのかなと勝手に推測。
ラストはちょっと唐突。
余韻はガッツリ残るんだけど、やっぱり、ふーん。、となってしまいます。
でもこの映画"らしい"といえば"らしい"のかな。
まだまだ物語は続きそうですね。
鑑賞中、一番テンションが上がったのは韓国のフィクサー(かなり気になる存在でした)とのシーンで
発せられた突然の韓国語!
…結局いまは何を見ても韓国かぶれ全開です!←
こんな自分にがっかりだよっ!!!