ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

Mnet Asian Music Awards 2017(MAMA)in 横浜アリーナ

その日は、とても楽しみにしていた予定があったのですが、ナシになってしまって。
で、そのポカンと空いてしまったその日は、なんと、
ちょうど、『Mnet Asian Music Awards 2017』(MAMA)の日本初開催の日でした。
それだけならまだしも『Wanna One』が初来日だと。



ワナワン初来日のそのときに、
予定がないのにじっとしていられるわけがないわ!



けれど、時すでに遅し。
すでにどこのチケット会社でも先行予約は終了しており、
超難関の一般販売を突破するしか残されていない…!、と果敢に挑むも撃沈。
けれど私は諦めない!
暇さえあればチケットぴあのチケット販売ページにアクセスし、
運よく「定価リセールサービス」に出されたチケットを購入することができました~(涙)
ラッキー!アイアムソーラッキー!


リセールのチケットは購入する時点で座席がわかるのですか、まぁ納得のスタンド席。
「立ち見席」のチケットはずっと販売されていましたが、
いかんせん「授賞式」という催しで長時間立ちっぱなしっていうのは私にはキツイ。
上から二番目の天空席でしたが「指定席」であることに変わりはないので、
ゆる~く参戦しようと思った次第でありました。




まさか自分が、インターネットでしか触れられないと思っていた、
"あの『MAMA』"に参加する日が来ようとは!


初めての『MAMA』!

いざ参らん!


実際に会場に入ってイイ感じの広さの横浜アリーナを座席から見渡すと、
いや~~~~~めちゃくちゃイイ!!!!!


座席がスタンド席ながらも会場に対してちょうど中央らへんで、
かつセンターステージ仕様なので、とにかく見晴らしがいい!
ステージを斜め上の正面から覗き込むようなかんじでしょうか。
このステージ構成は嬉しすぎました!


そして出てくるわ出てくるわの豪華出演者たち。
こんなラインナップのK-POPイベントなんてなかなか日本でお目にかかれませんよ~。
キャンセルになった予定は旅行だったので、
お高めの本公演のチケット代も躊躇なく出せましたし(笑)
むしろ、彼らの血となり肉となるのなら本望であります!(どんだけ)


【出演者】

EXO-CBX、SEVENTEEN、TWICE、Wanna OneMONSTA X
NU'EST W、PRISTIN、Weki Meki、チョンハ、fromis_9、
ZICO、BoA
 etc.




結果的に、今回は中継型授賞式ならではの現場のぐだぐだ感があったこともあり、
よりスタンド席で座ったまま楽しめたことがとってもラクでした。
周りの方も席のせいかぜんぜんステージにがっついていないし、
すごく優しい方ばかりで居心地が良かったです。
‪そういえばエンディングで夢中で野鳥の会をしていたら、
終わったときには両隣の方がいなくなっていました(笑)どんだけ夢中だったんだ(笑)


いやーでも、「授賞式」としてはめちゃくちゃ楽しすぎました!!!!!
お祭り感が最高で、どのグループもめっちゃ楽しかった!!!!!
ただ、さすがに遠くてひとりひとりの顔が判別できないのはしょうがないけれど(笑)




いちばん高まったのは、『I.O.I』らと『AKB48』のコラボレーションステージ!!!!!




ヘビーローテーション』では人目も気にせずタイガージャージャーしてしまいましたよ!
日本と韓国のアイドルたちが国境を越えて、
同じステージで一緒にパフォーマンスをする姿には素直には感動してしまいました。鳥肌。
ギョルギョンがおにぎりやってた~(感涙)
AKBは人数の圧でアウェーに戦いに来ててすっごく格好良かったです!


…と大興奮もつかの間、秋本康登場と『Produce48』の告知でガン萎えしましたけどね。。
まぁプデュの企画自体がすごく48なので、あちらからのオファーというのも納得なのですが。
まさかの生の秋元康をココで初めて見ることになるとはって感じなのですけれども(笑)




それにしても演出で遠隔操作されてるペンライトがぜんぜん出番がない(笑)
こちとらこのペンラを頼みにぶんぶん振っていたのになかなか光らない(笑)
でもめっちゃ高級そうなペンライトなのでお土産感はすごくあります。
でかくて重いですが、トロフィーをそのままペンライトにしたようなデザインなのです。




序盤、持参した双眼鏡がめっちゃ調子悪くて、
ワナワンから選出されると予告されていたBoAの『Only One』の相手がボケボケでわからず、
線の細さからオンさんかとばかり思い込んでいたら、ミニョンくんだったようですね。
てっきりダニエルを予想していたので意外すぎました。


後半、すっかり調子があがってきてよく見えるようになってきた双眼鏡なのですが、
いかんせんワナワンが楽し過ぎて、カッコよ過ぎて、
ステージというか、"横アリにおけるワナワンが見たいという気持ち"と、
"オンさんをロックオンしたい気持ち"でめちゃくちゃ忙しかったです。
美しいオンさんの下半身を含む全身をしっかり拝むことは叶いました(笑)
っていうか、オンさんに限らず、もっともっとみんなひとりずつちゃんと見たかった!
『Energetic』も『Burn It Up』も最高すぎて、、、目が足りないし、双眼鏡も足りないし!
\バーニンナッ!/のマッチョポーズ全員ちゃんと見たかったYO!
ワナワン、あとそれぞれ3回くらいやってくれてもよかったよ!←


ちなみに、オンさんオンさん言ってるからオンさん推しと思われている気がするけれど、
オンさんはハイローでいう「オンさんの女」的な存在であって、
たぶん「推し」のような存在はウジンくんです。


ミニョンくんがスピーチのときに日本語で挨拶してくれて嬉しかったです。
日本でがんばってきたミニョンくんだからこそ、その日本語が嬉しかった。
(にゅいWの日本語スピーチもそりゃ欲しがりましたよ…うん…)




いちばん、おおおおおお!!!!!ってなったときは『NU'EST W』が受賞したときに、
SEVENTEEN』軍団がわっとにゅいに覆いかぶさったところです。
ホシくんの髪の毛が真っ赤だったから遠目でもすぐにわかりました。
にゅいWとせぶちのコラボステージでは、JRくんとウォヌの背中合わせのラップが最高!
そしてふた組があまりにも馴染みすぎていて双眼鏡を使用しても判別が困難でした(笑)


あの近所の学園祭で見た『NU'EST』が、
『MAMA』の、こんなにも大きなステージに立っているという事実にも震えましたね~。
頼むからミニョンくんが戻るまで売れていてくれ!!!!!(復唱


せぶちのパフォーマンスはもはや完全に会場を自分たちのものにしていて圧巻なのだけれど、
双眼鏡で見たアッシュブラウンオールバックの若頭クプスがカッコよすぎて、
ミンギュミンギュってなってたのに知らんうちにクプスクプスってなっていました。


せぶちは『MONSTA X』が受賞したときも、フライングしてましたね(笑)
スピーチの際は、ジョンハンが日本語を諦めて(笑)、
代わりなのかミンハオが日本語スピーチしていました(笑)




まさか、ZICO様を拝めるとは~~~~~!!!!!ちょーー格好良かった~~~!!!!!
でもなんとなくですけど、ジコにはもっと大きな会場で暴れまわってほしいなと思いました。




若手アイドルのなかに鎮座しておられた我らが『EXO-CBX』、貫禄の大トリでございます!
こりゃもう本当にびっくりで、とにかくダンスも生歌もハンパない!!!!!
ジョンデの歌唱とかスピーカーぶっ壊すくらいの声量でまじでびびった!!!!!
カチンは日本語歌詞だよ!?すごすぎ~~~~~!


チェンベクシに限らずなのだけれど、
全体的に出演者それぞれが披露曲少ないっていうのもあるからなのか、
もうみんなキレッキレで爪痕残す気概が感じられてとても素晴らしかったです。
『TWICE』とか、こんなにしっかりしたダンスするんだ~って驚きました。




天空席だったけれど、センターステージ仕様だし、
「ライブ」ではなく「授賞式」だと考えれば、
うえの方から座って見ることができて逆によかったです。


授賞式ならではの妙な「間」みたいのもあったので(笑)
たぶん中継でいうCMとかにあたるところとかなのでしょうね。
あと、放送では必ずあるテロップ的なものがないので、
次はパフォーマンスなの?スピーチなの?っていうざわざわ感が終始あるというか。
3部構成だそうで、1部と2部の間にMCのお兄さん(サンミュージックのひと)が出てきて、
「『TWICE』の振付、一緒にやってねー!」とか言ったりしてて。
私も2部の3部の間にトイレ行ったりして、その妙な間をうまく使えた感はあります。


"「ライブ」ではなくて「授賞式」"と、頭でわかっていても、、、、、
どうしてもでかいモニターがなかったのが残念だったなぁ。
小さいのはあったのだけれど、あんまり個人的には意味なかったし。
いくらセンターステージ仕様とはいえ双眼鏡では限界もあるしねぇ。




そして、


多分、この『2017MAMA in JAPAN』でいちばんの声援を受けていたのは、




お前だ、佐藤健





他のなんでやねん日本人プレゼンター(原田龍二は嬉しかった!丸腰刑事!)と比べると、
あまりにもどメジャーなイケメンのサプライズ出演に、アナウンスされたとたん悲鳴が(笑)


もちろんパク・ボゴムやソ・ガンジュンも生で見れて嬉しかったのですが!
(日本語で「韓国のお笑い芸人です!」と自己紹介していたセホさんも!ルームメイトゥ!)
…やっぱり非アイドルの国産ナムジャは強いんじゃ、、、、、、、、
私だって佐藤健のことそんなに好きじゃないくせに、
「た、た、たけるーーーーー!!!!!」ってなったもん、、、、
K-POPにまったく興味がなさそうな感じにかなりそそられたもん、、、、


ザワザワがやまない会場に「ちょっと喋ってるわ(イラッ)」っていう佐藤健のことばに、
ッシーーーーーンとまったくの無音になる会場がおもしろすぎました(笑)
そう、ここは日本なのです!




ここ最近の私のなかでの『MAMA』のイメージは、
"派手なお祭りのついでに授賞式をやる"っていう感じなので、
…うーんやっぱりファン投票がなぁ。
一般人の投票行為がある以上は、不満はそりゃ出ますよねぇ。
そして投票という行為における考え方が年々変化、というか多様化している気がします。
本公演に不参加のガールズグループではダントツで『Red Velvet』の声援が凄かったです。




19時開演、22時10分終演。
みっちり3時間です。


なんだかんだ、いままでずっとインターネットを介して見ていたものを、
生で見ることができたっていうのは素直に嬉しかったし、
いろんな意味で貴重な体験になりました!


また、こういったいろいろなアイドルやアーティストが集うイベントはほぼ初めてなので、
すっごくおもしろかったし、またこういう機会があれば参加してみたいと思いました!
ほんっとうに!めっちゃくちゃ楽しかったです!




受賞されたみなさま、おめでとうございます!

■大賞部門
今年の歌賞:TWICE『SIGNAL』

新人賞:Wanna One、PRISTIN
ベスト・アジアンスタイル・イン・ジャパン:EXO-CBX
インスパイアード・アチーブメント:秋元康
ゴールデンルーキー:チョンハ
ベスンスパフォーマンス:TWICE、SEVENTEEN
ベストコンサートパフォーマーMONSTA X
ディスカバリー オブ ザ イヤー:NU‘EST W
Mwave グローバル ファンズ チョイス:EXO
ベストアーティスト:『Block B』ZICO
(※日本開催での発表部門のみ)

パターソン

きっと、噛めば噛むほどもっと好きになれるんじゃないか。
そんな映画だった。



描かれているのは、主人公・パターソンの日々。
パターソンは「パターソン」という自分と同じ名前の町で暮らしている。
何気ない彼の日々は、きっと誰もが過ごしている日々でもある。


見慣れぬ外国の、見知らぬ外国人の日々は、
つくられたものとはいえ、スタイリッシュで目が楽しい。
ただ、ちょっと予告映像でネタバレしすぎのきらいがある。
作品を観るということを通して、自分自身で見つけたかったところがありました。むー。




\こういう映画が撮りたいんじゃ!/っていう意志はものすごく伝わってきたのだけれど、
いかんせんそれが私の好みではあんまりなくてですね。
あーキミ(映画)そういうタイプなん!?、ってわかってしまってからがどうしても退屈で。
正直、「ある事柄」が起きるまでは眠くて眠くて。


でも「ある事柄」のあと、わかる。
"いつもの日々"がこんなにも愛おしいものなのだと。
「ある事柄」っていうのは、ひとによっては「大事件」なわけで。
その事の重大さを自分に重ねた私は涙を流しました。


「ある事柄」が起きて、地味すぎるように映っていた日々がいかに大切なものだったのか、
いままで眠気に襲われるほどに「普通」だった日々はなんて美しいものだったのか。
それをこんなにも丁寧に繊細に描いていたのかと、そういう意味でもハッとされられました。
映画を巻き戻したい、もう一度ちゃんとしっかりとその景色を見たいと思いました。
そして、私自身の現実世界でも私にとっての「大事件」である「ある事柄」が起きたとき、
きっとまったく同じことを思うのだろうなぁ。
と、いうか、そういった経験はすでにある。ありますよそりゃ。
だからつらかった。つらかったよね、パターソン。




個人的に、パターソンが、劇中で書く・読む「詩」が「詩」だと感じられなくて。
私がたんに詩になじみがないからそう思うだけなのだろうけれど、
「詩」というより「散文」という印象なのです。
劇中で、永瀬正敏が「詩は翻訳できない」ってズバリ言っちゃってて、
それなーそれなんだよなー言っちゃったなーって(笑)
とにかく私は英語がわからないので、英語がわかるひとと比べると、
そういった点では、あまり映画が入ってこなかったのではという気がします。
言語の壁よ。残念。




パターソンを演じたアダム・ドライバーは、
『沈黙‐サイレンス‐』に出演していたのは覚えています!
すごく印象的なルックスだから!
と、同時に『ダンケルク』に出てませんでした?、とも思いました(笑)(出てない)
めっちゃ『ダンケルク』にも出てきそうな俳優さんなんですけれども。
パターソンは、ひとつひとつ、静かにだけれど丁寧に、
おおきな身体の背中を丸めて地に足をつけて生きるひと。
すごく素敵な男性です。


パターソンの妻・ローラを演じたゴルシフテ・ファラハニ、めちゃくちゃキュートでした。
ローラはちょっと風変わりなのだけれど、
同じマイペース人間のパターソンが「静」ならば、彼女は「動」という感じのキャラクター。
そのふたりの真逆っぷりがすごく相性がいいんですよね。
物語を華やかに、色鮮やかに、彩ってくれていました。


永瀬正敏は監督であるジム・ジャームッシュのお気に入り?
英語もヘンだし、「アーハン!」が、、、ヤバかった、、、、、なんだあれは。
ってかキャラクターの存在自体が、ちょっと同じ日本人だからこそ受け入れがたい感じ。
あの役目が、違う俳優さんだったら全然印象がかわったと思う。


ある意味、物語の最重要キーパーソン(キードッグ?)のフレンチブルドッグのマーヴィン。
昨年のカンヌ国際映画祭で、あのパルム・ドッグ賞を受賞。
映画『アーティスト』のワンちゃんも受賞していましたね!
全体を通しても、すっごくアクセントになっていました。かわいい。
ただ、演じたネリー(本名)はすでに亡くなっているのだとか。うう(涙)




パターソンの朝は抱き合って眠るローラにキスすることから始まる。
そんなふたりの定点観測は、幸せのかたまりのような時間を映しているようで最高でした。


私も自分自身の日々にしっかりと地に足をつけたい。
そうなれたらいいんだけどなぁ。

あゝ、荒野 後篇

いやもう、めちゃくちゃびっくりした。
だって前篇と全然違ったよ!?



後篇は、鑑賞者もいっしょに霧の中を探りながら物語を辿るような感じがすごく良かった。
そういった点で、わかりやすくエンタメしていた前編とはまったくアプローチを変えてきたからびっくりしたけれど、
よりキャラクターの息吹を強く感じることができた。




初めて劇場で後篇のポスタービジュアルを見たときには、
前篇とまったくちがったコンセプチュアルなアプローチにびっくりしたのですが、



よくよく見ると菅田くんのカッコイイお顔はばっちり写ってるんですね(笑)




前後篇あわせて5時間超えの作品だけれど、
個人的にはイイ意味でそんなに長いとは思いませんでした。
これも"サクっと前篇を消化"できたことが結構でかい。あちらの作戦(なの?)勝ちです。


ボクシングのシーンはカメラワークなどをはじめとにかく凄かったし、
なんにせよ、キャストのファイトあふれまくりの闘いっぷりがもうもう凄い。
前篇では綺麗・格好良いもののつぎはぎ感のあったカットも、
後篇ではスムーズに繋がっていたように感じました。




静けさが際立っていて、物語のトーンに圧がかかっていて、
主人公ふたり・新宿新次(菅田将暉)とバリカン建二(ヤン・イクチュン)の内側が、
ことばやアクションも多くないのに炸裂していた。


ただ、ちょっと登場人物が多すぎの詰め込みすぎで、大渋滞していた(笑)
主人公ふたり以外の描写は結構大味なので、賑やかしに思えてしまった。


逆にいうと、これは新次とバリカンの、ふたりだけの物語だったような気がする。
だからこそ、他の登場人物は荒野にそれぞれに立つ、
とある名もなき人たちの例なのかもしれない。


これ必要かな?、と思ったとあるコミュニティの描写も、
かの荒野を生きる別の視点として在ったとしたらならば必要だったと思う。
片目(ユースケ・サンタマリア)の濡れ場はなんでやって感じだったけれど(笑)




キャストは前篇同様、皆が皆、すっごく良かったです。


菅田将暉演じる新次は後篇の出だし、すっかりチンピラ臭がなくなっていました。
"殺意を抱くアスリート"(なんじゃそりゃ)みたいな微妙なキャラクター像を、
しっかり「演技」というかたちにしていたのは凄い。


バリカンを演じたヤン・イクチュンは、
本当に最小限の絶妙な動きで、心や感情の動きを表現していました。凄い。


片目(ユースケ)はモロにユースケだなぁっていう感じが(笑)
うまいとか以前に、どうしてもそのまんまユースケすぎて。
魅力的なキャラクターだったけれど、『ぷっすま』とかのユースケがチラつく(笑)


大好きな中村まことさんもいい味出してて嬉しかった。
でんでんや高橋和也も好き~。
オーディションで役を勝ち取った、ザ・神出鬼没の山田裕貴、好きです。良かったです。
でも、どうしてもちょっと顔がかわいすぎた。




リングのうえで繋りたいからこそ憎まなくてはならなくて。
でもバリカンは新次を憎めない。
けれどきっとバリカンはあの瞬間、瞬間に新次と繋がることができて、
きっと幸せの絶頂だったんだよな。


そんなん泣くわ。


だからこそ、バリカンの最後の姿は見たくなかった。
幸せであった彼のラストを飾るカットは、むしろなくてもよかったくらい。


前篇から物語をグイグイひっぱっていた新次は、
ひとと繋がりたい意志という自我が生まれたバリカンとは対照的に、
どんどん「虚無」や「孤独」を象徴するかのような存在になっていく。
そのコントラストがとても良かった。




観終えた直後に、実際のスクリーンには表示されなかったけれど、
脳内のスクリーン(概念)にでかでかと『あゝ、荒野』って浮かび上がったんだよ。
確かに腑に落ちない点はいくつもあるけれど、
ラストのバリカンのモノローグ、新次の姿・目。忘れたくない。


エンドロール。

『BRAHMAN』による主題歌が沁みる。バカヤローって涙が出る。


そして、タイトルが自分の中に現れたことによって、
あゝ、すごい作品だったなぁ、と思うしかない。

あゝ、荒野 前篇

ずっと楽しみにしていた映画『あゝ、荒野』。
都心での公開・上映からやや遅れたものの、観ることができました~。
寺山修司による原作は未読。


大好きな森山大道が撮影したイメージビジュアルが公開されたときから、
観たい観たいと思っていました。


アートディレクションは、

ここ最近の森山大道といえばの町口覚。


まぁ宣伝ビジュアルは、ザ・邦画!、なものになりましたけれどもね。
まぁ仕方がない。




まだ前編しか観ていないのでなんとも言えないのだけれど、
思ったより、かなり思ったより、すんなりと観てしまった。
すんなりと観ることができてしまった。


もっとケンカを売られるような作品(伝われ)だとばかり思っていたのでびっくり。
そういった、過度な期待があったので拍子抜けな感じは否めない。
ちゃんとエンタメしていた。鑑賞する側にやさしかった。
前編だけでも2時間半超えるのに、体感時間はあっという間だったし。




画もいいし、音もいいし、演出もいいし、ストーリーもいいし。
キャラクターもいいし、それを演じるキャストもいいし。
でもどこか都合よく、綺麗にまとまりすぎているのが違和感があった。
ウェブドラマとして配信している関係もあるのだろうけれど、
一本の物語としては、なんつーか心地よくぬるい。
その全体的に漂う心地よいぬるさが、
ストーリーや映像のソリッドさを軽減していたような気がしました。
だからこそすんなりと観れてしまったんだよなぁ。


キャラクターにあんまり魂や人間の核のようなものが感じられなかった。
う~ん、準備に時間がかけられなかったのかなと思わせるようなやっつけ感が。


ライトに観るのにはとってもラクだったのだけれど、
ちょっとそのラクさは望んだものではなかったかなぁと。




菅田将暉×ヤン・イクチュンのダブル主演。
ふたりが演じた新宿新次とバリカン建二、すっごく良かった。


菅田将暉は、つい先日、舞台『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』で見た、
"とあるカンパニーの「菅田将暉」"ではまったくなくて、
"映像作品でよく見かける「菅田将暉」"だった。
めっちゃ菅田将暉菅田将暉していた。
でも、この映画は菅田将暉じゃなきゃダメだっただろうし、
菅田将暉以外に(興行的にも)務められる若手俳優はいなかったと思う。
っていうか菅田将暉、なんか凄すぎる。
いつの間にこんなの撮ってたの案件ですよ、これ。
全裸のバックショットが結構あるので、綺麗でかわいいお尻を拝めます。ありがたや~。


ヤン・イクチュンさんの、
ガッチリした図体に相反するかのような、繊細すぎるキャラクター像の演技は最高でした。


ほかのキャストさんも味のある方ばかりで楽しかった。
それにしても、最近でんでんが単館系の映画にひっぱりだこすぎる。




濡れ場が多いのはおおいに結構なのだけれど、
濡れ場のシーンがあまりにテンポよく出てくるもんだから、
やっぱりドラマ仕様なのかなぁとかいろいろ思ってしまった。
そろそろ濡れ場くる?くる?濡れ場キターーーーーーー!、みたいな(笑)




あっ、でも後編を観るのは素直に楽しみだし、
つまんなかった、とかではぜんぜんなくて。
だから、後編を観るのがだるいとか、そういうことはいっさい思わなかったです。
でもそういう風にサクっと前編を消化できちゃうってのは、
やっぱりちょっと予想外でした。

シス・カンパニー公演 ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ in 世田谷パブリックシアター

いまの菅田将暉の生の演技、生で見てみたい。
すっごくすっごく見てみたい。


たったそれだけの理由で観劇に至りました。




チラシビジュアルがはじめて世に出たとき、
SNSなどを中心にとても話題になった気がします。



で、舞台『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』。
当初は菅田将暉のことばっかりしか頭になかったのだけれど、
そんなのを忘れるくらい、本当に本当に、素晴らしかったです。
「演劇」ってすごいって心から思わされました。




『ロズギル』、内容がちゃんとわかったかと聞かれるとかなり微妙だし、
ぶっちゃけわかってない分量のほうが多いと思う(笑)
「わかる」とか「わからない」とかそういったことばが、
この作品と向き合ううえで適切なものなのかもよくわからない。
「難解」ともまた違って、わかるっちゃわかるんだけど舞台の上の出来事に対して、
こちらの頭の中での処理が追いつかない感じ。
有名戯曲らしいけれど、パラレル(?)だしメタ(?)だし。


なんとなく、観る前にちょっと難しそうだぞと思い予習を試みるも、
ベースにある戯曲『ハムレット』の情報をはじめ、さっぱり頭に入ってこないという(笑)
だからもう丸腰で挑んだ。


内容に関してはマジでそんな感じだったのだけれど、
舞台に立ってる役者さんたちがね、
そこで繰り広げられる世界でしっかりと生きているんですよ。
こっちが「?」とか言っていても、キャラクターが舞台の上で全員しっかりと生きていて、
そこにははっきりと命が見える。


だから、舞台の上の世界がすごく生々しく感じられて。
カンパニーがしっかりと同じ世界を共有できていて、
かつそこでしっかりとキャストが登場人物が存在する演技をするということができていて。



そこに関して本当にムラがなかった。スキがない。



カンパニーがちゃんと作品を愛しているのが伝わったし、
翻訳・演出の小川絵梨子さんをめちゃくちゃ信頼している。
それはパンフレットを読んで、より強く感じました。


それがね、もうすごくてすごくて。
菅田将暉が出てるとか生田斗真が出てるとか、そういったのはもうとうに超越していて、
舞台の上にすっごいパワーと結束力があふれていました。
私はこういう舞台がずっと見たかったんだ!、っていう感動のど真ん中に終始いました。
最高だった。




結構笑わせるところや笑えるところもあるんだけど、
ロズとギルに対して徹底的に冷たい空気があったのもよかったです。
一見微笑ましいように見えるテンポのいいふたりのやりとりが物語が進むにつれてどんどんねじれて絡まっていってしまう。
でもそれは偶然ではなく必然である説得力がすごかった。


観ている最中はあまり感じなかったのだけれど、
劇中でのロズとギルの不安で不安定な様子を思い出しては切なくなってきてしまう。
だって、私、いまだにどっちが「ローゼンクランツ」でどっちが「ギルデンスターン」だかよくわからないんだもの。
ロズとギルに謝りたい。


と、そういったこと自体がもう私が作品に巻き込まれているという事実なのです。
そしてその思考すらも、この作品は逆手にとっているんです。アッパレ。




簡素なセットだからこそ伝わる殺伐とした空気や、
効果的な音のつかい方など、演出も素晴らしかった。
大掛かりではないけれど、劇場の大きさと舞台の上の世界にすごくフィットしていた。
前衛ぶったカッコつけだとも思わなかったし、単純にめちゃくちゃクールだと思いました。


あとね、衣装がすっごく格好良かったんだよ!
個人的には舞台を観て「この衣装、ステキ!」って思うことって、あんまりなかったり。
宣伝美術の衣装も同じお方・前田文子さんが担当されています。




お目当ての菅田将暉は旬の若手俳優のなかでモンスター級のカメレオン俳優だけれど、
いい意味で映像での演技とあまり印象が変わらなかったというか。
舞台ではちょっとばかしやりすぎたりするのかな?、とか思っていたのだけれど、ちゃんと"カンパニーの一員"だった。
もちろん演技は期待通りのキレキレっぷり。
セリフにいたってはもう膨大すぎて、あのテンションであのセリフ量をしっかり自身に充満させて演技している様子は鬼気迫るものがあるのだけれど、
けっしてひとりで演技していない。受け止めるカンパニーがそこにある。
そんなカンパニーに出会えて、彼自身も充実した日々を送っていることでしょう。(パンフレット参照)


生田斗真は菅田くんに比べてこれまでそんなに演技を見る機会がなかったので、
とくにへんな先入観もなく、"斗真くんの演技"を楽しむことができました。
舞台内外のポジションに関わらず、嫌味がない演技がとても好印象。


もはや「ハイローのボンネットのひと」でお馴染みの林遣都もめちゃめちゃ格好良かった。
林遣都の一人芝居の『ハムレット』とか観てみたい、と思わせるほどのハムレット役をまっとうしていました。


ドラマなどでよく見かけるお方、お名前は半海一晃さん。
劇中劇団の座長役だったのですが、このお方のロズとギルだけではなく、
観客をも暗闇に突き落とすかのような光のない目をした演技が凄まじかったです。
そして小柄であるがゆえロズとギルと並んだときの画が強い。


若手俳優界隈で人気の安西慎太郎くんも出演していました。綺麗だった。


席は上手側、前から5列目でしたイェーイ!
とはいえ、近くで見るとさすが芸能人~♡、みたいにはならなくて。
なんかもう、見たのは"作品の世界のひとたち"だったので、あんまり中のひとの容姿にはいい意味で驚かなかったです。
もちろん、若手俳優の面々は顔はちいさいしスタイルいいし格好良いし。
でもそれよりももっともっと彼らは"作品の世界のひとたち"という前提のほうが大きかった。




私が観劇したのは昼公演だったのですが、
このあと夜公演が控えている日だったので役者さんたちのスタミナって本当に凄いな~と。


ここのプロデュース公演は、とくに最近は渋い玄人好みの作品が多いみたいだけれど、
こうして若い顔ぶれが出演することや、それらのファンがこういった作品に出会うこと、
それ自体がもはやエンターテイメントだと思いました。
生きているエンターテイメント、それはひとをつなぐ。


しばらく、かなり長いこと、そんな作品には触れていなかった。
でも今回もキャストが私を連れてきてくれた。
そんな舞台を観ることができて、私は幸せものです。

東京女子流 体育会実行委員会が今年も仕掛ける!~avexネクストジェネレーションパーク in 東海大学湘南校舎 2号館

いまや本国・韓国でデセドルとして華麗に復活した『NU'EST』。
そんな彼らのステージを見た3年前と同じ大学の建学祭へ行ってきました。
だって今年は、あの東京女子流がライブをするというのです。


東京女子流』というグループに対しては、
もっと売れるべき!!!!!と、一時期声を大にしていました。
大好きだった"ガールズ・ダンス&ボーカルグループ"。


2013年に初めてフリーライブを観覧しました。
そのときに感じた"クオリティの水準は高いのに歌唱がついていっていない"という課題のようなものは、
約1年後の2014年には(動画を見る限りでは)すっかりクリアされており、

これ、いま売れなくてどうすんの!?

と、やきもきするぐらいには、地味に見守っていました。

拝啓エイベックスさま。
ここまで手塩にかけて育てたのだから、あとは「タイミング」だと思うのです。
"機を逃す"ということだけは、どうかどうかありませんように。

と、願うほどに。


ところが。
「アーティスト宣言」とそれに伴う楽曲の傾向の変化や、
あぁちゃんこと小西彩乃ちゃんの脱退により、気持ちが離れていきました。
つい最近の「アーティスト宣言撤回」については冷たい視線を送ってしまっていました。




そんな『東京女子流』が。
近所の学園祭に来るんですって。


ふらっと会場に着いたときは、もう女子流ちゃん以外の出演者の出番は終わっており、
ものすごくタイミングよく、席についたとたんに彼女たちはステージに登場しました。




いまの『東京女子流』を見ました。
約4年ぶりの女子流ちゃん。
あぁちゃんのいない女子流ちゃん。



私の知っている『東京女子流』じゃなかった。
ぜんぜん違うグループになっていた。
でも披露された楽曲のなかには大好きだったあの曲もその曲もあった。
だからなんか、不思議な感じ。


"謎の少女たちが謎にクオリティの高い楽曲を披露する"っていうのが、
めちゃくちゃ格好良かったあの頃ではもうなくて。
楽曲の年相応になった彼女たちは全体のバランスが良すぎて、
なんだか本当に初めて知ったグループみたいだった。




あぁちゃんの歌声を知ってしまっているので、
いまの彼女たちのエイベックス・アイドル歌唱のハーモニーと、
楽曲のトーンとのちぐはぐさが気になってしまいました。


だからこそ、あぁちゃんの声が、圧倒的に足りない。


昔のヒット曲を歌うも、当人たちが歌っているにも関わらず、
モノマネみたいに感じられてしまった。
だって、そこにあぁちゃんの声がないんだもん。
あぁちゃんの声がない女子流の楽曲たちは、私の知らない女子流の楽曲だった。


とはいえ、楽曲全体のクオリティはさすが「アーティスト宣言」しただけあって、
他の日本のアイドルにはない格好良いラインナップ。
こういう曲が自分たちの楽曲であることはきっと誇らしいことだと思う。




みんなすっかりお姉さんになっていて、
落ち着き具合がハンパなくてめっちゃ貫禄があった。
なによりすごい舞台慣れしていてステージの安定・安心感がめちゃくちゃあった。
煽りも慣れているし、MC等では客もイジれば臨機応変に司会者だってイジる。
でも、それはそんなに驚くことではないかな~とも思う。
だって経験してきたことや場数がすごいもん。


パフォーマンスも、自身らの成長とともに、グレードアップしていた。
もともと凄かったダンスはさらに洗練され、魅せるものになっていて、
私の記憶の中の幼かった歌唱はしっかりと安定したものになっていた。
みんなスラリとした女性になっていて見栄えがした。
すごいなー成長してるんだなーひーちゃんが大学一年生だってさー(遠い目)


でもね。
ひーちゃんとめいちゃんは顔をくしゃくしゃにして子供のように笑うの(尊い
いままでたくさん辛酸をなめてきたはずなのに、なんでそんな笑顔ができるの(尊い
ひーちゃんはMC中は、自分が話していないとき以外はずっと客席に手を振っていた(尊い
ゆりちゃんとみゆちゃんの笑顔は大人の女性のそれで、それはそれで感慨深いものが。
ハイタッチの様子を見ていたけれど、より近くで見るひーちゃんとみゆちゃんが綺麗すぎた。
いちばん大人っぽいと思っていたゆりちゃんがいちばん幼く見えた。




会場は階段状にゆったりと座席が配置してあるホール。
全席自由席だったので空いていた前から10列目くらいのほぼセンターの位置から、
メンバーの全身を、そしてステージの全体を、ぜいたくに観ることができた。
ふだんの女子流の集客を知らないのでなんともいえないのだけれど、
もっとたくさんのひとが女子流ちゃんから見た景色にいたらいいのにと思ってしまった。
音響も良くて、こんなありがたい環境で無料ライブだなんて。


綺麗な赤いドレスのような衣装で登場した『東京女子流』。
ひらりと躍動するその姿、これからも覚えているよ。




過去にとらわれすぎないで。
どうかもっと未来に目を向けて。




な~~~~~~んて言いながら、
私が『東京女子流』を大好きになった二曲の楽曲のミュージックビデオを、
セットリストとともにご覧いただければと。
だって控えめに言って伝説だもん。


1.Limited addiction

2.ミルフィー
3.鼓動の秘密

4.深海 -Hi-ra Mix-
MC
5.Rock you!
6.Don't give it up
7.おんなじキモチ
8.YOU & I FOREVER