ミーハーでごめんね

ミーハーでごめんね

I AM LOWBROW, AND I'M SORRY.

3月のライオン 前編

大・大・大好きな漫画『3月のライオン』。
私はあまり漫画の登場人物に自分を重ねることはないのだけれど、
主人公・桐山零と、その義姉・杏子のふたりは、まるで自分の一部なんじゃないかと思うくらいのシンパシーを感じている。
でも、だからこの漫画が好き、というわけではなくて。
そんな零と杏子を温かく包んでくれる、この作品の世界が大好きなんだ。


優しすぎる羽海野チカ作品。
私は、羽海野先生にも自分と同じにおいを感じている。
けれど、ソッチは"だから苦手"の同族嫌悪に分類される。
いたるところで垣間見える羽海野先生像は、
自分の恥ずかしい部分を改めて突きつけられているように思うからだ。
だからこそ、そんな"自分に似た羽海野先生"の作品は好き。
だって自分の求めているものがそこにあるからだ。
その世界は漫画の登場人物と同じように、私をも温かく包んでくれる。


実写化することで、『3月のライオン』という素晴らしい作品が、
"改めて世に伝わる"、ということ自体は、すごく意義のあることだと思う。
そのくらい、私は原作漫画が大好きなのだ。




で、実写化版映画を観た。
ひどすぎて泣きたい。




キャストのコスプレっぷりは素晴らしかった。
神木隆之介が零を演じるのは、想定内だし、実際すごく似合っていた。
神木くんのファンなので、実際、零たる神木くんの姿を見たときはテンション爆上がり。
なかでも島田さんを佐々木蔵之介が演じる、という情報を得たときには、
なにかを大発見したかのような気分になったものだった。
後藤を演じた伊藤英明はめちゃくちゃ格好良かった。


ただ、キャストの演技が、漫画的、というか。
発されるセリフが総じて平面的なのだ。上っ面だけというか。
生身の人間のエネルギーが感じられなかった。
漫画の実写化って、漫画の登場人物たちに三次元というかたちで息が吹き込まれるから新しいひとつの別の「作品」というかたちになると思っている。
それが叶わなかった、個人的に。大ショック。


なんつーか、演技から「心」が見えない。
原作は二次元ながら"二次元の手法"で、キャラクターの「心」がしっかりと描かれている。
そんな"二次元の手法"に代わるものが実写映画にはないように感じられて。
血の通った人間が演じるにしては見えてこない「心」というのは不気味でもあった。
なまじ、みなさん演技がうまいからそれは余計に違和感があった。




映画のつくりも原作漫画をリスペクトしているのは大変結構なことなのだけれど、
ちょっとあんまりにも原作に背負わせすぎた。
長尺なのも原作の流れを大切にしているからなのだと思うのだけれど。
けれど、「実写化ならではの!」、みたいなパワーがぜんぜんなく感じられて。


原作漫画には「漫画だから」できる表現がたくさんある。
だから同じように、実写映画にも「実写映画だから」を求めてしまう。
だって原作の大・大・大ファンだから。




今作・前編は主題歌のチョイスも謎すぎて。
私はあのよく流れている『スピッツ』のカバー曲を期待していたのだけれど、
前編ではまったく違ういけすかない邦楽が流れて肩透かしをくらった。


後編は、つい最近連載誌に掲載されていた部分も描くみたい。
というわけで、絶対にオリジナルの要素が多くならないわけがなくて、
そうなったときに本作の布陣がどういったものをつくりあげるか、見届けたい気持ちもある。
でも、映画館にまでに足を運ぶかは迷い中。




くやしい。くやしくて、歯をくいしばりすぎて頭が痛いくらい。
そのくらい私は原作漫画が好きなんだなって気付かされた。


上映中、コソコソ喋っていた老夫婦(たぶん)が、
ラストにタイトルが表れたとき「ところで『3月のライオン』って何?」って言っていた。
そんな雑音が耳に残っている。やっぱりくやしい。

カルテット

おもしろかったです!
静かでミステリアスでありながらストーリーは二転三転と大きく動く!
前半はちょっとだるかったのだけれど、
毎回ラスト数分で物語が予想だにしない方へ向かうので後半は次の回が楽しみで楽しみで!


キャッチコピーで「大人の恋はやっかいだ。」とか言っちゃってるんですけど、ひどく不相応に感じられます(笑)
とてもじゃなかったけれど、そんなもんじゃなかったぞ。(もちろん褒めてる)
たとえば「人生」だとか、簡単にことばにはできないすごく大きなテーマを、
たくさんの謎めいたエピソード(恋愛も含む)を重ねることによって最終的にそれぞれのひとにある方角に導くかのような。
肩をたたいてくれたり、背中を押してくれたり…私個人はそんな感触でした。
まさかこんな気持ちにたどりつくドラマだったとは。やられた。


毎回テキストでの煽りが凄く感じられて、
結果的にはその煽り自体には個人的にはあんまりピンとこないのだけれど、
それを超える別の爆弾のようなものがちゃんと用意されているので、
いい感じに翻弄されながら、楽しませてもらっていました。




「カルテット」ということばを記号化していて、「音楽」を素材にしていて、
潔く心にじわっとくる人間ドラマに徹していたのがよかったです。


雰囲気で強引に進めていく感がなきにしもあらずだったけれど、
逆をいうとその雰囲気をとても慎重に、大事にしていたような印象を受けました。




カラオケボックスでの4人の男女の出会いはさすがにちょっと無理がある風ではあったけれど、
松たか子満島ひかり高橋一生松田龍平がどっしりとした存在感でもって有無を言わさぬ演技力で押し切ってくれていたので、
気が付いたらすっかりその甘美なで成熟した世界観にうっとりうっとりしていましたね~あんな共同生活、憧れるったらないわ~。


いちばん凄かったのは主演のなかでもキーをにぎる真紀を演じた松たか子の抑えてた演技。
どこかとらえどころがなくて、それがすごく魅力的で、なにより設定に喰われなかった。
キャラクターとしては満島ひかり演じるすずめちゃんがずるい!!!!!あんなの愛おしいに決まってる!!!!!
別府(松田)・家森(高橋)も、よかったんじゃないですかね。
男性陣はふたりとも、とくに家森さんはあざといがすぎるけれど。




坂元裕二による脚本は、サービス満点なのだけれど、
くどくどくどくどしたセリフが今回はちょっとめんどくさかった(笑)
素人個人(私)の感想ではすごく演劇みを感じる、会話劇といった趣だったけれど、
いかんせんこのメインキャストがテレビドラマで発することばにしては脂が乗りすぎているというか。
毎回毎回いかにも名言を生み出そうとしている感じがこそばゆかったです。
ただ坂元さんがやりたかったことをやっているっていう感じもありやや寒く感じる部分も。
でもそのくらいの気合と気概を持ってお仕事されているっていうのはとっても素晴らしいことだと思います。(どっちだよ)
"唐揚げレモン問題"の組み込み方とかはお見事でした。




キャスト目当てで視聴したのですが、
キャスト陣はものの見事に画づくり・芝居づくりの期待にこたえてくれたようなクオリティ。


ただ、それっていうのが、つくり手の、




こんな松たか子が見たいんでしょ?
こんな満島ひかりが見たいんでしょ?
こんな高橋一生が見たいんでしょ?
こんな松田龍平が見たいんでしょ?




「でしょ?」




が、過剰。ひじょーにあざとい。


キャスティングにおけるその部分ってすごく大切だし、大事なことだと思うのだけれど、
本作は、な~~~んかそれがハナについたというか。


先シーズンの逃げるは恥だが役に立つやアニメユーリ!!! on ICEなどに似た、
「だから公式が最強だっつってんだろ?あ?」みたいな、
つくり手の強気すぎるサービスには、ちょっと腰が引けてしまっていました。


まるでドラマ本編の二次創作全開の(通常の)エンディングの映像にはもう完全にドン引きでしたね(笑)
椎名林檎が手掛けた主題歌の歌詞「大人は秘密を守る」っていうフレーズで締めくくるのは最高でしたけれども。
最終回のエンディングは、「主題歌」というものを最大限に生かしていて良かったです。


とはいえ、逆をいえばそれだけ力がはいっていたことの表れだし、
実際演出などをはじめとするスタッフ側のこだわりが随所に炸裂していて、
「いいものをつくろう!」っていう気合と気概も、しっかりと伝わってきましたよ!
毎回タイトルと主題歌のタイミングもしびれるくらい格好良かった!




メインキャスト以外のキャストも、
学級崩壊モンスター・ありすちゃんを演じた吉岡里帆ちゃんの清々しい狂気は大発見。
ありすちゃんまじありすちゃんすぎて最高!




いまのところ今年いちばんの名台詞!



サンドウィッチマン富澤さん(大好き)と、八木亜希子の夫婦もすごく好みのキャスティングで、楽しかったです。
もたいさんやクドカンをはじめとしたレギュラーキャストのほかにも、
ゲストがいつもとっても豪華で、そんなところからも"ドラマを安くしない"という心意気が感じられました。
個人的には、ほぼモブ役扱いだった藤原季節くんをもっと見たかったな~。




ギミック・小ネタたっぷりで、
そことそこが繋がってたのかー!、これがそれの伏線だったのかー!、と、
そのたびに気持ちよく驚かせてくれた本作。
もう一回、最初から見直したいですねー。やーやっぱりめんどくさいかな(笑)


最終回のひとつ前の回の後半からずっと泣きながら見ていました。
達観したラストにこちらも晴れやかな気持ちでございます。

BTOB 「MOVIE」

絶賛執り行われている"K-POP・冬の陣"のさなか、『BTOB』がカムバック。
タイトル曲『MOVIE』でオトナの階段登ったってよ!



すっごくイイ~~~~~!!!!!
イマの『BTOB』に気持ちいいくらいピッタリと合っている!!!!!


作詞・作曲・編曲にイルフンが参加とな!スバラシイ!


しっかりとデビュー5年目でグループにあった楽曲をしつらえてもらって。
いやね、5年目なんですわ。5年目でね、ここにたどり着いたのが長かったのか否か。
そしてしっかりと間に合わせたディレクションのタイミングが絶妙すぎる。
私が求めていたのはこういう路線よ、CUBE!ここまでいろいろ寄り道しすぎた(笑)


ボーカル組もラップ組もちゃんと地に足がついていて。ビジュアルも安定感ある。
メンバーみんなすっかりオトナの男性になられて(涙)ミニョギが格好良すぎる~。
見どころ満載のミュージックビデオはウンさんの盛れっぷりも必見。いや、イケ化?




そして、肝心のステージパフォーマンスなのですが、、、、、



ぎゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!


黒スーツ・・・・・・・・・・(ちぬ)



おっぱみ~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!(号泣)


こういう『BTOB』が見たかった!
軽快にダンスしながら、それぞれがとても歌うことを楽しんでいて…そんなステージが素晴らしい!



ミニョギのとっちゃん坊やっぷりもかわゆいのですが、



ヒョンシクのこのお色気はなんなんですか!けしからん!




…ちょっと今回の『BTOB』最高すぎませんか!?




とりあえず、拝啓エムネット様、と、感謝のお手紙をしたためる勢いです。




ぶっとびって個人的には踊ってナンボタイプのアイドルグループとはちょっと違っていて、
どちらかというと歌唱スキルがゆえに音楽職人的なイメージが強いんです。
だから、こうしてバックダンサーをうまくつかって、踊りつつ、ちゃんと歌唱でも魅せるっていうスタイルが本当にイイ。


いっときコーラスグループと化してしまったときはどうしたもんかと思ったし、
事務所はもうBTOBを諦めちゃったのかな~、なんつー考えもよぎってすごく悲しかった。
間逆の流行りのちょっとダウナーなダンス曲持ってこられても違和感しかなくて。
もっと彼らに合ったものがあるんじゃないかってカムバックのたびにもやもやしてて。


そんなもやもやが今回ですっぱーんと晴れました!これが理想!
私のなかでの彼らの代表曲はデビュー年リリースの『WOW』で、それはたぶんこれからも変わらないのだけれど、
それにしかがみつくんじゃなくて、ちゃんとグループの成長とともに、
あてがわれるディレクションも進化しているっていうのが目に見えたっていうのがね、とってもとっても嬉しい。


長らくあった彼らのディレクションにまつわる違和感からの解放…!

彼らは、こちらの想像以上に、真剣に「音楽」をやっている・向き合っている。

そうなんですよ、そうなんです!
それがようやくここでいろいろなひとに伝わるときがやってきたかのような。感動モノです。




そして、音源もかなり売れております!
この激戦期にボーイズグループがここまでの音源成績をおさめるのはかなりすごい!


今回ここまでしっかり完成させて、さらにしっかり売れちゃうと、
CUBEエンタのことだから、また同じ路線が続くかもしれないという懸念も。
でも、それはそれでその路線を極めていくという姿勢ならば、大歓迎でございます!
軽いノリでまた恐怖の"コンセプト迷子期"になるかもしれないことを考えたら(震)


かわいいかわいい2012年デビュー組のうちのひとつの彼ら。
ぶっちゃけ、この一曲でかなりやられてしまっています。。単純。。
そんな私のいやらしいまなざしなんてなんのその、この冬の陣の思わぬ伏兵になるかもしれ。
がんばれゆけゆけBTOB!

TWICE 「KNOCK KNOCK」vs GFRIEND 「FINGERTIP」

今シーズンあっちもこっちも(どっちだ)カムバック大渋滞!
そんななか昨年のK-POPシーンを彩ったガールズグループも次々カムバック。


そんななか、注目はこちら。




2017年"K-POP・冬の陣、
新世代トップ・オブ・ガールズグループ対決"・
"TWICE vs GFRIEND"、
ここに開催されたりいいいい!!!!!




カンカンカンカンカン~~~~!(何の音やねん)





先手は2月20日、今年も天下を取る気まんまんの『TWICE』が、
タイトル曲『KNOCK KNOCK』で出撃。

ミュージックビデオは前作『TT』のMVとの繋がりも。



そしてなにより、、、

しゃちょーがいちばんかわいいょ♡



所属事務所の出たがり名物社長をもネタにしてしまう!
彼女たちの勢いたるや!つ、つよい…!





そしてTWICE旋風吹き荒れる中、2週間後。
大本命の対抗馬『GFRIEND』(ヨジャチング)が戦線に舞い戻ってきました。

タイトル曲『FINGERTIP』は"パワー清純"コンセプトからがらりと変身。




おもしろいのが、『TWICE』がわかりやすく少女型化して個々のキャラクター性を強めていってるのに対して、
ヨジャチングは間逆のグループそのものの成熟化を推してきたところ。
そんなふた組がいまのガールズグループのトップ圏内を同時期に活動するのが楽しいです。





かつて「萌え」の要素が"ヨジャチング>TWICE"だったのに対して、
"TWICE>ヨジャチング"の図になっているのが興味深い。


もともとは、バリバリのザ・K-POPのしつらえでデビューしたのはTWICE。
ジャパンのロリカルチャーと見まごう「萌え」推しでデビューしたのはヨジャチング。
それが2017年、間逆のアプローチでそれぞれのプロジェクトが進むことになるとは。




アイドルのブレイクは「キャラクター」化がいちばんのキーだと思っています。
なぜなら、こちらでも触れているように、

人気のガールズグループに言えることが、アイドルの永遠の(?)テーマ、"対同性"ウケをしっかりと掴んでいること。

=「キャラクター」化だと思っているからです。
ただ例外もあって、TWICEはそれで認知度上がるにつれ日本人の女の子のアンチが多くなるという(笑)
でもいったんキャラ化が定着したら、もうどんなコンセプトでも消化できるようになるから強いよな~と感じます。




ヨジャチングのイメージチェンジにまだ戸惑っているひとが多そうなのは、
その「キャラクター」化を経ないうちにコンセプト路線を変えてきたからだろうなぁと。


ヨジャチングのイメチェンは、"パワー清純"の呪縛から解かれたようで私は好意的です。
あのコンセプトは限定のネタもの色が強く、いずれは脱却しなければならなかったところだと思います。
はやめに舵を切ったのは英断なんじゃないかな。


たしかにグループコンセンプトがブレた気がしなくはないんだけど、まぁこういうヨチンもいいのでは?、と。
楽曲そのものはしっかり"ヨチン節"っていう感じがしっかりするし、
ビジュアルは"よくあるけーぽ"風ではあるけれど、
垣間見える鬼気迫るダンスショットからはヨチンらしさがしっかりと見えていると思います。
音楽番組等でパフォーマンス披露が解禁されたら、きっと、もっと受け入れられるんじゃないですかね。




さてさてこちらの対決、とにかく長期戦になりそうですね~。


デセドル vs デセドル。


なにせどちらも実績からしていつもリリースしてから息が長い!
とりあえずはTWICEの3週目・ヨジャチングの初週の3月3週目とかですかね。
ふた組のリリースのあいだで音源女王の『少女時代』テヨンが爆売れしているので、
そんなところも気になります。


さぁ、役者はそろった!いざ!

お母さん、娘をやめていいですか?

さながらお化け屋敷。
「ひ~~~~~!」「きゃ~~~~~!」「こわい~~~~~!」と、
ぎゃーぎゃー騒ぎながら数々の出来事に戦慄し、存分に楽しませていただいておりました!




もうなんか、スムージーがこわい。




スムージー、トラウマになりそう(笑)


とってもおもしろかったです!
「モンスターホームドラマ」と謳っているだけあり、サスペンスを通り越してもはやホラー。
各話、パンチの効いたエピソード満載で、怖いのなんのって!人形!
そして毎回タイトルが秀逸。7話の『出口なし』とか最高です。




ロケ地が宮澤佐江ちゃんの第三の故郷(なのか?)の名古屋だそうで!
名古屋は佐江ちゃん関係なく何度か訪れたことがあった地なので、オアシス21などの登場も多く、高まりました!




ドラマのお目当ては"俳優・柳楽優弥"でした。
彼が"波瑠×斉藤由貴"、の母娘と、いったいどういう風に接するのだろう、という程度の軽い気持ちで見始めたのでした。
柳楽くん、とってもうまかったです!
私はほぼ『アオイホノオ』新規ということもあり、そのあともエキセントリックがすぎる役柄ばかりだった彼が、
これまでとは間反対の「普通」にカウントされる役を演じているのが新鮮すぎました。
そんな「普通」の男がごく自然に異常な物語に巻き込まれていく。
まぁキャラクターの意固地な性格ゆえ自ら巻き込まれていってる感もあるんだけど(笑)
けれど、今回演じた松島という男も、なかなか演じることのできるひとはいないと思います。
基本的にはすごくチャラくて軽い。でも説得力のあるたくましさと頼もしさを馳せ持つことでこのドラマにヒーローとして存在します。
それでいてそれを「普通」に演じることってなかなか難しいと思うのです。
演技力はもちろん、ルックスや声をはじめとした柳楽くんのスペックに"「普通」のヒーロー"を演じるがゆえの嘘くささがまったくないんですよねー。
例によってイカれた母娘関係に振り回されるわけですが、驚異のメンタリティでそれをどっしりと受けとめる役どころ。
それを見事に演じていました。めっちゃ格好良かったです!


斉藤由貴のヤバすぎる母親・顕子(あきこ)の演技は圧巻でしたね。
若づくりに見えないのに若すぎる美しい少女のような風体もさることながら、
中身まで半分無垢な子供のようで、そして半分は女であるという絶妙なバランスを巧みに演じ分けていました。
ツヤツヤした瞳と肌が逆に怖さを増長させます。


波瑠も難しい立場の娘・美月(みっちゃん)をしっかり演じていました。
もうみっちゃんがかわいそうでかわいそうで(涙)
でも、「かわいそう」が泣かせるものではなく、サスペンスやホラーの方に向いたのは、
波瑠ちゃんの持ち前のか弱くない(褒めてます)雰囲気があってのことなのかなぁ。
絶望的な状況に置かれながら、どこかつねに健やかな印象がありました。


大好きな麻生祐未も含め、ほかのキャストもとってもよかったです。
寺脇康文の情けないっぷりも味がありました。
石井杏奈ちゃんは売れっ子ですね~。次に出演するNHKドラマの宣伝にもちゃっかり出演。
『仰げば尊し』で彼女を知ったので、「あの部長がグレた~!」とひと騒ぎしたり(笑)
キャスティングはばっちりでした。




設定もストーリーもすっごくおもしろかったんですが、




ですが。




最後の最後、ものの10分足らずでズコーーーーってなりましたね。本当に惜しかった。
ハッピーエンドであること自体に文句はないけれど、
なんならこちとら皆殺しレベルのバッドエンドも覚悟して最終回に臨んでいたわけですよ。


と~~~~んだ肩透かしくらったわ。
これがいち私という視聴者の真のバッドエンドなのだろうか。




どう考えても尺が足らない。




なんなんだあの突然の顕子の改心は!!!!!
そこに至るまであと最低でも3時間以上は必要でしょうよ!!!!!納得いかん!!!!!


娘のことはよくわかった。最終回までみっちりやったからね。
でも母親のことはわかんねーよ!だって!ものの!10分足らずですよ!




顕子のゆがんでしまった部分は、顕子だけが悪いわけではない。
母である自分自身が、自分の母から受けたものだってじゅうぶんに理由になる。
けれど、確信をついたかのようなみっちゃんの「私はママじゃない!」や「私に嫉妬してるの?」というキラーフレーズも結局曖昧なまま流れていってしまった。
ラストの揉み合ったときのスムージーのくだりのセリフも本心なのかまったくわからない。


顕子のあの明らかにオカシイ行動の数々の直後、
まるで記憶が飛んでいるかのような何事もなかったかのように笑顔でキャッキャと振る舞うスイッチにも、もう少しフォーカスしてほしかった。


本来なら、それらは謎のままでもいいのかもしれない。
けれど、今回のようなラストに至ったからにはそれだけの心象風景を描く時間がないと、もやもやしてしまう。
「顕子」という母親・女はそういう人物だった。「顕子」をもっと知りたかった。


そんな「顕子」を演じた斉藤由貴は本当に本当に凄かったです。




と、ラストは「ほへぇ…?」って変な声出ちゃうくらい消化不良でしたけれども、
個人的には「親子とは」とかまじめに考える余地のないくらいお化け屋敷的エンタメで、
見ごたえありすぎました。サンキュー、NHK

ラ・ラ・ランド

ネタバレしますね。
つらかった。


しつらえはさながら"「オトナ」のファンタジー"。
だからこそ"「オトナ」のつらさ"が振りかかってきたように感じたのかな。




最初からド派手なミュージカル炸裂で、
一曲目(?)が終わった直後は立って拍手したいくらい感動的でした。多幸感。超ハッピー。
音楽・音響も素晴らしかったのだけれど、それに負けじとカメラワークがものすごかった。
驚異的な長回しもさることながら、まさかの手動でカメラをぶんぶん回したり、
まさかのクレーンの一発撮りだったり、このご時世に、超アナログ!超アナログの超パワー!
映像と音楽がかけ合わさったときに発せられるパワーを久々に映画館で観た気がします。
音も画もとにかく華やか!パワフルできれい!エンタメ!大好き!
観るなら絶対に映画館で!、と推します。


パワーのある演出に反して、ストーリーは結構シンプル。
そこは個人的には良かったと思います。
だからこそ、余計なことを考えずにスクリーンに没頭できました。
脚本が映画オリジナルというのも、いいですよねぇ。


あえて「ロケ力」、と言わせてもらうけれど、
さながらアニメ的に美しいロケーションが現れて、そこはやっぱり規模が違うなぁと感嘆。
以前、同監督であるデミアン・チャゼル氏による『セッション』を観ているのですが、
監督が(相当)若くしてこの規模の映画を取り扱える力量にも改めて驚いています!




ただ、登場人物の描写が甘すぎる。
登場人物自体も結構甘く感じたので余計にそれは思いました。
だからストーリーの弱さもごまかせないというか。惜しい。
肝心の、主人公ふたりが惹かれ合う様ですら、ちょっとよくわからない(笑)
アカデミー賞がちょうど昨日行われたこともあり、オスカーオスカー騒がれていたけれど、
そのへんの甘さが気になってしまったので、
個人的にはまぁちょっとそこまではいけないわなぁと納得。


主人公ふたりは、エマ・ストーン(ミア)の存在感に対して、
ライアン・ゴズリング(セブ)はちと負けていた印象。(演技が云々ではなく!)
この没個性な感じがリアリティを生むのか、否か。
『セッション』同様、この監督はさえないヲタク男子を描くのがうまいのかな。
『セッション』でのJ・K・シモンズが怖すぎたので、
今作でもでも突然怒鳴りだすんじゃないかとどきどきしてた(笑)(怒鳴りません)




男も女も夢を叶える。
けれど、男と女は結ばれない。




そのつらさはファンタジーで構成されているからこそ、余計に現実を突きつけられるようで、
この苦(にが)みはやっぱり「オトナ」に向けたものだと思います。


ミュージカルシーンも不自然ではなくシームレスに繋がっていてよかったです。
唐突な場面もあったかもしれないけれど、それをも「演出」に昇華していました。
終盤はシリアスなシーンが続くものの、最後で大爆発するので、
観ているこちらもくすぶっているものから解放される爽快感・気持ち良さがありました。




けれど、それはタラレバの夢だった。




つらい。




こういうことって現実世界で結構あると思うんです。
「もし」を想いながら、それを受け止めて自分のなかにしまい込む。
それは年齢を重ねることで、より濃度を増していく。
かくいう私も、無理矢理忘れようとしていたことをえぐり出されたようで、とてもまだまだ「オトナ」は名乗れないけれど、すごくつらかったです。
これも人生、と割り切れる"ホンモノの「オトナ」"になるにはまだまだです。
私はまだ不自然なほどカラフルでポップなファンタジーにしがみついていたい。


とってもとっても楽しかったから、
そのつらさもとってもとっても身にしみます。


見るひとによって感じ方がまったく違うであろう、
どんな人生を歩んできたかがわかってしまうであろう、『桐島、部活やめるってよ』的な作品です。
とても良い映画でした。




そして流れるようにテレビドラマ『カルテット』第7話を見たのだけれど、
まるでそれは『ラ・ラ・ランド』みたいだった。なんて日だ。

'17 JAPAN CONCERT Say the name #SEVENTEEN in 横浜アリーナ

"一度でいいからライブを見てみたいアイドル"のうちのひと組だった『SEVENTEEN』。
昨年の初単独来日公演は残念ながら参加することができませんでした。
だって当時の人気ぶりで中野サンプラザってキャパ小さすぎでしょ!


そんな私ですが、ついについに!
SEVENTEEN』のライブに参加することができました!


せぶち、はじめまして!です!

しかも個人的に大好きな横浜アリーナで!




ペンライト・パンフレット、そして会場限定のリボンチャームも無事に購入。
ペンライトは重い!懐中電灯みたい!
パンフレットは読み応えありそうなのでこれから読むのが楽しみ。
(ポストカードはパフォーマンスチームでした)
さすが、メンバーが13人もいるだけあってグッズ数もそれなりに多いので、
グッズ販売売り場が遠い&広い(笑)


座席はチケット確保が遅かったこともあり、上から数えたほうがはやい天空席でしたが、
東京ドームの天空席を経験しているし、前回の横アリでの『f(x)』のライブで奇跡のアリーナ席を経験をしたこともあり、
なんとなく距離感がつかみやすかったというか。
見切れ席にならない程度の下手側メインステージすぐ横の位置だったので、
メインステージはよく見えるし、会場全体がよく見わたせる、個人的には良い環境でした。



このお写真でいうところの右側のスタンドの一番手前くらい。




SEVENTEEN』に関しては、歌がうまい、ダンスがすごい、などなどの、
ステージパフォーマンスのクオリティの高さは前提の話です。




念願の、せぶちコン。




SEVENTEEN、最高でした。




なんというか、国境を越えたわ。
確実にアイドル観が変わったし、衝撃的だった。


"アイドルのライブ"というよりは"エンターテイメント"でした。
アイドルやK-POPが苦手なひと、せぶちをを知らない人にも見てほしい。
ぜったいに楽しいから。


横浜アリーナはせぶちの単独ライブ史上最大のキャパの会場なのだそう。そしてその初日。
そんな彼らはテンション高め、気合いもりもりでした。




それなりの席だろうと想像していたので、できるだけ会場の構成を知っておきたいと思い、
先に行われた神戸公演のレポ等で「花道ナシ」・「ムービングステージ使用」ということは知っていました。


けれど、実際にあのカラット棒(この呼び方どうなの・笑)のライトの海に高く高く浮かぶように移動するムビステは、
まるで本当に会場と一体となっているかのようで、なぜか私が感極まって早々に半泣き状態でした(笑)



ムビステがあいだの通路を4往復もします。



夢のような光景でした。


最初は花道ナシか~、なんてちょっとがっかりしていたのだけれど、
せぶちは群舞が活きることを利用してムビステで全員でパフォーマンスすることに注力していたのがほんとうに効果的だった。
あの歌唱とダンスのキレ・群舞の勢いと迫力はなんなんだ。末恐ろしい。
そして、全員が全員、それなりにちゃんとしっかり歌ってしっかり踊れるんですよね~。




あと、本当にムビステ効果も大きいと思うけれど、
せぶちのライブは観客のひとりも置き去りにしない!!!!!!!
どこまで自分たちでやっているかは謎だけれど、楽曲含むパフォーマンスにメンバー全員の意思が感じられる。
そんなメンバーそれぞれが観客をまるごと包み込むような姿勢だったように感じられました。


楽しませよう、というよりは、素直に、真摯に「いま」という瞬間に向き合ってる感じ。
それがまた初々しくて愛らしくて、すごく好感が持てました。


もちろん、ボーカル・ヒップホップ・パフォーマンスの各チームのパフォーマンスも、
大人数グループならではの個々のメンバーの見せ場になるわけですが、
それぞれのチームパフォーマンスからは自信と信頼と誇りに満ちあふれていて、
そんな3チームがひとつになったときの爆発力が凄くないわけないのです。

群舞も大迫力でお見事だったし、メンバーを曲ごとに13人から選抜してパフォーマンスできるのはせぶちの強みですよね~。
セットリストもそれらを活かしながら緩急のあるもので飽きさせません。


私はというと、掛け声がまったくわからなかったから一緒に歌っていました(笑)
せぶちってなんか掛け声むずかしくない?




ムビステ以外にも、演出がとにかくよくできていて、ライティングや効果もものすごかった。
銀テープ発射はもちろん、スモーク・垂れ幕・はなびら・炎などなど、一曲一曲の演出を大切にしていました。



チームごとのたった一曲のためにこの演出。


なんとなくK-POPアイドルのライブのステージって簡素なイメージなのだけれど、
(ほぼエッセムアイドルの現場にしか行ってないからかも…)
ムビステ含め、「横アリでやれること全部やったったわー」、っていう豪華さでした。


映像は『VM Project』さんですかね?
アイドルのそれにありがちなだらだらしたものじゃなくてすっごくシャープでオシャレで格好良かったです。
(どうして音盤のデザインはアレなんだろうか…)



!!!!!


観客の入る前に、いちばんうしろの席からメインステージを見たのだそうです。
そんなことも彼らの今日のパフォーマンスのモチベーションになっているんじゃないかな。




個人的にせぶちって、ちょっと子供っぽいイメージがあって、
「若者のもの」という先入観があったのだけれど、どっこい。
みんな色気がめちゃくちゃ凄くてどきどきしっぱなしでした。
それは子供のそれじゃなかった。超セクシー。


ひとりひとりがキラキラしていて、
改めて彼らはステージの上に立つべき存在なんだな~と思いました。
ペンライトのぱんちゃぱんちゃよりも輝いていたよ、せぶち。


メンバーのなかでもいちばん印象が変わったのはドギョム。
親しみやすいイイヤツなイメージがあったのだけれど、オーラのあるイケメンでした。
普通に話す声がイケボだし。なんだよーしらなかったよー。
歌唱もすごくパッションがあってエモいとはこのことかと。
そしてふいに見せる表情が男らしい!
どちらもインターネットでは見たことのないものでびっくりしました。
みんな総じて格好良かったのだけれど、じゅんぴのオーラたるものもズバ抜けて凄かった。


違う意味で意外だったのはウォヌ。
ウォヌは勝手にビジュアル担当だと思ってたんだけど、彼、ラップうまいと思います。
ラップのこととかサッパリわからないけれど←
活動曲ではどうしてもクプスやバーノンにおいしいところ持ってかれちゃうけれど、
チームごとの曲ではガッツリ歌ってくれたのでそのスキルに驚きました。
ミンハオの透き通るような綺麗な高い声も、ライブでしかあまり聞けないのが惜しい。
ウジくん、活動曲でみんなをもっとつかってやって~><




MCは韓国語がメインだったけれど、そんなのは問題なく楽しめました。
どのアイドルグループにもMCにはスングァンはひとりは欲しいと思う(笑)
ミンギュの愛されワンコっぷりがすごく可愛かったし、
(アンコールのノースリーブTシャツから見える二の腕がたまらんかった)
スングァンはワンコの暴走もしっかり笑いをとりながら軌道修正するし最高だった。
ジョンハンもいい感じにMCでは遊んでいて。
ただ、やっぱり人数がいるのでおとなしいメンバーはMCでは「そういえばいたよね!」ってなっちゃうのがまたかわいいんだよな(笑)
通訳は私でも知ってるお馴染みの根本さんかな?声が根本さん。


ホシくんの愛嬌が炸裂!
ふだんのホシくんをあまりよく知らないのだけれど、もうハイな状態がずっと続いていて一瞬一瞬の喜びをすぐさま表さないといてもたってもいられないような(笑)
髪型が左サイド刈り上げでビジュアル確変しててかなりイケてましたよ、最初ホシくんだってわからなかった!
ホシくんが「カラットちゃん」って!!!!!言うんだもん!!!!!
通訳さんが「エスクプス」を!!!!!噛むんだもん!!!!!最高だ!!!!!
ミンハオとちょこっとだけ恋ダンスも披露してくれました。


MCも中だるみ感がまったくなくて、必然的なタイミングで訪れるので、
ライブのスピード感を失うことがなくてとても良かったです。
これも大人数グループのなせる技ですかね。




あっという間の約2時間半。


ライブでの、『SEVENTEEN』は、本当に美しかった。
そして、本当に素晴らしいパフォーマンスでした。


メンバーが口々にこんな大きな会場で大勢のお客さんのまえでステージに立てたことに対して「夢でした」・「夢みたいだ」と。
ペンライトの光で埋め尽くされた絶景に終始感動していた様子でした。
あのウジくんでさえ「夢のようだ」と。
私は彼らがいままでどんなキャパで単独ライブをやってきたかよく知らないけれど、
彼らの"初めての光景"のひとつになれたことが本当に嬉しいです。



素敵な時間をありがとう、『SEVENTEEN』。




VCR(Boom Boom)
1.Boom Boom(Remix ver.)
2.No F.U.N
3.Shining Diamond
MC
4.Chuck
5.Rock remix
MC
HIPHOP TEAM-
VCR
6.Check In
7.Man to sae
8.Fronting(Remix ver.)
9.Drift Away
-PERFORMANCE TEAM-
VCR
10.WHO
11.OMG(Remix ver.)
12.High Light
13.Still Lonely
-VOCAL TEAM-
VCR
14.20(Japanese ver.)
15.When I Grow Up(Remix ver.)
16.Don't Listen Secretly

17.Popular Song
18.Fast Pace
MC
19.Pretty U
20.Adore U
21.Mansae
22.Very Nice

VCR
EN1.Laughter
EN2.Beautiful
EN3.Love Letter(Japanese ver.)
MC