ミーハーでごめんね

ヲタク気質のミーハーの忘備録。ネタバレ要注意。月別アーカイブを見られるようにしました。

お母さん、娘をやめていいですか?

さながらお化け屋敷。
「ひ~~~~~!」「きゃ~~~~~!」「こわい~~~~~!」と、
ぎゃーぎゃー騒ぎながら数々の出来事に戦慄し、存分に楽しませていただいておりました!




もうなんか、スムージーがこわい。




スムージー、トラウマになりそう(笑)


とってもおもしろかったです!
「モンスターホームドラマ」と謳っているだけあり、サスペンスを通り越してもはやホラー。
各話、パンチの効いたエピソード満載で、怖いのなんのって!人形!
そして毎回タイトルが秀逸。7話の『出口なし』とか最高です。




ロケ地が宮澤佐江ちゃんの第三の故郷(なのか?)の名古屋だそうで!
名古屋は佐江ちゃん関係なく何度か訪れたことがあった地なので、オアシス21などの登場も多く、高まりました!




ドラマのお目当ては"俳優・柳楽優弥"でした。
彼が"波瑠×斉藤由貴"、の母娘と、いったいどういう風に接するのだろう、という程度の軽い気持ちで見始めたのでした。
柳楽くん、とってもうまかったです!
私はほぼ『アオイホノオ』新規ということもあり、そのあともエキセントリックがすぎる役柄ばかりだった彼が、
これまでとは間反対の「普通」にカウントされる役を演じているのが新鮮すぎました。
そんな「普通」の男がごく自然に異常な物語に巻き込まれていく。
まぁキャラクターの意固地な性格ゆえ自ら巻き込まれていってる感もあるんだけど(笑)
けれど、今回演じた松島という男も、なかなか演じることのできるひとはいないと思います。
基本的にはすごくチャラくて軽い。でも説得力のあるたくましさと頼もしさを馳せ持つことでこのドラマにヒーローとして存在します。
それでいてそれを「普通」に演じることってなかなか難しいと思うのです。
演技力はもちろん、ルックスや声をはじめとした柳楽くんのスペックに"「普通」のヒーロー"を演じるがゆえの嘘くささがまったくないんですよねー。
例によってイカれた母娘関係に振り回されるわけですが、驚異のメンタリティでそれをどっしりと受けとめる役どころ。
それを見事に演じていました。めっちゃ格好良かったです!


斉藤由貴のヤバすぎる母親・顕子(あきこ)の演技は圧巻でしたね。
若づくりに見えないのに若すぎる美しい少女のような風体もさることながら、
中身まで半分無垢な子供のようで、そして半分は女であるという絶妙なバランスを巧みに演じ分けていました。
ツヤツヤした瞳と肌が逆に怖さを増長させます。


波瑠も難しい立場の娘・美月(みっちゃん)をしっかり演じていました。
もうみっちゃんがかわいそうでかわいそうで(涙)
でも、「かわいそう」が泣かせるものではなく、サスペンスやホラーの方に向いたのは、
波瑠ちゃんの持ち前のか弱くない(褒めてます)雰囲気があってのことなのかなぁ。
絶望的な状況に置かれながら、どこかつねに健やかな印象がありました。


大好きな麻生祐未も含め、ほかのキャストもとってもよかったです。
寺脇康文の情けないっぷりも味がありました。
石井杏奈ちゃんは売れっ子ですね~。次に出演するNHKドラマの宣伝にもちゃっかり出演。
仰げば尊し』で彼女を知ったので、「あの部長がグレた~!」とひと騒ぎしたり(笑)
キャスティングはばっちりでした。




設定もストーリーもすっごくおもしろかったんですが、




ですが。




最後の最後、ものの10分足らずでズコーーーーってなりましたね。本当に惜しかった。
ハッピーエンドであること自体に文句はないけれど、
なんならこちとら皆殺しレベルのバッドエンドも覚悟して最終回に臨んでいたわけですよ。


と~~~~んだ肩透かしくらったわ。
これがいち私という視聴者の真のバッドエンドなのだろうか。




どう考えても尺が足らない。




なんなんだあの突然の顕子の改心は!!!!!
そこに至るまであと最低でも3時間以上は必要でしょうよ!!!!!納得いかん!!!!!


娘のことはよくわかった。最終回までみっちりやったからね。
でも母親のことはわかんねーよ!だって!ものの!10分足らずですよ!




顕子のゆがんでしまった部分は、顕子だけが悪いわけではない。
母である自分自身が、自分の母から受けたものだってじゅうぶんに理由になる。
けれど、確信をついたかのようなみっちゃんの「私はママじゃない!」や「私に嫉妬してるの?」というキラーフレーズも結局曖昧なまま流れていってしまった。
ラストの揉み合ったときのスムージーのくだりのセリフも本心なのかまったくわからない。


顕子のあの明らかにオカシイ行動の数々の直後、
まるで記憶が飛んでいるかのような何事もなかったかのように笑顔でキャッキャと振る舞うスイッチにも、もう少しフォーカスしてほしかった。


本来なら、それらは謎のままでもいいのかもしれない。
けれど、今回のようなラストに至ったからにはそれだけの心象風景を描く時間がないと、もやもやしてしまう。
「顕子」という母親・女はそういう人物だった。「顕子」をもっと知りたかった。


そんな「顕子」を演じた斉藤由貴は本当に本当に凄かったです。




と、ラストは「ほへぇ…?」って変な声出ちゃうくらい消化不良でしたけれども、
個人的には「親子とは」とかまじめに考える余地のないくらいお化け屋敷的エンタメで、
見ごたえありすぎました。サンキュー、NHK。

ラ・ラ・ランド

ネタバレしますね。
つらかった。


しつらえはさながら"「オトナ」のファンタジー"。
だからこそ"「オトナ」のつらさ"が振りかかってきたように感じたのかな。




最初からド派手なミュージカル炸裂で、
一曲目(?)が終わった直後は立って拍手したいくらい感動的でした。多幸感。超ハッピー。
音楽・音響も素晴らしかったのだけれど、それに負けじとカメラワークがものすごかった。
驚異的な長回しもさることながら、まさかの手動でカメラをぶんぶん回したり、
まさかのクレーンの一発撮りだったり、このご時世に、超アナログ!超アナログの超パワー!
映像と音楽がかけ合わさったときに発せられるパワーを久々に映画館で観た気がします。
音も画もとにかく華やか!パワフルできれい!エンタメ!大好き!
観るなら絶対に映画館で!、と推します。


パワーのある演出に反して、ストーリーは結構シンプル。
そこは個人的には良かったと思います。
だからこそ、余計なことを考えずにスクリーンに没頭できました。
脚本が映画オリジナルというのも、いいですよねぇ。


あえて「ロケ力」、と言わせてもらうけれど、
さながらアニメ的に美しいロケーションが現れて、そこはやっぱり規模が違うなぁと感嘆。
以前、同監督であるデミアン・チャゼル氏による『セッション』を観ているのですが、
監督が(相当)若くしてこの規模の映画を取り扱える力量にも改めて驚いています!




ただ、登場人物の描写が甘すぎる。
登場人物自体も結構甘く感じたので余計にそれは思いました。
だからストーリーの弱さもごまかせないというか。惜しい。
肝心の、主人公ふたりが惹かれ合う様ですら、ちょっとよくわからない(笑)
アカデミー賞がちょうど昨日行われたこともあり、オスカーオスカー騒がれていたけれど、
そのへんの甘さが気になってしまったので、
個人的にはまぁちょっとそこまではいけないわなぁと納得。


主人公ふたりは、エマ・ストーン(ミア)の存在感に対して、
ライアン・ゴズリング(セブ)はちと負けていた印象。(演技が云々ではなく!)
この没個性な感じがリアリティを生むのか、否か。
『セッション』同様、この監督はさえないヲタク男子を描くのがうまいのかな。
『セッション』でのJ・K・シモンズが怖すぎたので、
今作でもでも突然怒鳴りだすんじゃないかとどきどきしてた(笑)(怒鳴りません)




男も女も夢を叶える。
けれど、男と女は結ばれない。




そのつらさはファンタジーで構成されているからこそ、余計に現実を突きつけられるようで、
この苦(にが)みはやっぱり「オトナ」に向けたものだと思います。


ミュージカルシーンも不自然ではなくシームレスに繋がっていてよかったです。
唐突な場面もあったかもしれないけれど、それをも「演出」に昇華していました。
終盤はシリアスなシーンが続くものの、最後で大爆発するので、
観ているこちらもくすぶっているものから解放される爽快感・気持ち良さがありました。




けれど、それはタラレバの夢だった。




つらい。




こういうことって現実世界で結構あると思うんです。
「もし」を想いながら、それを受け止めて自分のなかにしまい込む。
それは年齢を重ねることで、より濃度を増していく。
かくいう私も、無理矢理忘れようとしていたことをえぐり出されたようで、とてもまだまだ「オトナ」は名乗れないけれど、すごくつらかったです。
これも人生、と割り切れる"ホンモノの「オトナ」"になるにはまだまだです。
私はまだ不自然なほどカラフルでポップなファンタジーにしがみついていたい。


とってもとっても楽しかったから、
そのつらさもとってもとっても身にしみます。


見るひとによって感じ方がまったく違うであろう、
どんな人生を歩んできたかがわかってしまうであろう、『桐島、部活やめるってよ』的な作品です。
とても良い映画でした。




そして流れるようにテレビドラマ『カルテット』第7話を見たのだけれど、
まるでそれは『ラ・ラ・ランド』みたいだった。なんて日だ。